宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

これまでの理論モデルでは再現できない… 星団の規模の多様性

2013年08月20日 | 宇宙 space
年老いた星の集まりには、よく知られている“球状星団”があります。

この他にも、暗い星が大きな範囲に集まったもの、同様に大きくかつ明るいもの、
といった星団が観測されていて、
それぞれ明るさと大きさによる星団の種類を示すものと認識されてきました。

でも、ハッブル宇宙望遠鏡とケック天文台の観測から、
これまでのどのカテゴリーにもあてはまらない、大きさと明るさの星団が発見されたんですねー

これまで、ある一定の大きさと明るさの範囲には、星団は見つかっていなかったのですが、
この範囲にも天体が存在することが示されたことになります。





発見された星団の一つ(左)
すでに知られている規模の星団(右)




年老いた星が密集している球状星団のような天体は、アマチュア天文家にもよく知られていて、
初めて発見されたのが1665年のことになります。
なので、星団のそれぞれの規模すべてを完全に把握するまでに、340年以上もかかったことになるんですねー

ハッブル宇宙望遠鏡で星団の大きさを、ケックⅡ望遠鏡で天体までの距離を測定したところ、
距離と明るさから推定した星団の大きさと質量には、
まとまりがあるわけではなく、どの規模のものも存在することが分かりました。

また星団の色については、比較的軽いものは赤く、重いものは青いことが分かり、
組成の違いを示唆しているようです。

今回発見した星団の「規模の多様性」を再現できる理論モデルは、今のところ存在しないので、
星団形成の再現を試みるシミュレーション研究にとっては、新たな課題をつきつけられたことになりますね。