NFP Archives

山遊び・海遊びやカメラ・写真、星、電子工作(真空管・スピーカー等)の記事を中心にブログに掲載しています
南竹 成己

故障部分(Nikon F)

2013年06月24日 | インポート
Dscf0755
問題のガバナー。低速のシャッタースピードを調整する部分。1/30秒より長いシャッタースピードで、シャッター幕の後幕をこのガバナーで作り出した時間遅らせて走らせます。シャッター幕は、先幕と後幕に分かれて、名前の通り、先幕が走り出して、設定された時間後に後幕を走らせることでスリットを作っています。

ちなみに、Nikon Fのシャッター幕は、布製ではなく、純チタン(F3の資料には純度99パーセント以上とあるのですが、同じ素材でしょう。)です。しかも表面には強度を増すためにディンプルパターンを施してあります。

状態は写真の通り。砂等がオイルを吸ったのでしょう。さび付いている部分もあります。ガバナーを外して、洗浄して注油します。湿気が多い環境での長い保管も油切れを引き起こします。

Dscf0756
もうひとつの問題のミラーボックス。手前のピンボケしている棒状のものがミラー駆動ばねです。ミラーボックスを外して手動で動かしてみると、だいぶひっかかりがありました。

レリーズボタンを押すと、まず、このミラーボックスにあるミラーレリーズかぎが外れ、ミラーアップがこのばねの力によって始まります。そして、ミラーアップが終わるとミラーボックスにあるレリーズピンがシャッターの先幕をスタートさせ、次に後ろ幕がスタートし、シャッターが閉じ、後幕が到着するとミラーが降下する・・・と一瞬の一連の流れをこれらの歯車やリンクで作っています。すごいですね。レンズとの絞りの連動もありますね。カメラが精密機器であることを感じさせてくれます。




Nikon F オーバーホール

2013年06月24日 | インポート
Dscf0754
Nikon F オーバーホール。 最終的にはここまで分解します。

この状態でほぼ動作の様子を見ることができ、不具合の確認と修理ができます。ミラーボックスはさらにマウント部分をばらすことができますが、このままで修理できました。

この機体の問題は、左の本体の歯車が見えている部分。低速シャッターのシャッタースピードを調整するガバナーという部品ユニットです。それと、右のミラーボックスのミラーアップ機構。どう動くのかとか、どうリンクしているのかを確認しながら、原因を探ります。最近の電子式のカメラならお手上げですけどね。部品ユニットごと全部取り替えなければいけません。機械式は部品が欠損していない限りはなんとかなります。部品を取り替えるだけなら、「エンジニア」ならぬ「チェンジニア」。