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山遊び・海遊びやカメラ・写真、星、電子工作(真空管・スピーカー等)の記事を中心にブログに掲載しています
南竹 成己

大工仕事・・・仕上げ作業

2009年05月05日 | インポート
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内部に施す作業は、吸音材を貼ること。これは、定在波という現象を抑えるため。定在波とは平行する面を行ったりきたりする音波が干渉したりしてある周波数が大きくなったり、小さくなったり、なかなか音が消えなかったりする現象で、お風呂場で歌がうまくなるのはこの原理かもしれませんよ!? 基本的に音楽のホールなどは、壁や天井を平行に作らずにこの定在波を回避しています。スピーカーは、平行面ができるために、この対策として吸音材を貼ります。素材は、フェルト。一番よく使われてるのは、グラスウール。平行面のないスピーカーを作ればもちろん、これは要りませんが、、、DIY程度の木工ではとても難しいですね。あまり入れすぎると躍動感の無い音になってしまいます。。目安は片面。このスピーカーでは片面の7割ぐらいに貼りました。完全に定在波を押さえ込めばいいという話でもありません。。とても曖昧なので、やってみなければわからないというものです。。。

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横の板を張って、箱は完成。仕上げに入ります。まずはかんな。角を落とすことと、はみ出してる部分をカットすること。

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次にサンドペーパー。60番、120番、240番・・・いっぱい用意してひたすら磨きます。ひたすら・・・。これが一番時間のかかる作業で、、、痩せます。。


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木のいい香りがしてきます。


Sperkers
今、作ってるスピーカーは一番左、フルレンジスピーカー。よく3WAYが一番いいだろうという人がいますが、、どれも一長一短。フルレンジは、高い音に向かって歪が大きくなる、レンジが狭い。でも振動版が軽く、よくできたスピーカーは音が生生しく自然で、小さいスピーカーの場合、音源が点に近づくので空間(音場)をよく表現してくれます。2WAY、3WAYは高域・低域、それぞれに専用のユニットを使いますのでレンジが広い。ただし、ネットワーク回路が必要、クロスオーバー周波数(上のグラフの谷)がある・・・。3WAYは見た目で音が良さそうとだまされるということもあります。フルレンジはユニットの割りにエンクロージャー(箱)がとても大きくなってしまうという見た目の悪さも。メーカーのラインナップもそういうのを反映してるのかもしれませんね。フルレンジを使う人は圧倒的に自作派です。住宅事情も影響してるかな? 

理想は点音源で振動版を軽くすることです。てことは小さなフルレンジで低い音まで出せばいいスピーカーができるはずなんですが、、、そんなのは無理がありますね。

ミニコンポとかで普段音楽を聴いてる方など、もし機会があれば、16センチ~38センチのフルレンジやウーファーのユニットが大きな箱に入れられてるスピーカーの音を聴くことがあればと思います。たぶん、感動でしょうね。生々しくて、躍動感があって。ジャズ喫茶とか行ってみてください。アルテックとかJBLとかが聴けるところがありますよ。パラゴンって怪獣みたいな名前のJBLのスピーカーがありますけど、串木野に名前そのままのジャズ喫茶もありますね~。