どう勉強すれば中級を卒業し、上級に到達できるか、との質問が多くなってきた。
開校三周年になり、3年間以上在籍の方が増えることにつれ、上記な質問が多くなったと思う。
確かに、日本人学習者に中級レベルに停滞される方が非常に多い。中国語検定試験3級と2級の合格人数は参考になれる。
相原茂先生は、「中級の荒野」という言葉を使って中級から脱出する難しさを言い表している。
私は、「中級は砂漠だ」と思っている。
3級までの中級中国語は文法項目の学習に重点を置いてある。文法項目は樹の枝のようなものである。ゼロからスタートする方にとって、種を撒き、芽から苗へ、苗から木の形への変化は目にはっきり見える進化であり、成長を実感できる充実な過程に違わない。
しかし、上級への変身がなかなか実現しにくい。
なぜ?
上級に転換するのは、木の枝に緑の葉っぱを生えさせることのようなことだからだ。
木の枝を文法に例えるなら、葉っぱは言葉になる。
文法だけでは、意思伝達はうまくできるわけがない。文法という枝に言葉という葉っぱが正しい位置に生えることこそ、意思をうまく伝えられるのだ。
しかし、木の枝は数えられるものであっても、葉っぱは数えきれないものである。緑の葉っぱは多少あっても、十分な量でないと、木は茂らない。意志伝達も十分にできないのだ。
自分も来日してから、ゼロから日本語の学習をスタートしたのだ。一年間日本語別科で勉強しただけで大学に進学した。しかし、それは、テキストの学習と試験ができただけで、コミュニケーションがうまくできるレベルではなかったーー同じ漢字圏だから読み書きが有利なのだ。
日常会話がほぼ支障なくできたのは来日3年目に入ってからだった。しかし、ちょっと深い話になると、うまく自分の意思を表現できずにいつも語学力のなさに悔やんでいた。
やっとやや不自由に自分の見解を述べるようになったのは、もう来日5年間になった。電話に怯えずに堂々と出られたのもその時だった。
すなわち、木の枝に葉っぱを生えさせたのに3年間もかかったことだ。
言葉は実に難しいものである。類義語、慣用語、慣用句、四字熟語、話ことば、書き言葉などを消化するのに莫大な時間がかかる。
しかも、意味がわかるだけで適切に使えるとは限らない、文法を踏まえて、語順を意識しながら正しく使わなければいけない。
そのため、自然な目標言語を常にインプットするのは大切である。ドラマを見ることで耳に言葉をインプットすることも大切だが、漫画・エッセイ・新聞・小説をたくさん読むことによって、言葉の意味だけではなく、ニュアンスを理解し、適切に運用する力を身に着けることも大切だ。しかし、それは一朝一夕にできることではない。
なので、緑の葉っぱを木にいっぱい生えさせるまでは、砂漠を駆け抜けるように、時々、無力感や絶望に襲われるのもおかしくない。
しかし、あきらめずに正確なプロセスで頑張りつづけば、オアシスに到達する日がきっと来る。
大家、加油!我会支持你們的!