スピーチコンテストの指導していると、感じることがあります。「生徒は先生の鏡である」と。生徒の発音や表現は、かなりの部分で先生のコピーになっているということです。
つまり、「先生の真似がどれだけ出来ているか?」ということは、「その生徒の発表が高いレベルにあるかどうか?」と比例しています。真似(コピー)が出来ていないのに、自分の色が強すぎると、発音&イントネーションや表現が不自然になることがよくあります。(モデルを頼らずに、全て自分の力で発表することが出来るようになるためには、英検2級レベルでもまだまだ不足していると思います。)
そして、発音について言えば、先生(私)の微妙なクセが、生徒に乗り移っていることがあるのです。(私は英語のネイティブではありませんので、発音はネイティブよりも劣ります。とはいえ、自分で言うのおこがましいですが、普通の日本人よりはかなり高いレベルだとは思います それに、ネイティブでさえ、出身地や個人それぞれに微妙なクセがあります。皆さんは、母国語である日本語を何のクセも無く、明瞭に話すことが出来ていますか?)
生徒の発音を聞いていて、「おかしいな?」と思う部分があると、実は自分のモデルが微妙にそのようになっていることがあるのです 自分の場合は許容範囲内でのクセであっても、生徒が発音をすると、それが強調されてしまい、分かりにくい発音になってしまっていることがあるのです。そんな時は、生徒に乗り移ったクセを直すために、私のモデルにも修正を加えます。つまり、先生自身も勉強と練習を続けなければなりません。
生徒の皆さんが高いレベルに達しようと思ったら、まずはモデルの真似をすることが大切です。しかし、より高いレベルに達しようと思ったら、コピーから抜け出して、独自の色を出していかなければなりません。そのためには、スピーチのモデルや教材英語以外に、様々な英語を沢山聞いて、より高い英語力を身に付けることが必要です。
「生徒は先生の鏡である」ということは、スピーチ以外にも他の様々な事に当てはまります。例えば、先生の授業の進め方で生徒の反応がかなり変わります。
さらに、授業とは関係の無いことで、日常生活での様々な人との関係でもこのことが当てはまることは多いのではないでしょうか?
<追伸その1>
関連事項はこちらをクリック
「スピコン中日本ブロック大会を終えて」
http://blog.goo.ne.jp/mizuno-katsuya/d/20111229
<追伸その2>
練習で使用するモデルは、基本的には私の生徒ならば私が発音しています。中日本ブロック大会や全国大会に出場する場合、小学生ならばLLセンター作成のモデル音声があり、中学生ならばオリジナル作文ですので教室独自に依頼したネイティブの先生のモデル音声があります。それらも役に立っているのですが、特に表現については、話の解釈に違いにより、「独自の色」が付けて行きますので、ネイティブのモデルをそのまま真似をすることは出来ません。そのため、最終的には先生の発音がモデルになるのです。