サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

太陽光発電での分譲タイプと借地タイプはどちらがよいか

2014-04-23 00:39:16 | 太陽光発電

太陽光発電での分譲タイプと借地タイプとで投資という観点からどちらが良いか、との質問をいただきましたので、ここで私なりのコメントを述べさせていただきたと思います。

現在、山梨県北杜市にて実際に分譲タイプと借地タイプをそれぞれ1基ずつ購入することで契約を進めているところです。

分譲タイプは土地代として250万円、一方借地タイプは借地代として年間15万円との見積もりをもらっています。他の業者でもだいたい土地代200万から250万円、借地代は年間12万~15万円くらいなので、ほぼ相場通りの額だと思います。

分譲タイプと借地タイプでそれぞれシミュレーションを行うと以下のようになります。

              分譲 : 借地
初期投資額: 2,450万円:2,200万円
IRR:          8.02% : 8.57%
20年後の累積収支:2,575万円:2,343万円
仮定:売電単価40円(税抜)。20年後には分譲タイプでは土地は購入時の金額250万円で売却できる。
考慮:固定資産税や償却資産税も考慮しています。消費税は8%にしています。

IRRの値が借地タイプのほうが高いことから、借地タイプのほうが収益性はやや高いといえます。

ただ、借地タイプの場合は、原則として20年後には更地にして地主に返却することになります。

ここからは、仮の話になってしまいますが、もし20年後もまだ設備が利用可能で、かつ21年目からは売電単価が25円(税抜)だったとします。
(現在の電気料金は20円~30円くらいなので、売電単価もその程度はあるだろう、という予想です。)

この場合、実質的な売電収入(売電収入から経費などを差し引いた最終的な手取り額)は120~130万円(税込)ぐらいです。
そして、5年間さらに売電を継続することで、借地タイプとほぼ同じIRR=8.50%、また25年間の累積収支2,987万円になります。
(パワコンに対するオーバーホールによる修理でもやはり25年くらいが限界ではないか、またパネル出力保証期間が25年間であることが多いため、5年間の継続を予想)

借地タイプでは、このような継続的な収益を得る機会を逸してしまうかもしれません。もちろん、地主と交渉して借地期間を延長したり、再契約するという可能性もあります。

一方、分譲タイプであれば、事業継続は可能であるし、20年後は今よりも廉価かつ高性能な太陽光発電システムが開発され、売電単価がかなり下がっても投資対象として引き続き検討できる状況にあるかもしれません。いったん、現システムを破棄して、新たに太陽光発電システムを新設して事業を継続するという可能性があるわけです。

あるいは、北杜市のような日射量が多い地域は太陽光発電にとっては有利であるため、土地の価格が上がり、その土地を売却することでキャピタルゲインを得られる可能性も考えられます。事実、私の身内が昨年、大阪から北杜市近くに引っ越して実際に住んでいるのですが、晴れの日が多いと実感しているそうです。
20年後は売電単価もある程度一定の金額に落ち着いてると思われるため、どの場所で発電するか、が収益性にとって重要な要素になっているでしょう。

まとめると、20年という区切りで考えれば借地タイプが多少優位ですが、その後の事業継続の可能性も含めて考えると基本的には借地タイプでも分譲タイプでも収益性には大きな差はないと思います。(どちらか1つ選べと言われたら分譲タイプかな。) 日射量が高い地域であれば、さらにキャピタルゲインの可能性も考えられるため、そのような地域であれば分譲タイプがいいのではないかと思います。

当初、山梨県北杜市には分譲タイプを2基購入したいと依頼したのですが、購入希望者が多く、分譲と借地のそれぞれ1基ずつになったという経緯がありました。また、すでに売電を開始している熊本の発電システムは、分譲タイプです。ただ、業者の話では、「一応原則として20年後には撤去することを前提に考えているが、希望があれば多少その期間を延長することもありうる。」という話です。

太陽光発電システムを購入する際には、20年後の扱いについても事前にキチンと聞いた方がいいですし、20年後は何とも言えないとかいう業者(実際、そういう業者もいました)は、売ってしまえばあとは知らない、という危険な業者かもしれません。

 

 

 

 

 

コメント (1)
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