サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

インデックスファンドの重要性

2007-05-08 23:46:13 | 資産運用
先日、昔の同僚に資産運用についていろいろと質問を受けたのですが、中でもインデックス運用によるファンド(以下、インデックスファンド)の重要性やアクティブ運用によるファンド(以下、アクティブファンド)との保有割合についてどのようにすべきか質問がありました。そのときの質問と回答を参考までに列挙したいと思います。

疑問:
インデックスファンドは、経験上値上がりも少なく、動きが小さいファンドという印象が強いのだが、本当にインデックスファンドに投資することが正しいのか疑問である。

回答:
インデックスファンドは確かに値動きが小さいですが、それは多くの業種の企業が含まれているため全株式市場の銘柄の平均的な動き(日本の場合には、日本経済の動き)であるためでしょう。リターンが少ない代わりにリスク(値動き)も小さいですが、長期的には着実にリターンを得ることができます。

もし時間に余裕があれば「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著;日本経済新聞社1600円)を読むことをお薦めします。
エッセンスだけを述べると、まずこれまでの実績において、アクティブファンドの多くは、インデックスファンドに負けてしまっています。勝っているファンドも少しはありますが、それらは偶発的な要因が大きいということです。その理由は、
1.株価を予測することは不可能である。
したがって、もし信託報酬がゼロならインデックスファンドも銘柄選択ファンドもどちらも同様の収益を挙げることができる。
2.銘柄選択ファンドは信託報酬がインデックスファンドよりも高い。よって、信託報酬が高い分、アクティブファンドは負けることになります。ファンドの多くがいわゆるベンチマークに比べて負けているのは、この信託報酬の影響が大きいのです。

短期的に見れば、アクティブファンドの運用結果が良いことがあります。したがって、ある程度本人の判断により、短期的には運用成績が良いと思えるアクティブファンドがあれば、それに投資することもありとは思います。高いリターンを目指すわけですから、それなりのリスクの覚悟も必要です。しかし、長期的な運用においては、先に述べたように、信託報酬が低いインデックスファンドに投資することが正しいということです。

疑問:
長期運用ではインデックスファンドがアクティブファンドよりも有利であるとのことだが、実際にはある時期(定年退職直後)に解約することを考えた場合、その時点で必ずしもインデックスファンドがアクティブファンドよりも有利かどうかは分からないのではないか。その場合、インデックスファンドとアクティブファンドの割合をどの程度にするべきなのか。

回答:
解約を予定している時期にアクティブファンドがインデックスファンドよりもよい運用成績を残すことが事前に予想できるのであれば、すべてアクティブファンドのみを購入することが最良の施策です。しかし、数年先ならまだしも、10年あるいは20年先の状況を予測することは現実的には不可能だと思います。したがって、アクティブファンドとした場合、高い収益を上げる可能性もあれば、最悪(場合によっては収益がマイナス)となる可能性もあります。まさにハイリスク・ハイリターンです。
結論として、収益が最高となる2種類のファンドの割合というのは存在せず、自分自身がどれくらいの割合はハイリスク・ハイリターンでの運用とし、どれくらいはローリスク・ローリターンでの運用とするか、いう運用方針の問題になります。また、10年、20年といった長期での運用を考えるならば信託報酬の影響がかなりでてきますから、結果的にアクティブファンドは、ハイリスク・ローリターンへと近づいていきます。

疑問:
インデックスファンドを選ぶ基準として、信託報酬が低いものを選ぶべきとのことだが、長期運用を前提とするなら、過去の実績も選択の判断基準に含めるべきではないか。

回答:
まず、過去の実績は私はあてにならないと考えています。「敗者のゲーム」では、信託報酬がないとしたとき、長期で見ればどのファンドも同じ収益性であり、過去に実績がよいものは、今後悪くなるものと考えてもよい、といった指摘がなされています。いずれにも過去の実績は当てにならないと思っておいたほうがよいでしょう。それよりも、繰り返しですが、信託報酬の影響が大きいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする