mitakeつれづれなる抄

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本山は「もとやま」か「ほんやま」か

2008年12月23日 | まち歩き

Img_0001_2  名古屋市千種区にある地下鉄東山線の本山駅は、その読み方を「もとやま」といいます。またこの辺りの通称名も「もとやま」で通りますが、駅名付与となった町の名である「本山町」は、実は「ほんやま」と読むのが正しい名です。

 このこと、実は数年前の新聞記事にあったことで、万博開催の前に名城線延長開業で駅構内の案内板を更換した際、付近の町名のローマ字表記に本山町を「Honnyama-cho」としたことが混乱の始まりで、近所の人や駅利用者の方からクレームが多数寄せられた、という記事を目にしました。

 千種区本山町の読み方は「ほんやま」ちょうでいいのです。これが正式な読み方です。しかしいつの時代にどういうわけか「もとやま」とすり代わってしまったようで、それが以来今日まで「もとやま」になったらしい。さらに「ほんやま」よりも「もとやま」の方が語感がよい上に市電の停留場でもあったので、町の人のみならず「もとやま」の名が広められる事になったのでしょうか。

 駅構内の案内表示のローマ字表記は「Motoyama-cho」となっています。本山町へは1番階段が近いです。

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 本山町が設置されたのは、昭和20年9月20日。それまではいわゆる「字(あざ)」地名で、田代町の中に「本山」という字があり、その読み方も「ほんやま」です。更に遡るとこの本山は愛知郡末森村の字にその名があり、末森村は明治9年に他二ヶ村と共に田代村の成立、田代村は明治39年に鍋屋上野村と合併して東山村が成立、そして東山村は大正10年8月22日に名古屋市東区に編入、昭和12年10月1日に千種区が分離されています。

 明治15年頃の字を町村ごとに整理した愛知県地名集覧にも田代村の字として「ほんやま」が載っています。ついでですので他の町村の本山も見てみたら、東春日井郡関田村(現在春日井市)にありこちらも「ほんやま」、西春日井郡土器野新田(現清須市)と海西郡中山新田(現弥富市)のものは「もとやま」でした。

 
Img_0014_2  ブログを書くにあたって駅名板を撮りに行った際、ついでに「本山町」を歩いてきました。どこかに「ほんやま」の表記がないものかと。しかし見当たりませんでした。「本山町自治会」と書かれた掲示板は数箇所で見かけましたが漢字表記のみ、また住居表示施行前の町名ですので、縦に長い町名板もでていませんでした。あたりは閑静な住宅街でした。

 しかし今後住居表示を施行するとなり、仮に「本山」の名を使うとすれば、また「もとやま」か「ほんやま」かで揉める事になるかもしれません。地名の読みというものは時代によって変化していく面もあり、それに従うべきという意見もありますが、私はやはり基本的には旧来の読み方で次の世代に伝えて行くべきものと考えます。

 
 ところで本山交差点はかつてはロータリーでした。本山町に近い北西角にその痕跡が残っています。この円弧がロータリーであった証しです。

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