讀賣online関西発、本日付けの記事からです。JR西日本では電車減速時の制動力として、リチウムイオン電池に充電しながら制動するシステムの開発をはじめると明らかにしたとのこと。実地試験を経て2014年の実用化を目指す。
記事→http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120712-OYO1T00384.htm
鉄道電気車両のブレーキ方式には、大きく分けて摩擦系(機械系)と電気系とに分けられます。摩擦系は空気の圧力により制輪子(シュー)を車輪に中てて、その摩擦力で減速させ、停める。
対して電気系は、電車のモータを発電機として用いるものです。モータと発電機は同じ構造で、回転するモータの起電力に負荷を接続してやると、モータは回転を止めようとします。その負荷を抵抗器に接続し、熱として消費するものを「発電ブレーキ」。起電力を架線に戻してやるのを「回生ブレーキ」です。
この回生ブレーキは、ブレーキ時の起電力を他の電車の走行電力として使えるもので大変経済的です。しかし架線に流す電力の区分内(変電所の受け持ち区間内)に他の列車がいないと回生電力を使っていただけず、「回生失効」と呼ばれるブレーキが一時的に利かなくなります。その場合は変電所で回生電力を消費するシステムがあります。
ローカル線では列車回数が少なく、この経済的であるはずの回生ブレーキは必ずしも効果を発揮しません。そこでJR西日本では、モータの起電力をリチウムイオン電池に蓄電する装置を開発し、ローカル線での回生ブレーキを実現させようというものです。新聞ではこれ以上の言及はありませんが、蓄電した電力は別の走行用に使われるものでしょうか。
今回は小浜線で実用化試験。リチウムイオン電池の蓄電装置を小浜線の美浜駅に設置。今後は順次、運行本数の少ない地域に導入する方針で、区間によっては電力の3%削減となるとのことです。
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