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mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

長野県王滝村が愛知県名古屋市と合併?

2011年10月12日 | 名古屋

 このブログ、時々は検索からのキーワードを確認しております。「どんなキーワードで検索され訪れているのだろう?」と。アクセス数が少なかった頃はよく見ていましたが、最近ではホンの少しだけ。で、時折驚くキーワードがあったりします。今回はそれが発端の話。

 長野県木曽郡に王滝村という村があります。木曽郡の合併に取り残された村で、我が木曽三岳の隣村です。その王滝村と約100km離れた愛知県の県都、名古屋市との合併話があるらしい・・・ ?・・・。

 一週間ほど前のキーワードは、「王滝村 名古屋市 合併」。これは相当驚きました。なんで名古屋市と越県もいいとこの王滝村とが合併?そもそも出来るのか?そんな話があったのか?が直ちに思った事です。

 もちろん私も検索してみました。まとめてみると、

  • 話は名古屋市民休暇村(王滝村に所在)廃止問題に遡る
  • 木曽川上流地域で水源涵養林保護

ということ。水源涵養林とは水源の山林に育つ樹木の事で、張った根のところに水を溜め、水源の保護になるもの。このため多くの自治体では上水道の恩恵を受ける一方で、水源地帯の土地を取得し、樹木の保護に努めたり、その費用を捻出したりしています。

 王滝村は木曽川支流の王滝川が流れ、御嶽山南麓一帯が王滝村で森林地帯。その御嶽山王滝口登山道4合目の御岳高原に名古屋市民休暇村あり、名古屋市と王滝村との繋がりは、有機的でも無機的でもそれぞれあります。

 そこで水源涵養林への費用として、水道使用1トンあたり1円の基金を出そうとしたところ、河村市長としては基金は増税に繋がるので否定的な立場。しかし王滝村そのものが名古屋市の中に入れば、市としても対応する、というお考えだそうです。ここに合併話の端緒があったわけですね。

 そこで王滝村の瀬戸村長も名古屋市との合併には乗り気だそうで、2010年に名古屋市民休暇村近くで行われた植樹祭、別の日の生命流域シンポジウムで、合併そのものには否定しない河村市長の発言があったとのことです。

 

 シンポジウムでもあった通り、王滝村など木曽一帯はもともとは尾張徳川家の領地で、名古屋の御殿様に代わって木曽代官が治めていた土地です。それ故に王滝村と名古屋市は単に合併するだけでなく、水の上流地帯と下流地帯とで手を組んで行きましょう、ということだそうですが、実際のところ合併できるのでしょうか。

 合併するとなると、名古屋市へ王滝村が編入される形となりましょう。結果、大きな飛び地が出来上がります。行政としては人口があまりに少ないので、王滝村だけで「王滝区」は無理、何処かの区に入れるか、地方自治法を改正の上で政令指定都市傘下の「村」という形にせざるを得ないと思います。

 王滝村はこんなところ。一応、名古屋市の方向を向いています。

Img_0103

 王滝村は、2010年の国勢調査人口で965人。2011年9月1日現在の住民基本台帳の推計人口で945人。面積310.86平方km。

 しかし公債比率が大変高く、これが原因で木曽郡の合併にも、その後の木曽郡木曽町の合併にも入れなかった経緯があり、名古屋市との合併はいわば「助け舟」のようなところがあります。今後本当に合併話が出てくれば、この公債がかなり問題になるでしょう。これを名古屋市の市民がどう受けとめるのか。

 かつてこうした遠く離れた自治体同士の合併話はありました。神奈川県横浜市と山梨県南都留郡道志村も横浜市の水源地帯がここにあり、その縁で、ということでしたが壮大すぎて早々に立ち消えました。

 私個人の思いとしては、王滝村が名古屋市に編入されるのも又良かれと思います。積極賛成ではないですが、江戸時代の水源保護の話を出されれば、今の世の中、目の前の損得ばかりで動く人が多い中、水道の蛇口の奥に繋がる村のことも、少しは思って良いかと思いますね。


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