mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

地形が変わった南阿蘇村阿蘇大橋付近・豊肥本線も

2016年05月01日 | 気象・自然など
 MSNへ配信の朝日新聞記事からです。一連の熊本地震で、16日未明の最大震度7の地震で、南阿蘇村で国道57号線沿いの山で斜面崩壊があり、国道57号線とこれにT字路の形で合流する325号線の阿蘇大橋が流されてしまいました。
 この阿蘇大橋の復旧で、同じ場所に架橋するのでは、同じ災害に見舞われる恐れがあり、別ルートで325号線を復旧したほうが良い、とのことです。
記事:崩落の阿蘇大橋「復旧より別ルート確保を」 土木学会

 なぜこの記事が気になったのかと言えば、阿蘇大橋に合流する国道57号線に並行して、JR九州の豊肥本線が通っています。
 これまでいろいろなチャンネルの画像を見ると斜面崩壊した山の山頂付近は大きくえぐられていますが、その下部、つまり土砂が行き着く先の57号線付近は単なる堆積かと思ったら、下部の線路と57号線付近でも少しえぐられているようで、つまりは地形が変わってしまったわけです。
 道路の復旧もさることながら豊肥本線がどうなるのか、が気になるわけです。

MSN記事から土砂崩壊の現場。この土砂に埋まった部分から左へ阿蘇大橋がかかっていました。



youtubeの国土地理院チャンネルから。
【国土地理院】 阿蘇大橋周辺の土砂崩れ箇所


グーグルマップの空中写真から、3Dにした崩壊した部分の山と阿蘇大橋の様子。


現場地図。Mapionから。中央やや右のセンターポイントの+字付近が阿蘇大橋。


 しかし、この山斜面崩壊で土砂が57号線に並行する川、「黒川」の流れをせき止めなくてよかったです。
 この黒川は阿蘇の火口原(カルデラ)から流れる川の一つで、流れをせき止めると湖が出来ます。
 1984年長野県西部地震では、御嶽の山体南東部斜面が崩壊し、その土砂は峰を超えて流れ下り、王滝川の流れをせき止め、湖ができました。

 また遡ること約300年前、宝永の富士山噴火では、多量の火山灰が今の御殿場線沿いの酒匂川をせき止め、かりそめの湖ができましたが、その後の地震でせき止めた土砂が崩壊し、湖の水が一気に流れ下り、小田原の城下に被害をもたらせた、ということがありました。

 今回は、黒川の流れはせき止められていませんが、もし流れをせき止めていたら、その上流のカルデラに向けて湖が出来、せき止めた土砂は不安定。今後の余震で崩壊し、溜まった水が一気に流れ出る、という二次災害が憂慮されていました。

 これだけ地形が変われば、豊肥本線の復旧は、年単位ではなく熊本城と同じく十年単位になりそうです。

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