mitakeつれづれなる抄

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用水路の土手沿いに桜並木が多い理由

2017年04月09日 | 植物・花
 桜満開ですね。日本の春はやっぱり桜です。今年(2017年)の桜開花は少し異常気味で東京が全国で一番早い開花発表。
 南国の鹿児島の開花発表は随分遅くなりました。

 そんな開花発表は兎も角、桜の名所というのは、用水路沿いや河川の土手というのが多いです。
 これ理由がそれなりにあるもので、昔の人は意識的に水路沿いに桜の木を植えたものです。
 植物学の書ではなく、昔、鉄道模型の書で読みましたが、レイアウト制作の資料として、世の中のいろんなものを研究する分野があるもので、ストラクチャーとしての樹木の考察。
 その中で、昔の土手(堤防など)の構築で、堤の構造強化のために、根が稠密に張り、その速度が早い樹木を植えて、堤防強化としたそうです。(根締め効果)
 それに合致する植物が、柳、桜だそうで、そういわれてみれば、都市の水路沿いに柳というものが付き物でしたし、今、水路沿いの土手は桜の名所というところが多いです。
 もう一つ、土手に桜が多いのは、桜は春には花を咲かせ、大勢の人が見に来て、その重みで土手を固める効果、さらに夏には葉が生い茂り、水路を行く船の船頭さんに木陰を与えてくれる、というものだそうです。
 この後者の部分は、明治の大工事である琵琶湖疏水の工事記録に記載されているそうです。
 田辺作郎(琵琶湖疏水の発案・総指揮者)は工学だけでなく、こうした面の知識も持ち合わせておられた方です。

 過去画像から。名古屋市内、山崎川の桜。ここも都市部の水路で、桜を植えて堤防(土手)の強化を行ったもの。




 京都市内、左京区の琵琶湖疏水分線。いわゆる哲学の道。ここは船運は行われていなかったところですが、疏水の本体と同様に桜の木を植樹して、100年経った今は桜の名所となっています。
 尤も、今の桜の木は大部分が二代目ですが。




 東山植物園の河津桜。早春に咲く桜品種で、この河津桜が植えられている箇所は、近年に桜回廊として整備されたところですが、がけ地であり、その法面(のりめん)保護もあって、あえて桜の木を植えたものだと、勝手に推察しております。これは今年の画像。


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5 コメント

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空想委員 (さくら道)
2017-04-09 23:30:39
桜並木を植えると聞くと、名金線車掌の「太平洋と日本海をさくらで結ぼう」を思い出す私ですが、土手の桜並木は実用的な意味もあったのですね。桜並木と言えば三陸で東日本大震災の津波到達ラインに桜並木を植えるという活動もありましたが、あれもある意味「実用的な意味がある」と言えるかもしれませんね。
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お詫びと訂正 (空想委員)
2017-04-09 23:32:50
先のコメント、名前とタイトルを逆に入力してしまいました。「さくら道」がタイトルです。まことに申し訳ありません。
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根締と癒し (kisomitake)
2017-04-10 01:29:42
コメント、ありがとうございます。

土手の桜は、確実に裏をとったわけではないですが、柳の話と共に、おそらくは真実だろうと思います。
琵琶湖疏水の話は、工事記録にしっかりあり、工学的な意味と癒しの意味両面の効果を期待して植樹されたものだそうです。

三陸海岸の桜は、具体的な場所が分からないのでなんとも言えませんが、堤の根締よりはむしろ、桜に対する癒しや、復興のシンボルとして植えられたもののような感じがします。

名前とタイトルの入れ違い、承知しました。
こういうことはたまにあることですので、その辺りは「忖度」しますんで、ご安心のほどを。
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Unknown (stakenaka)
2017-04-16 19:05:00
ソメイヨシノ60年寿命説が言われてます。
それ以上の樹齢のソメイヨシノもありますが、ソメイヨシノは60年を過ぎると、適切な管理をしないと樹勢低下が衰えやすいと言われています。
60年を経過した桜が土手に植わっていることがありますが、適切な管理をしないと土手の強度低下にならないかと思えます。
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ヤマザクラ・オオシマ・エドヒガンなど (kisomitake)
2017-04-17 01:48:00
stakenakaさん、コメント、ありがとうございます。

ソメイヨシノは江戸期の後期に、人工交配で誕生させた品種で、接ぎ木で増やします。
なので全国にあるソメイヨシノは、単一のクローンとも言え、仰る通り60年程度で寿命となります。

江戸時代の治水工事で植えられる桜品種は、ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、といった品種だったようで、ヤマザクラは結構病害にも強く、土手の根締め効果は十分あっただろうと考えます。

ヤマザクラは、結構病害にも強く自生種もあります。
京都の琵琶湖疏水に植えられている桜の多くはヤマザクラと伺っています。
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