mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

山里の遅い春・京都市左京区広河原

2010年04月27日 | バス

 花冷えが続きに続いた今年の春も、関東から近畿の平地ではもうすっかり桜の花も散り、新緑が美しい季節になっています。でも標高の高い山の方はまだ桜が咲いているところがあるものでして、今回の画像は6年前のこの時期に、京都市を走る最長所要時間の路線バスに乗ってきた際の画像からです。

 京都市に本社を置く京都バス(株)。京都市中かtら洛北と洛西嵯峨野の方面に路線がある民間バス会社で、その中でも「花背線」と呼ばれる32号系統は、起点の出町柳駅前から終点の広河原まで、所要1時間52分、一日4往復の路線です。下の画像は、終点広河原停留所で。

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 ここ、ハッキリ言って凄い山奥です。標高400mはあるところで、近くに天然雪のスキー場もあるほど。でも一応「京都市」です。峠の向うは豪雪地帯に指定されているようなところ。

 途中、759mの花脊峠前後が相当な隘路で、この先に人里があるのかと不安なほど。でも峠を降りたところは、花脊という人里があるんですね。そこからさらに奥に入った所がここ広河原で、訪れた際は山桜が咲き誇っていました。見辛いですが、桜の向うには萱葺きの家があります。

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 バス停標識です。写っている車両は一見大型に見えますが、車両全長が短い中型車と呼ばれているもの。この路線は花脊峠前後を筆頭に、道の狭い区間が連続していて、このような短い車両を導入しています。

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 この路線32系統。起点の出町柳駅が左京区であれば、ここ広河原も左京区。途中少しだけ北区を通る他は、左京区内をただひたすら走ります。京都市左京区はかつては日本一広い行政区であったそうです。ちなみにこの車両は既に廃車になっているそうです。

 さて折返しまで1時間以上ありましたので、すこし山を散策。バス停近くにある京都市内唯一の天然雪のスキー場。4月ですので雪はありません。

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 美山町(当時)へ至る佐々里峠へ上る道を歩いて暫く、ヤマザクラが花をつけていました。これは自生種でしょうか。山里の遅い春です。

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 そして広河原バス停の見えるところまで上りました。新緑にはまだまだ、赤茶けた冬枯れの光景です。何度も書きますが、ここは京都市内です。画像に見える谷合の川は「桂川」。そう、あの渡月橋が架かっている川の桂川で、この辺りが最上流部です。ここより奥が源流。

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 広河原はここ。


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 ここ広河原は、昭和32年までは北桑田郡京北町でした。しかし他の京北町とは山で接するのみで、自動車はおろか車が通れる道は無く、京北町の中心とは完全に断絶された地域でした。自動車交通が多くなるにつれて、暮らしの面で相当な不便があったことでしょう。

 そんな事情からか、これより南の花脊地区が昭和24年に京都市左京区に編入されたのに続き、広河原も京都市に編入されたものだそうです。地方自治体の廃置分合では編入ではなく、境界変更にあたります。

 流石に広河原は山奥過ぎますが、途中の花脊地区には野外教育施設や市民交流の森があり、豊かな自然を活用しています。ところで今回の記事、京都ネタになるのでしょうか。

画像撮影:2004年4月22日