‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

MIOTSUKUSHI-AWARD 大阪府知事賞でした!

2014-08-20 22:36:27 | My Consert
8月18日
「第3回みおつくし音楽祭」で、シューベルティアーデ・ブルンネン大阪府知事賞をいただきました。
平日にもかかわらず、お越しくださったお客様、どうも有難うございました




   シューベルト「岩の上の羊飼い」を演奏する、中本吉啓Cl.さん、 黒田千賀子Pf.さん、 私、笹山晶子Sop.です。

シューベルトが亡くなる直前に、ソプラノ歌手から依頼されて創った曲ですが、シューベルトはこの曲の初演を聴くことなく、この世を去りました。
コロラトゥーラ・ソプラノとクラリネットの技巧的なオブリガートが付いた、オペラ・アリアのようなリートですが、クリスチャンである黒田さんによると、羊飼いというのは、常に羊の番をしなければならず、日曜礼拝にも行けない地位の低い人を表すけれども、イエス・キリストの誕生を誰よりも先に知ることで、キリスト教にとって大事な意味を持つ存在です(そういう低い階級の人にも光が当たる宗教である)。
シューベルト時代のヨーロッパでは、クリスチャンであることは当然のことですが、ちゃんと宗教的な意味も持たせているところに、この曲の崇高さがあるのでしょう。
”3”という数字もキーワードです。3人で演奏する3部構成になっていて、1部、2部は3拍子である。とくに1部は三連符の和音伴奏、旋律も三連符が多い。第3部は2拍子になり、宗教のしがらみからも解放される。
調性は2つ、○に近いフラットの調である。三位一体などキリスト教では、”3”という数字はPerfectum(完全)であることで、3拍子のことを昔は楽譜の初めにを描いていた。
ベートーヴェンの追悼音楽会のために書かれた、ホルン付き壮大なリート「流れの上で」も絶望の中に光を見出すという、こちらは海の星(航海を導く)がそれを表しています。イエスの誕生を祝うために東方の三博士は、一つの星に導かれてやって来ます。この東方の人達というのも、外国人で差別を受けている人達という意味なのです。
そんな羊飼いを、高い岩の上に立たせて歌うという「岩上」ですが、もしシューベルトが長生きしていたら、連作歌曲の次の新しい試みとして、この手の歌曲をたくさん書いたのではないかと想像します。
シューベルトの友人の中では、長生きして、当時最も名声を得たフランツ・ラハナーが、この手のリートをたくさん書いているからです。 

  今回の参加で唯一声楽だったのですが、アンサンブル部門での受賞です。


「みおつくし音楽祭」の主宰者、米本敬雲氏と。


当会の音楽監督、日本フィルハーモニー・コンサート・マスターの木野雅之先生と。先生のヴァイオリン演奏は、とにかく楽しくて凄い!
「みおつくしの会」も新しく創設するそうで、大阪でクラッシク音楽の底辺の広がりを目指す米本氏です。