ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

カイロの街を歩く イスラミック・カイロその2

2008-01-10 16:32:59 | エジプト旅行
シタデルを出て、徒歩で次のモスクへ向かう。横道に入るとちょっとキンシャサを思わせるような雑多な町並みだ。A夫人から”建物のすぐ脇は、物が上から落ちてくるので気をつけて”と言われているので離れようと努力するが、ごみはたくさん落ちているし、交通量は多いしでとても歩きにくい。観光客らしき姿はなく、ちょっと不安になる。

エジプトで信仰されているスンナ派では1日5回の礼拝が義務づけられている。時間(毎日少しずつ違う)になると、各モスクから礼拝を呼びかけるアザーン(コーランの一説も読んだりしている)が流れてくるが、アラビア語の全くわからない私には、まるで歌を歌っているように聞こえる。やはりA夫人に聞いた話では、歌(?)のうまい人のモスクが人気らしい。今もこのあたりのモスクからのアザーンが聞こえる。

それにしても、毎日五回のお祈りかあ。頑張るな~。信仰熱心な人のおでこの真ん中あたりには、祈りダコ?祈りアザ?ができている。私達の見る限り、アルコールを出さないレストランの給仕頭はたいていそうだった。

ようやく着いたのは14世紀半ばに建てられたガーマ・スルタン・ハッサン。

ここは世界一美しいモスクといわれている。もともとサドラサ(最高教育機関)として建てられた。

敷き詰められた絨毯の緑の部分一つが、一人分のお祈りスペース。

床のモザイクもきれいな中庭。中央部に見えるドアはサドラサの時の寮の入り口で、中庭に面して4つある。左にある屋根つきのところは、礼拝前に身を清める泉亭。他の小さいモスクで見たものはこんなに立派ではなく、隅っこにある色気のない普通の洗い場だった。


中庭に向かって建つ説教壇


次はガーマ・アフマド・イブン・トゥールーン。9世紀に建てられた、カイロに現存する最古のガーマ(寺院)。ここは入り口で靴の上に履くカバーを貸してくれた。もちろん返すときにはバクシーシを要求される。

中庭に立つと、屋根があって閉ざされているわけではないのに、外の喧騒が全く聞こえない。
さて、ミナレット(尖塔)に登ってみようか。あれれ?


もうモスクは疲れたよ・・・。

というわけで本日のモスクめぐりはこれで終了。この後、ホテルに帰ろうとタクシーに乗り込んだら、いくら払う?、と運転手が聞いてきたので、ザマレクまでで5ポンド(100円)で、と言ったら100mくらい走って道端に下ろされてしまった。値切りすぎた?

カイロの街を歩く  イスラミック・カイロその1

2008-01-10 08:02:26 | エジプト旅行
エジプトの世界遺産は神殿やピラミッドだけではない。実はカイロのイスラーム建築群も世界遺産。カイロのイスラム”地区”といってもすごく広くて(南北4km、東西2km)とても全ては見きれない。ましてイスラム圏に来るのが初めてでほとんど予備知識のないみんみん一家には、何がなにやら。というわけでまずは観光スポットでもあるシタデルへ。


イスラーム地区南東部の丘の上にあるシタデルは12世紀、対十字軍の拠点として建設された城塞。19世紀まで政治の中心の場所でもあった。城壁の中の広大な土地には、巨大なガーマ・ムハマンド・アリを始めとするいくつかのガーマ(寺院)、多くのミナレット(尖塔)、軍事博物館などがある。

最初に、ガーマ・ムハマンド・アリへ。
観光客が多いのでスカーフを被らなくてもいいみたい。でもやっぱり靴は脱がないと入れない。絨毯の敷いてあるところはいいけど、石の上は冷たくて冷える~!

中庭の回廊

 
モスク内部。
外から見ても大きいけれど、中に入るとまただだっ広い。豪華な天井やランプが美しい。

外に出ると、カイロの街を見下ろす見事な眺望が広がっている。
みんなして何を見ているのかな?
 



中央部拡大。ピラミッド!



人口の9割がイスラム教徒で占められる現代のエジプトでは、偶像崇拝でバリバリの多神教の古代エジプトの神々や神殿には興味がないらしく、いままで行った観光スポットでは見かけなかったエジプト人らしき観光客が、ここでは目に付く。

学校の社会科見学なのか、ちょうど長男と同じくらいの子ども達が、大人に引率されて見学していた。その中の一人の男の子が、
”ぼくはムハマンド、エジプト人です。あなたの名前はなんですか?”
と英語で話しかけてきた。習いたての英語を試してみたいのかな。
”私達はminminファミリー、日本人です。息子と一緒に写真撮ってもいいですか?”
と言ってカメラを向けたらみーんな寄って来ちゃって、長男とムハマンド君は後ろのほうになっちゃった。

元気が良くて好奇心いっぱいの、子どもらしい子ども達でした。