ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

ブログ名変更しました

2008-10-31 18:26:16 | 日記
またまた滞っています。ごめんなさい、だって寒いんだもの~。
我が家からの景色、こんな感じですから。


もう少し晴れていると、左端の山の後ろにモンブランが半分くらい見えるんだけど。残念。


ジュネーヴに来てもうすぐ2ヵ月。
ようやく自分がコンゴではなくスイスにいるんだ!という事を脳みそも毛穴も認識してきたので、とりあえずブログ名とデザインを変更してみました。更新はもうちょっとお待ちを。

コンゴへの思いも少しずつ自分の中で昇華してきたので、近いうちにキンシャサ卒業の事も書きたいと思います。それにしても今、コンゴ東部が大変なことになっているみたいなので、とても心配です・・・。




ブームが、ブーム

2008-10-19 21:46:35 | こども達
ご無沙汰しております、しろみです。

最近のジュネーヴ地方はお天気の暖かい日が続き、アパートの暖房も入ったので体も温まり、少しずつ近場の探検に動き出したところです。って私は爬虫類か(;´Д`)
そしてあらためて思いました。ものすごい田舎です、ここヴェルソワは。それについてはまた写真を撮って、レポートします。今回は長男ネタで。

長男は現在、家から歩いて5分のところにあるインターナショナルスクールのフランス語セクションに通っていて、コレージュ(中学校)の第一学年。授業はフランスの教育を基本としていますが、第一外国語の英語は毎日というバイリンガルな授業内容。更に第二外国語(イタリア語・スペイン語・ドイツ語から一つを選択)のスペイン語も週3回という、超ドメスティックな環境に育ちいまだに語学が苦手な私には、想像を超えた世界です・・・(@Д@)

親の心配をよそに、お友達もでき毎日楽しく学校に通っている長男。この週末はお誕生会イベントが続きました。中学生になったからか、両方ともブーム(BOUM:ダンスパーティーと訳すのかな?)でした。(前回のブーム・ネタはこちら

金曜の夜6時からはクラスの男の子ルイの自宅で。送り迎えした夫が”シラけるほど”の大豪邸だったそうです。学年全員(約60人)に招待状出していたみたいだし。さすがスイス人は金持ちだ。肝心の長男は、”みんなずっと踊ってばっかりなんだよ~”とちょっと不満気。そりゃブームだもん、踊ってるでしょ。小学生のお誕生会のときのようにアニマターが何かやってくれるわけではないようです。

そして翌日、こんどはクラスの女の子シャルロットの自宅で。彼女の場合はこんな招待状が来ました。


なになに?パンクかゴシックの格好で来てください・・・?
時間は夜7時から10時まで、親の監視付き、アルコールはでませんとの但し書きも。当たり前でしょ!と突っ込みつつ、何だか中学生のお誕生会らしく、本物のブームっぽくなってきた~とニヤニヤする母・しろみ。

それにしても、パンク・ゴシックって言われても困る。本人は”パンクって何”なレベルだし、親もシルバーのごついアクセサリーとか持ってない。安全ピンでもつけまくるか?市内には本物のパンクファッションのショップも見かけたけど、ちょっと怖くて入りにくい。

駐在員妻友達に相談したら、仮装用品専門店がジュネーヴ旧市街にあるから覗いてみたら、と言われ、行ってきました。

たしかにすごい品揃えで、ハロウィンに向けて狭い店内はかなり混み合っていたけれど、親切な店員さんがお客の要望を聞いて、いろいろなものを出してきてくれる。ここでとりあえず、タトゥーのシートとどくろのアクセサリーを、すぐ裏手にある姉妹店の仮装用化粧品&かつら屋さんでは青い口紅と黒のマニキュアをゲット。

CDショップで買ったパンクTシャツとバッヂ、黒い細身ジーパン、私の紫のコーデュロイジャケットを着せる。髪を立たせ、メイクして、完成~!
青い口紅を塗るのって、難しい。

でも照れているのか、こっちを向いてくれないで本ばっかり読んでる長男。
 


黒いマニキュア、見えるかしら。手の甲と目の下にドラゴンのタトゥーしてみました♪


最後にはプレゼントの真っ赤なバラを持たせて出発。
シャルロットの家は隣村の、広い庭の一軒家。真っ暗な田舎道を家に近づくにつれ、場違いな低音のリズムが響いてくる。暗くした家の中ではミラーボール?がまわり、すでに女の子たちが踊りまくっていた。シャルロットの兄弟の友達なのか、ティーンエイジャーっぽい大きい女の子たちもたくさん来ている。出張DJらしき人がターンテーブル(っていうんでしたっけ?)をまわしていて、ずいぶん本格的なブーム。きっと今日もずっと踊ってばかりで長男は退屈しちゃうかな~と思いつつ置いて来た。

夜10時お迎えに行くと、立てた髪はペチャンコ、青い口紅も取れていて、頬を紅潮させている?なんか色っぽい出来事でもあったのか・・・・!?

”どうだった?楽しかった?”

”うん!庭のすごい大きい木にのぼったら枝の上に床が作ってあって、パリス(仲良しのギリシャ人)と秘密基地にしてずっと遊んでたんだよー!!あとピザとガトーがおいしかったな。”



よく見たら黒のジーパンも私のジャケットも、泥だらけだった。

・・・まだまだ映画ラ・ブームのような甘酸っぱい話には、縁遠いようです。


スイスでも葡萄摘み?

2008-10-12 22:51:28 | ワイン(M氏より)
ジュネーブから車で東に30分くらい走ったオーボンヌというところのワイン農家が葡萄の収穫をするという案内を聞いて、子供と一緒に行ってみた。

朝はものすごい霧で、大丈夫かなと心配したが、午後2時になると霧はほとんど晴れて太陽が顔を出した。

先週購入したカーナビtomtom君の指示に従ってオーボンヌの一つ手前の出口で高速を下りると、その農家まではずっと葡萄畑が広がっていて、ブルゴーニュの「特級(ワイン)通り(Route de Grand Cru)」のような美しい光景が広がっていた。
Tomtom君、ありがとう。(でも私がワイン好きってこと、インプットしていないんだけど、これって偶然?)



スイスの葡萄畑は、急斜面の畑が多くて景観が美しいところが多いが、この辺りもなかなかのものである。



農家に到着すると、まずマダムによる説明があり、その昔、この辺りで初めて手摘みではなく、機械による葡萄収穫に踏み切ったという説明を受けた。その当初、まわりの造り手がものめずらしそうにやってきて、機械が摘んだ後に残った葡萄を見てもったいないじゃないかと言われたが、それは収穫する必要のないまだ成熟していない酸っぱい葡萄で、実際残ったものは皆酸っぱかった、ということだ。

その後、畑に行って、実際に機械による収穫を見せてもらった。

この間に木を挟む形で木を揺さぶり、下に落ちた葡萄を拾う。

機械による葡萄収穫というのは、トラクター型の機械で葡萄の木をゆすってぼろぼろと落ちる葡萄の粒を拾っていくというもの。


その後、畑の葡萄をいくつか自由に取らせていただいて、袋に入れて持ち帰ることができる。また、絞りたての葡萄ジュースもいただくことができる。家からペットボトルを持ってくればそれにジュースを入れてももらえる。最後にワインを試飲させていただいておしまい。

このように、葡萄の収穫から絞るところまで目近に見ることができるのは非常に興味深い催しだと思う。
それに、フランスだと食用の葡萄のchasselaがスイスではワイン用葡萄の代名詞ともいえる地位を占めているのも興味深い。

chasselaの葡萄。フランスではこの形を競うコンクールがあるくらい美しい葡萄。

実際、葡萄は普通においしいし、ジュースもとても美味しい。子供たちも大喜びで、あっという間に飲み干した。



機械による収穫でコストを抑えて、店頭価格で1000円くらいの美味しいワインができるなら、これも一つの選択ではないかと思う。(M)

ブルゴーニュで葡萄収穫

2008-10-03 22:07:56 | ワイン(M氏より)
いよいよ待ちに待った葡萄収穫の日が来た。

キンシャサにいるときから、この日が来るのが待ち遠しかった。
2005年以来3年ぶり、ヴォルネイ村のロシニョール・オヤジのところだ。

3年前は前日の夜からブルゴーニュに乗り込んで朝から一日中手伝ったが、今回は、当日の朝ジュネーブを出発して午後から半日だけのお手伝い。

心配された天候も、この日はご覧の通り快晴。しかも日差しが強くなくて収穫日和だ。


Volnay 1er cruというロシニョールさんの一番の畑は、残念ながら午前中に収穫が終わってしまっていたので、今回はその下に広がるVolnay villageの畑の葡萄を収穫した。

摘み食いした葡萄の味は、2005年の印象よりちょっと凝縮感と複雑さが足りない気がするが、それでも十分美味い。


聞くと、今年のブルゴーニュはずっと日照時間が少なく湿度が高かったが、収穫3週間前から晴れが続いたため、結果として長熟型の年になりそうということだ。

長男はそれなりの集中力を見せ、一応戦力としてカウントできるくらいに頑張ったが、次男は「楽しみにしている」と言っていたわりには早々に飽きてしまって適当に遊びだす有様。

ああ、情けない。



1時過ぎから6時前までほぼ4時間強葡萄摘みをしてお終い。ちょうど、トラクターの葡萄が一杯になったところで、ロシニョールさんがキリをつけた。


拡大して見てください。


葡萄摘みの後は、お待ちかねのカーブでのテースティング。

2006,2005年のVolnay 1er cruを試飲した後に、オヤジさんが奥の蔵から古いボトルのVolnay 1er cruを出してくれた。

ちょうど飲み頃になってきた感じ。蔵出しならではの保存状態のよさで、開けた瞬間からえもいわれぬ芳醇な香り。口当たりは柔らかくてかつ力強く、いろんな香りと味がぐるぐると口中を駆け巡る感じ。しかも、ほんのわずかな時間にどんどん変化していく繊細さがある。

以前、一度飲んだことがあるし、オヤジさんが傑出した年だというヒントをくれたので、自分もそれとわかった。

「1990年だ!」

こんなとっておきのワインを出してくれるなんて、オヤジさんも日本人がたくさん手伝いに来てくれたことがうれしかったのかな。

最後にリクエストで白のMeursault 2005年を開けてもらった。
ここのムルソーは存在感のある酸を感じることが多いが、2005年は上質のムルソー特有の柔らかい香りと、完熟葡萄の新鮮な味の風格漂うワインに仕上がっていた。
2005年の収穫の時にVolnayの畑にたまに混じっていたChardonnayの「こんな美味しい葡萄は生まれてこのかた食べたことがない」と感じた甘美な葡萄の味を思い出させてくれた。


その晩は、Puligny-Montrachet村のLe Montrachetというホテル・レストランで、真夜中過ぎまで食べて飲んでのお祭り騒ぎ。


ジュネーブではなんとなく落ち着かないというか、ちょっとした違和感を感じていたけれど...。
ブルゴーニュに来てみて、「やった、帰ってきたぞー!」という間投詞がようやく得られた、そんな充実した週末だった。(M)