ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

スイス軍用品払い下げセール

2011-01-21 22:55:22 | 日記
先週末からスイス軍用品の払い下げセールがジュネーブ空港近くの見本市PALEXPOで行われている(29日まで)。

家に広告が入っていたり、町のあちこちにポスターが貼られているので、ついつい購買意欲を刺激されてしまった。(ウェブサイトはここ


そう、スイス軍関連グッズといえば、アーミーナイフである。

先日、スイスでは「息子が10歳になったら、一人前の男になった印に父親が息子にナイフをプレゼントする」という、いかにもスイスという話を聞いたところなので、息子達に、スイス軍払い下げ(といっても備蓄品の一掃なので新品。)のナイフをプレゼントしようと思い、昼休みの時間に抜け出して行ってみた。

そしてなんとかゲットしたナイフ。WENGERというメーカーの軍オリジナルモデルだ。



なんと、コルク抜きがないではないか!



確かに、軍務についている時にワインは開けないよな、と当たり前のことに改めて納得。

いずれにしても、子供達は未成年なのでしばらくは必要ないか。

ついでに、次男用に手動蓄電式の懐中電灯と水筒を購入(長男は既に持っているのだ。)。





スイス軍御用達であれば、きっと耐久性に優れていると期待したい。


さらについでに、スイス軍チョコレートも購入。



もしかして、これ一つで何日も生き延びれるくらいカロリーが高いのだろうか。

・・・そう考えると、妻の分は買わない方がよかろう。

ということで、2つだけ購入して帰った。(M)

「根っこ」という名のワイン Les Cailloux du Paradis "Racines"

2011-01-20 21:04:15 | ワイン(M氏より)
「根っこ(Racines)」という名のワインをブルゴーニュのビオレストランで購入した話は以前紹介した(ここです)。


ロワール地方の中でもソローニュというワインの産地としてはあまり有名でない地域の造り手だが、ビオワイン愛好家の中では有名なワインである。

造り手であるクロード・クルトワという人物には私は実際には会ったことがないが、写真で見る限りでは風変わりな人物だ。

造り手が自分で描いたのだろうか。


パリにいるときにビオワインを売りにする11区のレストランで初めてこのワインを飲んだ時のことは今も覚えている。

100年を超える樹齢の木から造られるビオワインだと何かで読んだが人から聞いていた(その真偽は定かでない。むしろ、同じLes Cailloux du Paradisの白ワインQuartz用のsauvignonのぶどうが相当古いようだ。)このワインがリストに載っているのを見つけて注文したら、店の人が「あなたはこのワインを飲んだことがあるか。」と聞いてきた。
正直に「ない」と答えると「ちょっと独特のワインだから驚かないでください。」との忠告である。

もしそのときビビって注文するのをやめていたら、ビオワインの魅力に気付くのはもう少し遅れていたかもしれない。

そのときのワインの記憶は、「色は薄いが味が濃く、抜栓後ものすごい勢いで香りと味が変化した」ということである。

今にして思うと、そのワインがほどよく熟成していたからかもしれない。しかし、普通の熟成したワインとは明らかに異なる変化の仕方だった。

それからというもの、ワイン屋やレストランでこのワインを探してきたが、なかなか見つけることができなかった。


先日ブルゴーニュで購入した6本のうちすでに4本を飲んでしまっているが、何回飲んでも面白い。




酸化防止剤の亜硫酸を使わない代わりに発酵時の微炭酸を瓶中に残す手法をとっているために、はじめはすりリンゴのような香りがするし、微炭酸からくると思われる酸味が感じられるので、グラスをまわして微炭酸を飛ばし、さらにゆっくり空気に触れさせてみる。

次第に、ワインが変化するのと、口の方がワインに慣れてくるために、酸味がほとんど気にならなくなり、その代わりにタンニンと渋みと収斂性の方をより感じるようになる。

そして、長い年月をかけてしっかり地面に張りめぐらさせた根っこで様々な地層のミネラルを吸い上げたからこそ得られると思われる複雑な味と繊細な香りが少しずつ感じられるようになる。

そう、これがこの「根っこ」ワインの底力だ。

この2007年はまだ若いために、抜栓後どんどん変化はするのだが、どこまでいっても硬く閉じた感じが残る。

翌日に飲んだ方が、こなれた落ち着いた感じになり、飲みやすく感じられるくらいだ。

AOCを名乗らないテーブルワインなので収穫年は表記できない代わりに、裏のラベルのLt 07-3という数字で収穫年を確認することができる。


こうしたワインが日本円にして約2千円足らずで手に入ることが、フランスワインの裾野の広さと底力を証明していると思うし、このワインがしばらく前から日本でも入手できるということが、日本のワイン愛好家の好奇心の強さを物語っているように思う。(M)

高山の旅館(おまけです。)

2011-01-16 21:46:24 | 日記
今回高山で宿泊したのは、インターネットで予約した穂高荘山の庵という旅館。
駅から徒歩5分くらいで古い町並みにもアクセスがよい。

玄関

外観

夕食では、焼き肉用としゃぶしゃぶ用の飛騨牛がそれぞれ少しずつセットで出る。





特に焼き肉が美味かった。スイスやフランスも牛肉は美味しいが、こういう霜降り肉は日本ならでは。

真ん中にしゃぶしゃぶ用、その周りに焼き肉用との、同時に2つが楽しめる鉄製容器。こんなアイデア商品も、日本ならではだ。(M)

高山そぞろ歩き

2011-01-11 08:53:20 | 日記
白川郷から直行バスに揺られて1時間で高山に到着。


荷物を旅館に置いて早速散歩に出かける。(今回も写真と注釈だけでいきます。)


空襲を免れて残った江戸時代の町人の町並み。

おお、いきなり造り酒屋。

いつもなら利き酒の一つや二つするところだが、寒い中で子供を待たせるわけにもいかず、今回は断念。またくるぞー。

味噌と醤油の老舗。たまり醤油、うまっ。2本購入。

古道具屋。何軒もあって見応えあり。安かった陶器の皿を数枚購入。

鍛冶橋から見た風景



高山市政記念館。かつての高山町役場。


雪が本降りになったし、歩き疲れたので茶屋で一服。

なかなか止まない雪。


陣屋前の中橋

陣屋前の朝市で漬け物や餅を買ったついでに陣屋も見学。
陣屋とは、1692年に127年に及ぶ金森家(6代)による藩政が終わって徳川幕府直轄地になった後、飛騨を治めるためにこの地に派遣された代官が政務を行った場所。これは中庭。

いかにもな掛け軸。徳川幕府の代官の建物が完全な形で残っているのはここだけなのだそうだ。

高山は、また機会を見つけて改めて来たいと思わせる町だ。(M)


白川郷へ

2011-01-07 23:54:42 | 日記
久しぶりの帰国なので、日本の名所を子供に見せたい。

そんなわけで、世界遺産に指定されている合掌造りの集落が残る白川郷に家族プラス甥一人で行ってきた。

辺鄙な場所だが、愛知の実家からは比較的アクセスしやすく、名古屋駅から高速バスで3時間で到着した。


合掌造りの家。窓は障子紙一枚のみ。



昼食は温かいそばと山菜ご飯。

合掌造りの家の囲炉裏。ここから出る熱が家全体を暖めて家の3階では蚕を育てることを可能にしたり、囲炉裏から出る煙が家の木材や屋根の茅を燻して害虫から守ったという。

3つ並んだ合掌造りの民家。

これは倉庫。

道の側溝に鱒や鯉が泳いでいる。見えるかな。

夕方、民家の灯りの夜景を見ようと展望台に登って日暮れを待った。もう少し暗くなるのを待ちたかったが、寒いし、雪が降ってきたのでこの辺りで民宿に戻った。


この日は、合掌造りの民宿、伊三郎に宿泊。
http://isaburou.net/
この民宿は、集落からちょっと離れたところにあり、女将が宿泊客を見守る感じであまり出しゃばらないので、ゆったりと過ごしたい人向けだと思う。

民宿の夕食。土地のものを使った料理で、川魚は頭からガブリといけた(すみません、曇っています)。

この飛騨牛も美味かった。

子供たちが泊まった部屋に飾られた着物(子供たちがいい部屋を先に占拠してしまった。)

お風呂で温まった後、部屋でくつろぐ子供と甥たち。

民宿の朝食。朴葉味噌と山菜が美味。

泊まった民宿の入り口。

民宿を別の角度から。
それにしても、泊まれる世界遺産って世界でどれくらいあるのだろう。


泊まった夜から雪が降り始めたので、翌朝、雪景色をみるためにもう一度展望台に登ることにした。

最後に集落におりて撮った写真。

柿が生っていた。

帰る頃には雪が本降りになった。


高山に向かうバスの中からとった雪景色。東山魁夷の絵画みたいだ。(M)


野菜の収穫

2011-01-06 23:02:37 | 日記
愛知の実家に帰ったら、父が自ら近所の畑で育てた野菜を孫にとらせようと待ち構えていた。
本当ならとっくに摘めることができた状態の野菜を、孫の思い出作りのためにとっておいてくれたのだ。



子供たちは慣れない手つきではあったが、白菜、ネギ、キャベツの摘み取り作業を楽しんだようだ。
父も、孫が野菜の収穫を楽しんでいるのをみて、満足そうだった。








そうこうしているうちに、父が使わせてもらっている畑の持ち主のおばあちゃんが登場し、子供たちがスイスから休暇で帰ってきていることを知ると、サービス精神旺盛に里芋を掘らせてくれた。

まだ大きくなっていなかったけど、里芋がどんな風に育てられているか知らなかったので、子供たちは手が汚れるのを気にせずに芋を土から取り出した。

里芋を掘り起こすおばあちゃん



里芋に着いた土を落とす子供たち


子供たちにとって、日頃食べている野菜がどんなふうに畑で育っているかを知るよい機会になったみたいだ。(M)