ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

ラングドックは白も素晴らしい Mas Jullien

2011-10-27 00:02:16 | ワイン(M氏より)
フランスのワイン屋には、最近2009年ものが出回り始めている。

2009年はボルドーでは稀にみる偉大な年ということで、まだ市場に出回る前の先物買いのワインに対して気違いじみた値段がついて話題になった。
2009年は、ボルドーに限らず、フランス中で偉大か、またはそれに次ぐ優良なワインが出来た年である。

そのため、年の出来不出来によって値段の高騰下落の少ない地域の2009年ワインはお勧めといえる。
ラングドック地方の2009年のワインもそうしたお勧めの一つだろう。


暑さも和らぎ,朝は冷え込むが、昼には穏やかで暖かな日差しに恵まれるこの時期の休日の昼下がりには,少しどっしりした重ための南の白ワインが飲みたくなる。

今回選んだのは,ラングドック地方の傑出した造り手のひとつであるMas Jullienの白ワイン。




色は薄めの黄色から黄緑色。

香りは白いフルーツ。
パイナップル、パッションフルーツ、マンゴスチンのようなトロピカル・フルーツに、グレープフルーツのような柑橘系の香りも感じられる。

はじめは控え目な感じで,時間とともにどんどん香り立ってくる繊細さもあるが、その香りの強さは際立っている。
ブルゴーニュにたとえると、マコンの濃厚なスタイルのワインであるGuffens Heynensのワインと共通点が多い気がする。

口に含むと、香りから想像されるままのトロピカル・フルーツの甘みと濃厚さがまず感じられる。

でも、香りから得られる印象より,よりグレープフルーツのフレッシュさが感じられて心地よい。
かすかな柑橘系の苦み,心地よい酸、しっかりした糖分。
まだ若いせいかアルコールが強く感じられるが,それが全体のバランスを損なっていない。




翌日,残った分を試してみる。

前日に開けた瞬間から30分程度の間の微妙なニュアンスの変化はない。
しかし,より開いた大柄なスタイルになっている。
香りも、トロピカル・フルーツと柑橘系の2つの要素がより顕在化した感じだ。



ラングドックのワインの中には、こうした人を飽きさせない逸品があるように思うし、そうしたワインを発見する醍醐味はこれまた格別である。(M)

裏モンブラン

2011-10-03 21:47:53 | 日記
好天の続く今日この頃。休日の朝突然思い立ち、モンブラントンネルを抜けて、イタリアのクールマイヨールCourmayeurからモンブランを攻めることにしました。って別に足で登った訳ではありませんケド^^;。

フランス側のモンブランへの入り口、シャモニーからエギュイーユデュミディ展望台往復のゴンドラは家族チケットでも160ユーロくらいかかるのですが、イタリア側クールマイヨールからプンタエルブロネ展望台往復は、100ユーロにちょっと欠ける程度。
シャモニーの近代的でいつも混雑している乗り場とくらべるとずいぶんシンプルで、普通のスキー場みたい。とても天下の?!モンブラン入り口とは思えないね。誰も並んでいないし.....。

 

係員のおじさんは、ゴンドラから降りてきて入場券のチェックをし人を乗せたらまたそのゴンドラに乗って上まで行くので、次のゴンドラが着くまで、乗り場は無人です。


牧場の上を通りすぎると、行く手に見えて来たのはダンデュジェアンDent du Géant=巨人の歯という名の、この辺のトレードマークのような奇岩。

遠く真ん中へんに見える尖ったやつが、マッターホルンcervin。



途中二回乗り換えて、イタリア側で一番高い位置にある展望台プンタエルブロネpunta helbronner(3,462m)に到着。それぞれのゴンドラが細かく往復しているので、意外に早く着きました。気温は0℃くらいだけど風もなくて晴天なので、寒くない。
ここから雪原の上をゴンドラで越えてフランス側の展望台エギュイーユデュミディーにも行くことも出来ます。


すっごい青空。

巨人の歯がよりとんがって見えます。

この先が、有名なメールドグラスmer de glasseという氷河。なんでも冬は雪があれば、ここから氷河の上をスキーで降りられるらしい。ここも展望台というよりは、冬期のスキー場としてにぎわうところのようですね。

よく見ると、雪原にオレンジ色のテントが見えます。

それにしてもフランス側から見るのと違って山に雪が無いから、これじゃ”モンブラン(mont blanc=白い山)”じゃないよねえって言ってたら、一応モンブランの辺りには雪がありました。

.....白い頂上の辺りがモンブラン、いやイタリアだから、モンテビアンコか。

反対側から見る白く美しい、女性的な眺めとは対照的に、氷河と尖った山々の荒々しい、男性的なイメージ。


パノラマで撮ってみた展望台から左側の風景。モンブラン頂きの見える方。


右側の風景。こちらは巨人の歯。



そしてこの展望台は、ちょうど国境の上にあります。

この山の稜線を国境と定めているとのこと。今はフランスもイタリアもEUだからいいけど、前はどうしてたんだろ。パスポートが無いと登れなかったのかな。

そういえばスイスからフランス、トンネルを抜けてイタリアに入り、またここでフランスに入っちゃった^^。
トンネルもすいていたから、ヴェルソワの我が家からこの頂上まで約二時間。便利な世の中です。

モンブランを眺める、という目的ならもしかしてジュラから見た方がよっぽいど”モンブランらしい姿”かもしれないけど、大晴天のもと、ダイナミックな山々を眺めつつも何だかノンビ~リした裏モンブラン、いやモンテビアンコの展望台でした。



おまけ。

ダンデュジェアン、ならぬ

ダン デュ ジナン


何だか変な兄弟。アリスにこんな双子がでてこなかった?