ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

バレンタインはご当地もので

2010-02-14 17:32:01 | 日記
今週はほとんど毎日雪が降った、ジュネーブ地方。なのに雪はあっても山が悪天候でスキーができない、暇な日曜日・・・。

でも今日は、バレンタイン、でしたね。この日はヨーロッパでは恋人たちのもの、日本と違ってむしろ男性が女性にブーケを贈ったりするのですが、私以外の家族は男だけなのに誰もそういうことに気づく人もいない・・・。日本人だし、何となくやはり私がチョコレートを用意するしかないわけです。パリにいるころはそれこそバレンタインにかこつけて、いろいろなチョコレート屋さんを試したものでしたが、最近はハート型でガトーショコラを作ってお茶を濁しています。

で、今年は更に手抜き?!日本でもいまや普通に手に入るそうですが、チョコレートフォンデュを用意しました。なんたってフォンデュの本場、さらにはミルクチョコレート発祥の地ですからね、スイスは。



そしてわが町ヴェルソワには、ファヴァルジェFAVARGERというチョコレート工場&ブティックがあり、ここの人気はチョコレートフォンデュのキットなのです。このキットを購入して、あとはサロンドショコラで食べたチョコレートフォンデュを参考に、マルシェや農園、スーパーで具材を用意しました。チョコレートと合って、串に刺せればなんでもいいのです。チョコレートは入れ物ごとレンジで3分チンしてから、小さなチョコレートフォンデュ鍋に移します。



イチゴ、パイナップル、りんご、みかん、バナナ、マシュマロ、小さなフィナンシェ四色。それぞれひと口大に準備。けっこうあるけど、食べきれるかな~。



溶かしたチョコレートは300g。へーゼルナッツやクリームがブレンドされていておいしい♪こども二人はすごい勢いでたいらげていきます。

 
タテでいくなよ・・・。

キットを買ってきてからずーっと、”いつ食べるの?”と気にしていた次男に夫が、”今日は気持ち悪くなるまで食べていいぞ”と言ったら、”すでにもう、ちょっとだけ気持ち悪い”って・・・。よく食べたねえ。次男がそこまで言うのも珍しい。
確かに山盛りの具材は完食、さらにマシュマロとイチゴは補充しました。

ちなみに気に入った具材は、こどもたちはマシュマロとパイナップル、夫はりんご、私はフィナンシェとりんごでした。
次回はスイスに来てから好きになった、ホワイトチョコレートのフォンデュに挑戦したいです。せっかくフォンデュ鍋買ったしね。


おまけ。

実はチョコレートを食べる段になって、我が家の男性陣三人がかわいいアレンジメントをプレゼントしてくれました。


奥に隠していたらしい。こういう事に慣れない三人は三人ともテレまくっていました。
どうもありがとう~♪

デクパージュのTシャツ

2010-02-08 12:00:00 | 日記
年が明けたと思ったら、あっという間にもう二月。ちょっと前まで真っ暗だった朝8時が、最近では少しずつ日が長くなってきて、こんな感じです。


美しい朝焼けがレマン湖に映って、さらに美しい。

そのレマン湖に切り絵のように浮かぶ黒々とした木のシルエットは、スイス名物デクパージュを彷彿とさせます。きっとこんな風景を毎日見ていて思いついたのかしらね。

デクパージュDécoupageとはスイスでは切り絵のこと。
半分に折った紙を切り抜くものが多いので、こんな風に、たいてい左右対称です。


(↑デクパージュ作家Anne-Marieアンヌマリーさんのサイトより)
専門店やデパートなどでも扱っているのですが、小さいものでもかなり良いお値段。
こんな素晴らしいのは、とてもじゃないけど手が出ないわ~。

と思っていたら、冬のバーゲンSOLDEでこんなデクパージュ風Tシャツを見つけました。


黒地に銀色でなかなかキレイです。
山や木、人や動物が描かれていて、とてもスイスっぽいですね。

時計や山小屋、杖をつきながら山道を歩く様子も、良く出来ている。
スイスといえばやっぱり牛さん♪

でもそのカウベルをつけた牛さんの下にこんな文字が・・・


 
スイスのダークサイドって・・・こんな牧歌的な絵なのに、何故???

それは



















この方のお顔だったからです。



Tシャツプリント部分の全体像。(拡大可能)

バーゲンで元値の1/3以下に下がって、12スイスフラン(約千円)で購入。
はがき大の単純な模様でも2万円位する本物のデクパージュ。我が家のアフリカンなインテリアには合わなそうなので、これで十分かも・・・。

スイスワイン探求 Domaine des Muses

2010-02-02 23:17:02 | ワイン(M氏より)
スイスワインについてこの場で紹介できればと思い、いくつか試してきたが、なかなか”これは!”というものに巡り会うことができなかった。

スイスは避暑地としては素晴らしいが、ワインを作る環境としてはこれがある種のハンディになる。

それでもスイスの葡萄畑の景色は素晴らしい。

10月のラボーの畑

ローザンヌの東に広がるラヴォーLaveauxの葡萄畑はその美しさから世界遺産に指定されているし、ヴァレー地区では、フランスだったらコート・ロティに匹敵するような急な傾斜に葡萄の木が植えられている。

これもラボーの畑。レマン湖や対岸の山も綺麗だ。

スイスでは世界的には無名な葡萄でワインが造られており、フランスワイン等と同じ尺度でワインを語ることは難しい。

それでも、近年のスイスワインの質の向上は目を見張るものがあるようで、シャルドネ、ソーヴィニョン、メルロー、シラー、ピノノワール等のメジャーな葡萄でも世界的なワインコンクールに出品し、それなりの成功を収めているようだ。

パリにはマドレーヌ寺院とオペラ座の間にLAVINIAというパリで最大のワイン屋があるが、ジュネーブにも同じ店がある。パリの店の規模とは比べることは出来ないが、フランスをはじめ世界のワインがそろっており、当然ご当地モノのスイスワインのコレクションもある。

店員に、これまでそれなりに試してはいるが、スイスワインのことは正直あまりよくわからないと伝えた上で、彼のお勧めを聞いてみた。

すると、まず世界的にメジャーな葡萄で造ったワインとスイス特有の葡萄で造ったワインのどちらがいいかと聞かれた。

スイス特有の葡萄で造ったワインはそれはそれで美味いのだが、折角だから、フランスワインの同じ葡萄の品種のワインと比較しやすいようにメジャーな葡萄で造ったワインの中でのお勧めを聞いてみた。

何本か説明してもらったが、値段も手頃なものの中での彼の一押しは、ヴァレー地区の優秀な造り手Domaine des Muses 2007のSyrah。

ヨーロッパでもトップレベルのシラーだという。



色は赤紫。透明感はあるが色が濃い。

香りは、熟した赤い果実、フランボワーズなどを煮詰めたジャム、それに白胡椒のようなスパイスの香りもする。

飲むと、若々しくて果実味があり、酸もタンニンもアルコール分もしっかりとして骨格がある。マルシェで買ってきたハーブを利かせた豚のローストと、にんにくをきかせたトマトソースのパスタともよく合う。



2007年は日照時間が多くてよい年だったそうで、このワインもスイスのコンクールでシラー部門の銀賞を取っただけのことはある。

ただ、途中から時間が経ってもあまり香りや味に変化が見られないのが気にかかり始める。カラフに入れて空気に触れさせてみたが、それほどは効果がない。

まだ若すぎるせいなのか。

ボトルを半分開けようとするところでテースティングをいったん中止して、翌日続けることにした。


翌日もう一度残りを飲んでみると、昨日とは異なるスパイス感がより前面に出た感じで、飲みやすくなっていた。

ヨーロッパのトップのシラーであるフランスのコート・デュ・ローヌ地方のコート・ロティやエルミタージュの秀逸な造り手のワインとは比べるべくもないが、地理的なハンディを負っていることを考慮すれば、なかなか見事なものだ。


とりあえず、スイスワイン紹介の第一号とするには、十分ふさわしいワインといえるだろう。(M)