時事解説「ディストピア」

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経済「制裁」について

2013-05-28 23:38:45 | 北朝鮮
インターネット辞書のコトバンクによると、制裁とは

法律や規則、また慣習・伝統などの
社会的規範に背いた者に対して加えられるこらしめや罰

であるらしい。

平壌で毎年行われている平壌春季国際商品展覧会が今年も開かれた。
同展覧会には、北朝鮮をはじめドイツ、マレーシア、モンゴル、
スイス、シンガポール、オーストラリア、イタリア、インドネシア、
ポーランド、中国、台湾の140余りの企業と駐朝大使館が参加した。

朝鮮新報によると、展示ブースを出した企業は、
朝鮮との積極的な経済貿易交流を希望していたらしい。

朝鮮新報が総連の傘下である以上、本当に希望していたかどうかは
微妙なところだが、それは別として、少しでも経済を向上させるために
北朝鮮もあの手この手と奮闘していることがわかった。

記事にはヤシの実を原料とした合成洗剤を目玉商品とする
北朝鮮のメーカーが紹介されていた。

手に優しくて臭みがなく低価格で人気が高いらしい。
とはいえ、ライオンなどの日本企業の製品と比べれば
その質はグンと下がるだろう。

当たり前の話だが、商品を生産するには原料が必要であり、
利潤を得るには他国との貿易が必要である。

日本では孤立した軍事国家として紹介されているが、北朝鮮もまた
他国と交流し、モノのレベルで交流することなしに存続することはできない。

経済制裁と称して、国際経済の環から北朝鮮を追い出せば
一番困るのは、北朝鮮の各企業であり、そこで働く民衆なのだ。

国際経済に参加できないよう圧力をかけ、いざ経済が悪化し
結果的に貧窮が進むと、「やはり独裁国家だ!」と囃し立てる日本こそ
よっぽど独裁的でスターリン的(※1)だと私は思えてならない。

※1
私は「悪」とか「けしからん」とか「横暴だ」と言う罵りの
代名詞として、やたらめったら「スターリン」という単語を
振りかざす連中が嫌いである。言葉を乱暴に扱いすぎる。
これは、戦時中の何か気に食わない連中にたいして
「非国民だ」と叫び迫害したケースと酷似していると私は思う。

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