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時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

池上氏、朝日叩きを批判!(自分は棚上げ)

2014-09-22 22:43:31 | マスコミ批判
池上彰氏のコラムについて、筆者は
氏の歴史的知識が不正確であることを指摘
し、次のように総括した。


今に始まったことではないが、池上氏のこの一見、批判しているようで
実は、毒にも薬にもならない言葉を並べて大勢に味方している姿勢は問題がある。


その後、朝日叩きをするメディアに対して「やりすぎ」とたしなめ始めたようである。


<池上彰が朝日叩きに走る新聞、週刊誌を批判! 他紙での掲載拒否も告白!>
http://lite-ra.com/2014/09/post-482.html


簡単に言うと、他のメディアでも自社を非難するような記事は掲載を拒否された、
だから朝日だけを叩くのはおかしいといった内容らしい。

しかし、冷静に考えれば、
一連の朝日叩きに便乗したのは他ならぬ池上氏である。

まさか「俺は例外」というわけではあるまい。
(ありそうなのがこの人の恐ろしいところなのだが…)


過剰な朝日バッシングに不満があるのならば、
なぜ初めのコラムで書かなかったのか?



なぜ今さらフォローをしだしたのか?
その答えは上記記事の後半部分にある。

---------------------------------------------------------------------
一連の批判記事の中には本誌を筆頭に『売国』という文字まで登場しました。
これには驚きました。

『売国』とは日中戦争から太平洋戦争にかけて、
政府の方針に批判的な人物に対して使われた言葉。

問答無用の言論封殺の一環です。

少なくとも言論報道機関の一員として、
こんな用語を使わないようにするのが、せめてもの矜持ではないでしょうか

-----------------------------------------------------------------------

おまえは何を言ってんだ?

というツッコミは後で述べるとして、氏は一連の朝日叩きによって
極右勢力の勢いが増し始めたので危機感を覚えたのだろう。


有田芳生、辛淑玉、加藤哲郎
とまったく同じパターン!



私は、この手の人間を「戦車売り」と呼んでいる。

普段は戦車を売ることで利益を得ている連中が、
いざ戦争が始まると反戦を訴える様子によく似ているからだ。


池上彰という人物は
靖国参拝を批判するのは中国と韓国だけで、
これは日本の宗教観を理解できないからだと公言した男
である。


(証拠映像)

http://www.youtube.com/watch?v=YPOoRwkVD_c

この発言は去年の安倍の参拝以前に発せられたものだが、その後、
靖国参拝について、中韓どころか、フィリピン、シンガポール、インドネシア、
ロシア、EU、アメリカ、国連と世界中で非難されたのは言うに及ばずだ。


そもそも、靖国神社というのは、天皇を絶対正義として描く神社であり、
ゆえに太平洋戦争も正しい戦争(聖戦)として訴えている施設だ。


靖国参拝というのは、言わば、
ナチスやヒトラーを礼賛する施設に行って、
ナチ兵の健闘を称える行為である。


宗教観とか、そういうレベルで説明できるものではない。


しかも、番組内で池上は、少しでも日本の神道の思想を理解してもらうよう
努力することがこれから私たちがすべきことといった発言に対して、
それをたしなめるどころか、同調しているわけだから、どうしようもない。


そういう自分がこれまで行ってきた結果として、
日本の極右の台頭があるわけだが、氏はこの点を隠しつつ、
右翼勢力の過熱したバッシングを今更ながら批判している。


農薬を大量散布したところ、虫どころか人間にまで
害が及ぶ猛毒だとわかったので、使用を控え始めた。

こんなところである。



ちっともえらくない。
むしろ卑劣。卑怯。合法詐欺。



そういうわけだから、次のような文章を書いたって、
産経や文芸春秋のような右翼メディアは絶対に納得しないと思う。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
池上氏は冒頭で「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、
まず、この女に石を投げなさい」という聖書の一節を引いた上で、こんな体験を語る。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

いや、池上も石を投げてただろ?
なんで俺らだけ悪者なんだよ。


そう思うはずだ。
あんたが焚きつけておきながら、いざ俺らが本気になると手のひら返しなんて
ひどいじゃないですかー池上さんよーと。そう思っているのでは?


結局、右翼にも左翼にも良い顔をしたいというのが
この人の本音
なのだろう。実際、この記事を書いたリテラという
サイトは、池上氏を過剰なまでにベタ褒めしている。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新聞社名を伏せるなど、池上サンらしい配慮とバランスを見せていることには
ちょっと不満が残るが、おっしゃっていることはすべて正論。

正直、この人がここまできちんとした言論の自由への意識、
ジャーナリストとしての倫理観をもっているとは思っていなかった。

こんな人物がポピュラリティをもって
メディアで活躍できていることを素直に喜びたいと思う。


だが、同時に暗澹とさせられるのが、
この国のメディアでこうした意見をはっきりと口にしたのが、
今のところ、池上サンただ1人しかいないという事実だ。

新聞もテレビも雑誌もそんなことはおくびにもださず、
安倍政権と世の中の空気に乗っかって朝日叩きに血道をあげているだけだ。

http://lite-ra.com/2014/09/post-482_2.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

何度も言うが、池上サン(笑)が右翼勢に迎合して、
いい加減な発言をした結果、連中が勢いづいたのであって、その逆ではない。


ついでに言うが、朝日バッシングに不満を持つぐらいの芸当は、
多少、左翼的な人物なら誰でもやっているし、メディアでいえば
赤旗がハッキリと批判している。


それも、池上サン流の単なるメディアの問題にとどめるのではなく、
日本政府の歴史認識の問題、極右勢力の歴史改竄の動きの問題として語っている。

肝心の慰安婦問題を「事実です」の一言で済ませて話そうとしない池上氏と、
近年の動きまで含めて、その詳細を継続的に報道している赤旗。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-07/2014040714_01_1.html

どちらが良心的なジャーナリズムかは言うまでもない。

リテラは池上サン美化新聞になるのではなく、
赤旗をはじめとした市民の発信する情報にこそ注目し、紹介すべきだろう。

正しいようで間違っている池上彰氏の慰安婦の説明

2014-09-09 00:15:14 | マスコミ批判
池上彰氏の朝日の慰安婦検証への批判については、前の記事で述べたが、
氏の説明の中には、重大な誤りがあり、本記事ではその点を詳説しようと思う。



問題の個所は次の部分でもある。
(他にも色々あるが、特に気になったのはこの部分)


------------------------------------------------------------------------
検証記事は、「慰安婦」と「挺身隊(ていしんたい)」との混同についても書いています。
「女子挺身隊」は、戦時下で女性を労働力として動員するためのもの。

慰安婦とは別物です。


91年の朝日新聞記事は、女子挺身隊と慰安婦を混同して報じたものだと認めました。


これについて「読者のみなさまへ」というコーナーでは
「当時は、慰安婦問題に関する研究が進んでおらず、
記者が参考にした資料などにも慰安婦と挺身隊の混同がみられたことから、
誤用しました」と書いています。


ところが、検証記事の本文では
「朝日新聞は93年以降、両者を混同しないよう努めてきた」とも書いています。

ということは、93年時点で混同に気づいていたということです。
その時点で、どうして訂正を出さなかったのか。それについての検証もありません。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11332230.html
---------------------------------------------------------------

結論から述べると、
最近の研究では、「慰安婦」と「挺身隊」は
明確に区分されていたものではないことが判明している。



挺身とは「身を捧げる」という意味で、強制連行の一種なのだが、
日本とは違い、朝鮮半島では必ずしも慰安婦と別のものではなく、
実際には挺身隊の一環として動員された事例も見られる。

また、当の慰安婦本人や連行した軍人が、挺身隊として
被害者を連れて行かれた・連れて行ったと認識しており、
挺身隊は女性動員の代名詞として使用されていた点も見逃せない。


簡単に説明すると、国語普及挺身隊、報道挺身隊、仁術挺身隊など、
多くの強制的な動員の総称および通称が挺身隊であり、慰安婦も含まれるわけだ。


例えれば、日本人の全てが神奈川県民ではないが、神奈川県民は日本人であるように
挺身隊すべてが慰安婦ではないが、慰安婦は挺身隊の一種として数えられる。

この点については、論創社から『日本軍の性奴隷制』という学術書が出版されており、
その中で詳しく説明されている。関心がある方は図書館なり書店なりで読んでもらいたい。



さて、池上氏のコラムを読むと、挺身隊は女子を労働力として動員するものであり、
慰安婦とは別物と明記されている。これは明らかな間違いだ。



本来は、
「最新の研究では、慰安婦と挺身隊は必ずしも明確に区分されていた制度ではなく、
 しばしば混同が見られている。朝日は、検証と言いながら基本資料すら読んでいない。
 歴史問題をめぐって日韓関係が荒れる状況で、無責任な言及は控えるべきだ」


とでも書くべきだったのだが、逆に朝日がちょっとズレている反省をしたこと
を利用して、ネトウヨと一緒に朝日はもっと謝るべきと主張している。


過ちは潔く認め、謝罪する。これは国と国との関係であっても、
 新聞記者のモラルとしても、同じこと
」とまで述べているが、
 どうも自分は間違いを指摘されていないので謝罪しなくてもよいようだ。


また、肝心な点だが、問題の吉田清治氏の証言に信憑性がないことを理由に、
済州島で慰安婦が強制連行されていないとは言えない。

実際、歴史学者は吉田氏の意見をあまり重要視しないで、
その上でなお、強制連行の事実があったことを認めている。

以前は、就業詐欺の事例のほうが多いと言われていたのだが、
先述の挺身隊のように、最近では事実上あるいは正真正銘の
強制連行もかなり多いことが確認されており
、一概にどちらが多いとも言えない。

また、村長に女性を提供させたり、拉致して連れてくる事例も
中国や東南アジアを中心に多く見られており、慰安婦=韓国という
認識を改める必要も出てきている
(私自身はアジア女性全体が被害者だと思う)。

http://wam-peace.org/ianfu-mondai/qa/


これも池上氏が言及しなかった点である。


以上、池上氏のコラムを読むと、氏があまり勉強をしないで、
この問題について、とりあえず朝日を批判してやろうと考えていることがわかる。


もちろん、朝日の反省の仕方および内容がおかしいのがそもそもの間違いなのだが、
それを考慮しても、いくら夕刊のコラム記事とはいえ、
間違った印象を読者に与えてしまうのではないだろうか?


今に始まったことではないが、池上氏のこの一見、批判しているようで
実は、毒にも薬にもならない言葉を並べて大勢に味方している姿勢は問題があるだろう。


確かに、看板役者だからといって安易に彼を起用してしまう朝日はおかしい。
田母神批判の記事で五十歩百歩の秦郁彦氏に話を聞いてしまうのが今の朝日だ。

正直言って、今回のは内ゲバだったと思う。
だが、それにも関らず、私はやはり公共の場でいい加減な文章を書き、
それによって生計を立てている池上氏の責任は朝日以上に重いと思う。

結局、池上彰と手を切れず、ズルズル関係を引きずる朝日新聞

2014-09-05 00:20:26 | マスコミ批判
とっとと手を切ったほうがいい。

朝日新聞とではなく、池上彰と。

この似非ジャーナリストとつるんだところで、朝日新聞に得はない。

もともと朝日も池上と一緒に良心派ぶって、実は思いっきり体制側の
報道をしてきたわけだが、ここに来て池上はトバッチリはごめんとばかりの
批判(笑)記事を書いてきたわけなのだから、もうここらで潮時だろう。

ネットの中には池上のやり方を賞賛(というか崇拝)している人間もいるが、
これは単に朝日バッシングの流行に乗っただけで、特に偉いことをしたわけではない。


それどころか、肝心の慰安婦という史実に関しては、
池上は「もちろん、事実だ」の一言で済ませ、
もともと朝日のミスは90年代には既に指摘されており、
研究者も吉田氏の証言は除外して立証している

という肝心の点を述べていないのだから、
保守層の今さらな発狂を鎮静させるどころか火に油を注ぐだろう。

つまり、朝日の誤報を口実に、慰安婦研究自体の信ぴょう性を低下させよう
という歴史隠ぺい工作に対して、池上の発言はそれを食い止めるどころか、
逆に支持しているような気がするのである。結果としては。


細かい説明は別記事で述べるが、
池上自身、慰安婦について
間違った知識をコラムで披露している。


氏が近年の研究成果まで調べた上で書いていないことがよくわかる。

「新聞記者は、事実の前で謙虚になるべきです。」とか
「過ちは潔く認め、謝罪する」と書いている割には、
 本人はコマネチがルーマニアの独裁者の息子に愛人にされかけたという
 正真正銘の嘘(コマネチ本人が否定している)をテレビで述べているのだが、
 たぶん、新聞記者じゃなくてNHKの職員だからOKという理屈なんだろう。


ふざけんなと思うこともなくもない。


問題を考える上で肝心な情報を提示しない。大勢に迎合した報道しかできない。

結局は、いつもの池上氏だったわけだが、こんなのに手を焼かされる朝日新聞は、
もう開き直って、左翼のふりをした右翼新聞であることを
カミングアウトしたほうが良いのではないだろうか?

あるいは、これを契機に足をあらう、すなわち、
池上のような状況次第で自分たちを裏切る卑怯者とは手を切って、
秦郁彦や中島岳志などの偽左翼とも距離を置いたまっとうな新聞として
生まれ変わったほうが良いと思う。こちらは難しいと思うので強要はしないが。

後日、池上彰が意図的に伏せていることを記事にしようと思う。

同氏が読者に嘘八百を述べても謝らないのは、それが嘘だとわからないからなのか?
だとしたら、学生以下の情報収集力だし、意図的にサボっているのなら職務怠慢だ。

まさか事実の前では謙虚にーなどと言っている方が、
意図的にデマを流して大衆に迎合しようとは思ってはいまい(皮肉です)。

結果的にそうなっているだけなんだろうと信じたい(棒読み)

池上彰氏、とうとう朝日と手を切る

2014-09-03 00:48:44 | マスコミ批判
あの合法詐欺師の池上彰氏が朝日の夕刊にコラムを書いていたのも驚きだが、
朝日新聞の慰安婦検証(笑)への批判がきっかけで喧嘩別れするのもまた驚き。


「原稿の具体的な内容については言えないが、
 私自身は朝日新聞の検証を不十分だと考えており、そうした内容も含まれていた」

 と述べているが、これは多分、
「慰安婦制度自体は歴然とした事実なのに、一部の誤りを重点的に扱い、
 結果的に近年までの歴史研究の成果を十分に伝えることができなかった」
 というものではなくて、その逆(つまり河野談話の否定)がしたかったのだろう。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20140902595.html


池上彰氏は、他人に対して偉そうに批判するよりも前に、
原発問題をはじめとして肝心な点を言及せずに、政府や財界にとって
都合のよい見解を読者にすりこもうとする自身の行為を自粛すべきだろう。

妄想で中国批判をする池上彰

2014-08-18 21:33:34 | マスコミ批判
完全にテレビタックルの後継番組と化したなぁ……

今日のテレビタック、じゃなかった、
池上彰氏のニュース番組を見て呆れてしまった。時事解説ですらない。
チャンネル桜の合法詐欺番組のほうがまだ開き直っていて潔い。


中国に足りないものはモラル(!)なんだそうだ。

経済では世界一になった!だが道徳心が足りん!

……だそうだ。お前は頑固おやじか。


池上氏は中国のモラル低下の具体例としてメラニンを混入した粉ミルク事件や、
2011年に起きた鉄道事故への対応などを列挙していたのだが、
それはないんじゃないのか?


同氏の理屈に従うと、日本についても同じことが言えてしまう。
原発事故の政府や東電の対応などはその典型だ。


原発事故は偶然おきた事故ではなく、その危険性は以前から問われていた。
しかし、一基につき5000万の金が動くプロジェクトであるためか、
無視や隠ぺい、つまり「安全神話」がささやかれていた。
起こるべくして起こったのである。


他にも、粉ミルク事件のように企業が起こした事件すらモラル低下の事例として扱うならば、
日本でも2013年にカネボウ化粧品が美白効果があるとして肌がまだらになる商品を売りつけ、
6808人から症状や不安を訴える申し出があり、うち2250人は、症状が重いのである。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0502V_V00C14A7CC1000/

カネボウは日本を代表する大企業の一つであり、その社会的責任は重大だ。
しかし、この事件をもって日本に足りないものはモラルと断定できるだろうか?

原子力発電に対する自治体や電力会社、経産省の動きも非道いものであるが、
それを理由に、日本人のモラル低下を主張できるのだろうか?


さらには、10年以上前から続いている歴史の否定および改善、
慰安婦問題へ対する不誠実な対応、靖国神社参拝、在日コリアンへの差別など、
モラルに欠けた行為を日本はいくらでもしているではないか?


しかし、これらをもって日本人のメンタル自体が劣化したなどと言えるのか?
絶対に言えないはずだ。そもそも、「日本人」というのは非常に大きなカテゴリーで、
その中には帰化した人間や、私のように武家の流れを組む人間もいるし、
網野善彦氏が指摘したように、東日本と西日本では文化も歴史も異なるのである。

このように、日本ですら地域ごと、階級ごとに多様な文化と歴史を
それぞれの人間が背負っているのであって、いくつかの大々的な事件を根拠に、
すべての日本人および日本社会のモラルが低下したなどとは主張できない。

ましてや、12億人もいる中国ならなおさらだ。


しかも、その12億はモンゴルや満州、回、ミャオ、漢などの
多民族で構成され、内陸部と沿岸部では歴史も文化も異なる。

「中国人は~だ」という言説は、中国の多様性を無視した極論であり、
 それは日本人に対しても跳ね返ってくる差別的な発言でもある。


さて、池上氏によると、中国人のモラルの低さは歴史的産物であり、
毛沢東の文化大革命によるものなんだそうだ。馬鹿馬鹿しくて声も出ない。


池上氏の解説は、もはや在特会やつくる会、日本維新の会の解説と
同レベルの出鱈目と化している。完全に合法詐欺師となっている。


池上氏によると、文革は毛沢東による恐怖政治だったそうなのだが、
これは非常に文革の複雑性を無視したもので、嘘と言っても良いレベルだ。


実際には、文革は地方や都市の青年革命家を毛沢東が焚きつけたことで
起きたものであり、当時の中国社会に存在した党における幹部の腐敗や
行き過ぎた中央集権のために生じた非民主的な政治制度に反対して起きたものだった。

当時は世界中で学生運動が活発に行われていた時代だが、
この運動を毛沢東は積極的に支持したわけである。

日本の場合も同様であったが、いわゆる内ゲバが発生してくると、
エリート出身の学生と非エリート出身の学生、あるいは労働者や農民との間の
具体的な軋轢が問題化し、それを暴力によって解決する方向へと向かっていく。

内戦にも似た混乱が各地で発生し、きっかけを作った毛沢東は次第に
この混乱を鎮めるために、当初応援していたはずの改革派を弾圧していく。

加えて、四人組と俗に言われる権力者集団が実権を握り、
党内においても、毛沢東、四人組、反文革との間で抗争が続いた。

結果としては反文革が勝利し、周恩来と小平がその後の中国を築いていく。


このようにザッと説明しただけでも、非常に複雑な事件であることがわかるだろう。
実際に、この複雑性と運動の多様性のため、様々な視点から研究が行われている。


それなのに、中国人のモラルが低いのは文革で儒教が否定されたからだ
という妄言を電波に乗せて叫ぶのは、聴衆を惑わす詐欺行為に等しい。

小平以降の中国では文革は間違いだったと認めているのだが、
このような事実も池上氏はもちろん、触れていない。

また、現在の中国の識字率は95%なのだが、
池上氏は文革のせいで字が読めない人間が何人もいると、
まるで現在の中国が教育後進国であるかのようにウソをついている。

確かに12億の5%だから、6千万の人間が読み書きができないわけで、
これはこれで問題である。だが、そもそも識字率と道徳の間に関連性はない

字が読めればモラルが上がるなら、日本人は善人だらけになるだろう。
中国にしたって11憶人の人間は字が読めるのに事件は起こすのである。

儒教やキリスト教が濃い韓国でも凶悪犯罪や腐敗は起きているし、
今の韓国政府のトップがあのパク・チョンヒの娘であることからも、
軍事独裁政権の記憶を美化し、反動化させる動きがあることを匂わせる。


要するに、池上氏の主張は言いがかりも甚だしいものであり、
到底、まっとうなジャーナリストなら言うはずがない内容のものだ。


氏は以前から中立性のある報道を心がけていたはずなのだが、
ここに来てついにメッキがはがれたような気がする。

中国を批判するのは構わない。
だが、それは専門性のあるもので、
ゴシップであってはならないと思う。


そういう意味では丸川哲史氏の『魯迅と毛沢東』は
現在の中国における批判的知識人が両名の著作を読みなおしていることを
紹介しており、また双方を事例に現代中国の思想史を叙述しており面白い。

私が以前、このサイトでも紹介したユー・ビン氏の資本論入門でも、
小平以降の開放路線によって、行き過ぎた資本主義が正当化されたと
いう批判が書かれており、仮にモラルが低下したとしても、
それは文革というよりも、文革以降によるものだという意見もある。

中国に関心がある者は、なるべく多角的な視点からこの国を見るべきだ。
池上氏の解説はウソと煽動に満ちたもので、とても中立な視点のものとは思えない。

池上彰のテレビタックルに改名しろと書いたこともあったが、
ここまで来るとさすがに笑えない。テレビ朝日の責任は重大だ。

今更、消費税増税を反省し始める政府とメディア

2014-08-13 23:26:03 | マスコミ批判
NHKのニュースでGDPが6.8%も増税のせいで落ち込んだことを報じていた。
経済専門家いわく「予想はしていたが、ここまで落ちむとは」だそうだ。


そんなん、ずっと言ってたわ。

「福祉にあてる」とか「国の借金を返すには仕方ない」とか
 メディアにせよ専門家(笑)にせよ今までずっとそう言ってきたじゃないか。

旗色が悪くなったとたんに、手のひらを返すのはご勘弁願いたい。

リーマン・ショックの時も、今まで新自由主義を推進していたくせに
急に手のひらを返して「いや、自分は前から批判してたよ」と言い訳する人間が
ものすごく多かった。彼らの多くはほとぼりが冷めた今、アベノミクス礼賛を
行っているが、これもまた失敗が明確になった時に立場を変えて保身に努めるのだろう。

なお、消費税については山家悠紀夫氏の『消費税増税の大ウソ』がある。
消費税についての問題点をあますところなく解説しているので、
興味がある方は読んでみてほしい。特に消費税が増額した分、
法人税が減らされているという指摘は、実に興味深い。必読の書だ。

古市憲寿は研究者ではない(&日本学術振興会は死んだ)

2014-08-09 23:09:53 | マスコミ批判
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はてなブックマークから来た方へ

まーた古市憲寿が政府に尻尾を振りだした

なぜだか、2年前に書かれた当記事が読まれているようなので、
現時点での古市氏・・・というより彼をタレントにしてしまった主流左翼に対する批判を
上の記事に書きました。合わせてお読み頂ければ幸いです。

なお、私は以前、アベノミクスを批判した記事を書いたところ、
アベノミクス信奉者の連中にはてなブックマークをつけられ、執拗に攻撃されたことがあり、
それ以来、はてなブックマークに関しては、申し訳ありませんが、良いイメージは持っていません。


ちなみに、その攻撃の主体者が本人曰く、改憲に反対する左翼であり、
そういう点からも日本のメディアに露出してくるリベラル知識人たちの劣化を感じてしまう次第です。

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古市憲寿については、以前の記事で、彼の著書をこっぴどく批判したことがある。

簡単に要約すると、彼は世界各国の博物館を巡ってレポートをまとめているのだが、
靖国神社や遊就館の存在を度外視して日本には国営の戦争博物館がないと断言したり、
各国の展示物を通じての隠された歴史観(例えばアメリカのエノラ・ゲイ事件
ではアメリカ社会で今なお原爆肯定論が根深く存在することが露見された)
を指摘・批判するまでもなく、歴史学としても、社会学としても、
とても研究者の論文・報告書とは思えない内容だった。

こんな駄作をあの加藤典洋が推薦しているという時点で、
かつ、なぜか巻末にアイドルの桃色クローバーZとの対談があったりする時点で、
かなりのイロモノと言おうか、戦争を扱った本としては最低の部類だと思ったものだ。



その後は「今年で29歳なのに若者を代表するのは無理あるだろ」といった
さりげないツッコミで無視していたのだが、
偶然読んだ文春スペシャルに彼の対談があって、愕然とした。


ぼくら若者が考える『永遠の0』


・・・ギャグなのか?

(なお、対談相手は32歳と35歳。無理しすぎである)


内容も非道いもので、歴史評論としても文学評論としても
研究者のレベルに達していない。ネットのおしゃべりのようなものだった。


例えば、嫌韓本が売れているがKPOPはもっと売れているから
日本の若者は右傾化していないといった物凄い詭弁をのたまうのである。


マイケル・ジャクソンやマイルス・デイヴィスの人気があるからといって、
アメリカの人種差別が解消されたと言えるのだろうか?

(なお、アメリカの人種差別については、ティム・ワイズが
 オバマがあれだけ人気があった時期にすら、彼の政策を分析すると、
 実は白人に妥協したものであり、また新たな人種差別も散見されると
 彼の自著『オバマを拒絶するアメリカ」で述べている)


ネトウヨのまとめブログはいくらでもあるし、
サブカル・エンタメ系のサイト(芸能・漫画等)にも、
嫌韓・嫌中系の記事を載せてアクセス数を稼いでいる所がある。

しかし、その逆の現象は無い。
天皇制や戦争犯罪、欧米の植民地主義を糾弾するサイトが
保守速報や、はちま寄稿なみに人気があると言う話を聞いたことが無い。


同様に、池上彰や佐藤優の保守本は大ヒットしているが、
その逆が売れているという話も聞いたことが無い。

比較をする際に、同一の種類を対象に設定するのは常識である。
基本的な社会調査の方法を彼は学んでいないのではないだろうか?


簡単に言えば、ラーメンと鉛筆を食べ比べて、前者は後者よりも美味しい、
だから、このラーメンは不味くないと結論を下しているようなもの
なのだが…


『永遠の0』の批判は今後、行うつもりだが、
それに先行して彼を批判したのは、彼の経歴を読むと、
日本の学問の世界が右傾化しつつあることをヒシヒシと感じるためである。


ウィキをみると、彼は育志賞という賞を日本学術振興会から受賞している。
同団体は、若年研究者に特別研究員制度という就労支援を行っており、
これがなければ、日本の若手研究者は、よっぽどコネがあるか、
准教授レベルの実力がない限り、非正規の教員として生きていかざるを得ない。

そう断言できるほど、日本の研究者の働き口は狭いのである。

この手の話になると何度も例にあげてしまうのがアメリカ・インディアン研究者の
鎌田遵氏で、彼はアメリカ学会という日本を代表する由緒ある学会で受賞したり、
大月書店や岩波書店から数冊の本を出版したにも関わらず、長年講師に留まっていた。


つまり、特別研究員制度というのは若手研究者にとっては希望と言えるものであり、
そこには研究員として採用するさいに、公平性というものが要される…はずだ。


ところが、この育志賞、設立の経緯からして
既に政治的なのである。



ホームページから該当部分を引用しよう。

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日本学術振興会から日本学術振興会は、
天皇陛下の御即位20年に当たり
社会的に厳しい経済環境の中で、勉学や研究に励んでいる
若手研究者を支援・奨励するための事業の資として、
平成21年に陛下から御下賜金を賜りました

 このような陛下のお気持ちを受けて、本会では、
将来、我が国の学術研究の発展に寄与することが期待される
優秀な大学院博士課程学生を顕彰することを目的として、
平成22年度に「日本学術振興会 育志賞」を創設しました。

http://www.jsps.go.jp/j-ikushi-prize/
------------------------------------------------------------

学問の中立性はどこに行ったのだ?


育志賞の受賞者が保守(それも極右)の雑誌で、
南京事件を否定する作家の書く特攻隊美化小説を絶賛する。

これは果たして偶然なのか?

どうりで、語り口が砂を噛むような要領を得ないものになっていると思った。

彼の元々の研究は、「若者は貧乏でも幸福感を得ている」という
下手をすれば、労働条件の改悪や社会保障少の縮小を是認するような内容に
なっているのだが、なるほど、確かにこういう政府にとって都合のよい主張は
表彰に値するだろう。だが、仮にも日本の若年研究者に仕事口を与える組織が
お上を批判する内容が書けないような賞を設立して良いのだろうか?



他、彼の経歴をみると、

2012年、野田内閣の内閣府国家戦略室「フロンティア分科会」部会委員
2013年、安倍内閣の「経済財政動向等についての集中点検会合」委員
2013年~ 内閣官房行政改革推進本部事務局「国・行政のあり方に関する懇談会」メンバー

となっており、ベッタベタの御用学者の道を進んでいる

野田も相当な右翼だったが、歴史研究者としては絶対に行ってはならないこと、
すなわち、歴史改ざんを行う連中への協力という歴史研究そのものを否定する行為
を行っている人間が、かつこれといって実績を挙げていない人間が、
どうして内閣の有識者会の一員になれよう?

彼の出身は知らないが、保守勢力とのコネクションが
相当強いのだなということが伺える。


竹島は日本領という主張を出鱈目の根拠をもって主張している下條正男氏も、
韓国でヒラの日本語講師をしていたはずなのに、なぜか大学教授にまで出世して
彼の教え子が外務省や防衛省の役人になっているのも、露骨な裏の力を感じるが、
古市氏も学者というよりは、汚職政治家である。


今となっては転向してはいるが、東裕紀氏や宮台真司氏は、
それぞれオタクやブルセラといった当時の社会学では無視されていた存在を
対象にして、画期的な論文を世に送り出したのがきっかけで大ブレイクした。

いわゆる一発屋だったために、その後は評論家(笑)に落ちぶれているのだが、
それでも彼らは自分の実力と発想力を武器に名を挙げたのである。


右翼の代表格である渡辺昇一氏も英語学ではきちんと結果を出しているし、
もっと大物でいえば、第3世界を経済的に侵略したミルトン・フリードマンも
20世紀を代表する経済学者である(それゆえに近代経済学の問題点が見えてくるのだが)


それと比べて、皇族…というより皇族を信奉する右翼勢力に媚を売り、
日本史研究および研究者の実績をないがしろにし、侮辱する行為を行う人間が
堂々と政府の有識者会議に参加し、日本の右傾化に拍車をかける真似をしている。

こういう人物を支援する日本学術振興会の社会的責任は重大だ。

私もこんな賞がいつのまにか出来ていたので驚いたのだが、
天皇陛下がお喜ばれになる学問を研究するのが学者だというのならば、
そんなのは糞くらえである。学問は権力に抗う最後の砦だ。

その砦の一つがいつのまにか知らないうちに占領されていた。
このことに私は底知れぬショックを覚えてならない。


・追記
中立性が試されるはずの学会で政治やコネが影響を及ぼしているのなら、
真っ当な研究者が働く機会がますます減るではないか。

これでは就労支援どころか就労への妨害を務めている。
どうしてこの国は君が代といい、真面目な教員が迫害される制度になっているのだ?


・追追記

こんな研究者の風上にも置けない人間に仕事を与えている国や
出版社に憤慨することこの上なしだが、よく調べてみれば、この男、
あの上野千鶴子と対談もしているのである。

上野は、もともとはマルクス主義社会学者であり、
女性学やフェミニズム研究に大きく貢献した人間ではあるが、
その後、慰安婦の国家責任を放棄させるアジア女性基金の中心的メンバーとなり、
自らがそれまで築き上げた研究を全否定するような真似をしたことを覚えている。


要するに、金で解決するからこれ以上の日本政府への追求はやめましょうという
恐ろしく身勝手かつ政治的な運動で、慰安婦研究者はこの運動を否定しているのだが、
まさかその後の上野がこのようなコネだけのペテン師と仲良くお話していたとは…


彼女がすべきなのは、彼(というより彼を持ち上げる保守勢力)との対決だったはず。

先述の加藤といい、上野といい、世間的には左翼とみなされていたであろう面々だ。
戦後左翼の失敗を考えるに当たって、やはり左翼の隠れた転向を指摘せざるを得ない。


・追追追記

ところで、AKBに熱を上げている小林よしのりといい、
よりによって自民党の先輩党員が来る場所で、アニメのコスプレパーティを
開いて顰蹙を買った三橋貴明といい、桃色クローバーZと対談する古市といい、
この手の輩はなぜヲタク気質なんだ?さっぱり理解できない。


なお、古市についての批判は、右のサイトでも行われている。

古市憲寿の「おじさん」批判は的外れ
http://blogs.yahoo.co.jp/halfjapankorea/33934263.html


独断と偏見だが、何だかんだで在日・ハーフコリアンのブログのほうが
そのへんのサイトよりも意義深いものが多く見受けられる。


古くは岩波書店と対決し、佐藤優氏を批判した金光翔氏とか。
http://watashinim.exblog.jp/

冷静に考えれば、日本社会のためを思えば、金氏のような
批判力のある人物こそメディアは取り上げるべきだろう。

どうも、古市が目立ったのは、宮台と同じく、メディアの貢献も
あるようで、それは今のメディアがどれだけクソかという試験紙でもある。
(もっとも内容は、宮台のほうが遥かに優れているのだが・・・)


・追追追追記

とはいえ、さすがに岩波や大月、青木書店等の出版社は
今のところ、古市に執筆を依頼していないようで、その点に関しては安心している。


結局、古市がこれから辿る道は宮台や東と同じ、ある一時期に
テレビや保守系雑誌にもてはやされる一過性のピン芸人的評論家ではなかろうか?


彼は西尾幹二や渡辺昇一のようなリーダーシップを取るタイプではないし、
冷静に考えれば、彼の売りは「若者」であること以外にない。

さすがに40を超えてもなお、若者を自称するわけにはいかないだろう。
実は、彼と同じような若者論でウケを誘った人間は左翼にもいる。
赤木智弘というのだが、彼も今はもう、時の人になっている。

なんだかんだで保守系論者も競争が激しいようだから、
彼も今のうちに政府と親密になるでもしない限りは、
過去の人として飼い主から捨てられるような気がする。
(意外とそういう人間は多い。右にも左にも)


第一、若者論にしたって、同世代に後藤和智という本格的な研究者がいるわけだから、
このジャンルで彼が生き残る道はないのではないだろうか?

というか、実際に古市が既に歴史改ざんに関与し始めているあたりで、
彼もまた自身の研究が既に終わっていることを自覚しているのではなかろうか?


この手の特定のグループを代表して読者やメディアの受けを狙う人物として、
姜尚中が想起されるが、彼は有名になる前から哲学者として、
実績を挙げているので、ブームが過ぎた今も健在である。

・・・が、古市の若者ビジネスは実績を挙げる前に始めているし、
その実績も同世代に強力な上位互換が存在するわけで・・・
政府や右翼の人間といっそうのコネクションをつけるよう、
日々両手が摩擦熱で炎がでるほどすりまくらない限り、
ある一定の段階で路頭に迷ってしまうのでは…?

(まぁ、この手の卑怯者はずるがしこく生き延びるんだけどね)

集団的自衛権に反対する気がない岩波書店

2014-08-03 19:32:19 | マスコミ批判
今月は岩波新書から『集団的自衛権と安全保障』、
そして単行本から『集団的自衛権の何が問題か』が出版された。
いずれも、これから集団的自衛権について勉強する上で参考になるものだと思う。


しかし、こういう本を見ても、残念ながら私が思うのは、
岩波はいつも問題が起きてから行動する
ということである。

集団的自衛権の見直しは2013年の2月にはすでに開始されており、
共産党や一部の市民団体は随分と前から反対し続けていたわけだ。

その間、岩波は確かにブックレット(『ハンドブック 集団的自衛権』)を
出版したり、同社の月刊誌『世界』でもこの問題を問い続けていた。


であるからして、まったく無視していたわけではなかったのだが、
それでも200頁ほどのまとまった形で反対姿勢を明確に表す本は発刊してこなかった。

それがいざ、集団的自衛権の容認が閣議で決定された直後に
「待ってました」とばかりに二冊も出版されるのだから、
これでは事故が起きてから問題点を指摘する
屑マスコミと同じではないか。



問題が起きてから騒ぐのは誰でも出来るのであって、
出版社がすべきなのは問題を提起し改善を訴えることである。


…などと書くと「出版社は営利団体ですから」という回答が来そうだが、
まさにそこが問題で、現在の出版社のほとんどがこの利益のために
社会的には意味があるが売れない本より社会的に害悪なのだが売れる本を
大量生産し、薄利多売し、そのくせ売上を落としている
醜態をさらしている。


加えて、高文研や柘植書房新社、緑風出版社、旬報社、新日本出版社、学習の友社など
市民団体や学者を対象として社会改革に役立つ本を出版している弱小企業も存在しており、
仮にも戦後を代表する左派系老舗出版社が問題が起きるまで腰を上げないのを
「それが金儲けの本質ですから」と言い訳をするのはおかしいと思う。



繰り返すが、岩波は集団的自衛権の容認を全く無視していたわけではない。
しかし、それでも既に去年の冬には本格的な内容が書かれた本が
大月書店から発刊されており(浅井基文『すっきり!わかる集団的自衛権』)、
遅すぎるといった印象がぬぐえない。

不十分な反対は遠回しの賛成である。

まだ完全には容認されていない今、岩波はようやく必死になったというところだが、
そもそも、集団的自衛権の問題というのは、日本軍の美化や自衛隊の入隊、
靖国の参拝、新兵器の購入、武器の売買の規制緩和、北朝鮮や中国への強硬政策など、
全体の歪みの中の一部部分にすぎない
ので、
これだけ取り上げてもあまり意味はない。

よって、これは岩波だけでなく前述の出版社各社にもお願いしたいことだが、
安倍政権の軍事政策を多角的に分析し、日本が軍拡に邁進していることを
告発する本を手遅れになる前に、ぜひとも出してもらいたい。


批判のためのメディアから予防のためのメディアへと変身する機会は
いくらでもある。本が売れないこのご時世、何が売れるかのトレンドは
自分から創っていかないといけないような気がしてならないのである。

プロパガンダの意味がわからず使う人

2014-07-29 21:34:38 | マスコミ批判
自分の都合の悪い意見をみるとプロパガンダとレッテルを貼って
まともに向き合おうとしない人間が、それなりにいる。

もともと、この言葉は「宣伝」や「広報」「発信」を意味したもので、
いわゆる自分たちの意見を広く伝えていこうというものだった。


識字率が低く、10代半ばで就労するのが一般的だった時代、
小難しい文章で訴えていくのは、あまり賢い選択ではなかった。
(もちろん、知識人向けにそういう本や論文も多く書かれているが)

そこで登場したのが、絵や物語で訴えていこうという運動だった。
古くはルターの宗教改革のころからあった動きである。
(版画でカトリックを批判する風刺画が多く作られている)


日本では、プロレタリア文学が代表的だろう。
特に有名なのが『蟹工船』だが、徳永直の『馬』も名作である。


このようにプロパガンダというのは啓蒙活動の一環だったが、
いつ頃からかデマゴーグスの一種として語られるようになった。


「かげ」という古語が「光」を意味したように、
言葉は時代を経て真逆の意味に変わることは多々ある。

そういう意味では、この変化は特におかしくはないのだが、
どうも最近のそれを見ると、誇り高き日本人が敵対者の意見や著作を
感情的に攻撃するときに、この言葉が使われることが多いような気がする。


現代のプロパガンダは、国家をはじめとした権力者が
事実を揉み消すために行うメディアを介した工作活動を指すのだから、
日本にとって都合の悪い動きに対してこの言葉を使うのは不適切だ。


ネトウヨにしてみれば、「反日」と同じで、気に入らない相手を
悪魔化する際に便利な言葉として使っているのだろうが、
いわゆる知識人がこの言葉を乱暴に使うのはいかがかと思う。


もともとはこの言葉は19世紀以来の国内の進歩派が
自国の腐敗した政治を糺すためにインテリ以外の一般庶民にも
わかるような啓蒙活動をしましょうというプラスの意味をこめて使われたのだが、
もし仮に保守派や国粋主義者が逆の意味で多用した結果、現在のような
マイナスのイメージがある言葉として定着したのであれば、それは残念なことである。、


池上彰は今こそウクライナ南東部へ発つべき

2014-07-20 00:19:08 | マスコミ批判
日本政府の覆面報道官の分際で、ジャーナリストを気取っている池上彰氏。

前記事と前々記事で述べたように、現在のウクライナ南東部では
日常的に市民が軍の爆撃に曝されており、経済活動はおろか、
まともに外も出歩けない状況にある。


このことを現地のアメリカ人ジャーナリストである
パトリック・ランカスター氏が映像に収めた。


まさにリアル・タイムの映像なので画像が粗いが見ごたえがある。

さて、確か池上氏はガザ地区を観光しに行った時に、
スタジオの女子アナから「なぜ危険な地域に行くのか」という問いに
「ジャーナリストなら、真実を伝える身分の人間なら
 危険な場所にあえて行かずしてどうする」と得意げに話していた気がする。


今こそ池上彰氏はスラビャンスクへと向かうべきだ。
そこでランカスター氏のように空爆の被害に実際に会って、
この内戦の凄惨さとウクライナ政府の非道ぶりを訴えるべきである。


正直なところ、いくら偉そうなことを話していても、
このウクライナ問題に対する姿勢を見ることで、正体は見えてしまう。

池上氏に限った話ではなく、日本の平和を語る人たちは、
誰しもがウクライナ南東部の味方にならなければならない。

そうでない限り、彼らはいつまでも覆面自民党左派であって、
保守派と本質的な面では大差ない弱い主張しかできない集団に堕するだろう。