ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

熊森の奇妙なレポート?上

2011-03-25 08:35:54 | 熊森
 先月末に、兵庫で行われたクマシンポのレポートですが、ようやく熊森側の見解が発表されました。しかし、熊森側の見解は恣意的に読者を誘導し、事実から目をそらすものが散見されます。同じくシンポに参加した梨の側から熊森側の見解のおかしな所を指摘していきます。(梨のレポートはこちら)

以下引用
野生動物の生息数を適正頭数に落とすまで人間が管理すべき(=殺すべき)と考える行政や研究者たちが勢ぞろいしました
引用終わり

さっそくダウト。管理すべき=殺すべきではありません。シンポ内では殺す以前に様々な対応をしていることもきちんと発表されていました。その具体的な行動として電気柵のレンタルやカキの木を切っておくことやその成果などが紹介されていました。管理すべきというのは“場合によっては殺すという手段もとりうる”ということで殺すべきとイコールではありません。

以下引用
クマも増え過ぎて、個体数調整に乗り出さないといけない時期に来ているということでした。
引用終わり

別に誰も増えすぎとは言っていないはずですが。誰の発現でしょうね?僕の知る限りでは「増えすぎ」などと言ったパネラーはいませんが。

以下引用
>1994年に60頭だった生息推定数が16年後の2010年には、313頭~1651頭と予測される
引用終わり

どうしてここでずいぶんと幅のある予測値を持ってくるのでしょうね?シンポ内では現状の確からしい値として500~800頭が発表されていましたが、それに触れない理由は何でしょう?僕にはわざと幅の大きな数値を出して調査の信頼性を揺らがせようとしているように見えます。

以下引用
もはや保護対象動物ではなく普通獣にすべき
引用終わり

これを言ったのもどなたでしょうね?目標としてシカやイノシシのような普通種にしていこうとはパネラーの発言としてありましたが。

以下引用
ちなみに、隣接する岡山県では、同じ状況下であったが、人里に出て来たクマは全て奥地放獣し、クマの捕殺数はゼロであった
引用終わり

同じ状況下とはどういうことでしょう?去年の捕殺数の多さは兵庫県での捕殺ラインである集落、人家への執着をした個体が多かったことが原因とシンポ内できちんと説明されていました。岡山が同じ状況というのはどうやって知ったのでしょうね?熊森のHPでは兵庫県内で聞き取りをしたという記事はあっても岡山で同様のことをしたという記事はなかったと記憶していますが。とりあえず、熊森側に情報開示を求めたいところですね。

ここまでの僕の見解としては、所々で熊森側の都合のいいように身勝手な解釈を織り交ぜています。ある程度事実に沿った話をしつつも所々で論理を飛躍させ自分の都合のいい結果を作り出す詭弁使いの常套手段です。(後半に続く)


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