ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

進化生物学教育に思うこと1?

2010-05-14 00:35:14 | 進化生物学
 今回からコメント欄解禁です。僕がいろいろと勉強させてもらっているどらねこさんのブログのこの記事を読んで少し考えてしまいました。

ラマルク的な何かと素朴生物学

そこのコメント欄でのyu-kuboさんのコメントを一部抜粋させていただきます。

>とても残念なことですが、日本の中等教育では進化をきちんと勉強するチャンスは殆どないです。
理科総合はAかBかの選択で、Bなら生命進化の歴史を扱いますが、
進化学説(自然選択説や用不用説など)はあつかいません。
理系選択で生物IIを選択し、さらにその中の選択の単元で生態系ではなく進化が開講された場合に、
ようやく進化学説を学ぶことができます。

まあ、そんなところですよね。僕の場合は高校でも遺伝はやっても進化までは習いませんでした。結局どうしたかというと、図書館に行って自分で本を探して読んでいました。まだ右も左もわからない頃で、「現代によみがえるダーウィン」を読んでちんぷんかんぷんだったりしたのが懐かしいです(今思えば裸でエベレストに登ろうとするようなものだった)。
ちなみに、大学でも余り状況は改善されないと思っています。個人的な話になりますが、僕の大学での集中講義のこと。植物の進化の話で講師の先生が「赤の女王って知ってますか?」と質問して、手を挙げたのがなぜか僕一人。100人以上いてなぜか1人。周りを見渡しても誰も手を上げない。ええ、自分が空気を読まないアホになったかと、思わず冷や汗がでましたとも。その後、それなりに生物に詳しい友人(一緒にその講義を受けてた)に「赤の女王って知ってるよね?」と聞いても「オレ知らん」と返ってきたのはなかなか衝撃的でした。一応、僕が通っているのは農学部ですが、なかなか僕レベル以上の人は同年代ではみません。さすがに院まで行けばそういうことはないですが(っていうかそこまでいけばほぼプロだし)。
こんな感じで、生物系の大学に行ったとしてもきちんと進化生物学について学べるのか、知識をアップデートする機会があるかどうかはちょっと疑問です。
当人の学ぶ気は置いておくとしても、はっきり言って、教授や講師の熱意やレベルにも左右されますしね。うちの大学だと、1人とても熱意のある教授がいて、その人がある程度は教えています。・・・まぁ、それでも扱う分野が大きすぎて全て教えるのは無理ですけど(基礎を全てとなったらダーウィニズムと中立説だけで授業が確実に2コマできる)。

ちなみに進化生物学でいう赤の女王というのは寄生者とその宿主といった進化的軍拡競争と有性生殖の利点に関する仮説です。
(続くかな?)