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官房長官、名を変えて  繁忙長官と申しましょう

2016-07-10 18:30:00 | 編集手帳

7月8日 編集手帳

 

後藤田正晴さんが中曽根内閣で官房長官の頃である。
人事案件の説明で宮中に参じたとき、
昭和天皇からお尋ねがあった。
「忙しいようだね」
「はっ」
「とき に、どうなの…官房長官というのは、どういうことをするの?」

後藤田さんが著書で回想している。
重い役目の割には中身が外から見えにくい仕事である。
安倍政権を支える菅義偉(すがよしひで)官房長官の在職日数が、
きのうで歴代最長1290日を数えたという。

東日本大震災時の枝野幸男氏(現・民進党幹事長)がそうだが、
官房長官が広く国民の耳目に触れるのは国難のときだろう。

菅氏の場合も、
国際テロ事件や北朝鮮のミサイル発射、
中国船による領海侵入などに際し、
険しい表情で記者会見をする姿をご記憶の方 が多いに違いない。

官房長官の経験者、
竹下登元首相に得意の戯れ歌がある。
〈今日も朝から打ち合わせ
 会議につづくまた会議
 そのうえ二度の記者会見
 官房長官、名を変えて
 繁忙長官と申しましょう…〉。
その役職にある人が“繁忙長官”の異名を奉られるのは概して、
国民生活の幸せな時代ではない。
願いは「四海、波静か」に尽きる。


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ネコと島民 共存を目指して

2016-07-10 07:30:00 | 報道/ニュース

6月23日 おはよう日本


瀬戸内海に浮かぶ香川県の男木島は
多くの猫が住むことで知られている。
人口約180人の男木島。
15年ほど前から野良猫が増え始めた。
島のいたる所で闊歩する猫は観光客に人気となっている。
ブームの火付け役の1つは
男木島の猫を紹介した雑誌の特集。
これをきっかけに静かだった島には
猫目当ての観光客が押し寄せるようになった。
(観光客)
「自由な感じがいい。
 すごく癒されます。」
ところが住民にとっては猫は悩みの種である。
漁師は猫に食いちぎられた網を縫い合わせる作業に追われるようになった。
魚の匂いがついた網を猫がかじってしまうためである。
「一番ショックが大きいのは網の底の端。
 これ全部 もうこんなん全部。」
猫の糞尿も問題になっている。
「ふんがすごい。
 畑はトイレみたいなもの。
 猫は天敵みたいなもんよ。」
地元の自治会の木場健一会長は
観光客を呼び込む猫を島の活性化に生かしたいと考えていた。
簡単には地元の人の理解を得られない。
(男木コミュニティ協議会 木場健一会長))
「今のところは猫への拒絶反応というか
 島の人たちが今まで迷惑ばかりかけられていたので
 すぐにというわけにもいかないと思う。
 だけどこれがだんだん猫も悪いことをしなくなったり
 臭いや鳴き声もしなくなったりしたら
 島の人の意識も変わってくると思う。」
そこで木場さんは動物愛護団体と相談して
“地域猫”という取り組みを進めることにした。
野良猫が問題となっている地域の多くでは
住民それぞれが勝手に猫にエサをやっている。
猫は増える一方で被害が広がる。
“地域猫”は地域でエサやりの場所や時間を決め
それ以外の場所ではエサをやらないようにする。
また去勢や不妊の対策を行い
猫を地域でしっかりと管理する。
木場さんたちはまず数も把握できていなかった野良猫を捕まえようと
約200台の罠を島中に仕掛けた。
そして去勢、不妊の手術をすることで猫を増やさないようにする。
猫の繁殖を食い止めることが“地域猫”の第一歩となる。
さらに木場さんは古い家を“地域猫”の拠点とすることにした。
この場所で決まった時間にエサを与えるほか
観光客が猫を見られるように整備することも考えている。
(男木コミュニティ協議会 木場健一会長)
「将来的には動物と人間が共存できる島。
 子どもたちにもそういう環境の方がいいと
 僕自身は思っている。
 猫たちが好き勝手するのではなく
 猫も人間も心癒せるような島になったらいい。
 理想ですね。」
野良猫を“地域猫”に変えて
島の活性化につなげることが出来るか
島の新しい挑戦が始まった。


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