6月28日 キャッチ!
アメリカとの国交回復によって観光業などの急成長が見込まれるキューバ。
6月初め JETORO日本貿易振興機構の呼びかけで
大手から中小企業まで約30社総勢40人余の日本人ビジネスマンがキューバに集まった。
向かった先は首都ハバナで開かれたキューバ政府とJETROが主催する商談会である。
今後ビジネスチャンスが生まれると期待し
キューバの国営企業と現地のビジネス事情を熱く語り合う。
冷凍機メーカー 前川製作所メキシコ支店長 小倉匡貴さんは
キューバに支店の解説を計画している。
「現地でこうやって対面して話をして
何が必要で何が問題なのかを聞かないと
それにマッチした提案もできない。
現地にいることが需要。」
経済成長に伴い需要の増大が見込まれる産業用の冷凍庫。
視察の合間をぬい
小倉さんは冷蔵倉庫を運営する国営企業に向かった。
しかしこれまで使われていた冷凍機3台のうち2台は
部品や制御盤が壊れるなどして止まったまま放置されていた。
(キューバ国営企業 アルベルト・ゴンザレスさん)
「この機会は部品が無くなっています。
取り外してまだ動いている別の機械に取りつけたからです。」
ブラジルから輸入した鶏肉を保管している冷凍庫。
本来はマイナス18度で冷やせる能力があるが
老朽化や管理の悪さから温度が下がりきっていない。
(前川製作所 メキシコ支店長 小倉匡貴さん)
「マイナス12度。
もうちょっと低くないといけないと思います。」
(キューバ国営企業 アルベルト・ゴンザレスさん)
「老朽化が進んでいるので設備のリニューアルを考えています。
いずれ新しい冷凍機も必要になると思います。」
配管など古くなった設備を買い替えてもらえればビジネスになると考えた小倉さん。
ライバルのアメリカ企業が進出する前に先手を打ちたいと思っている。
(前川製作所メキシコ支店長 小倉匡貴さん)
「アメリカ企業がキューバに入ってくる前に地ならしをしておかないと
同じスタートラインでは勝てないので。
日本企業ありきというプレゼンスを
キューバ市場に日本企業全社を挙げて作っていければ。」
キューバに物を売るのではなく
その独特の文化を日本に紹介してビジネスにつなげようと考えている日本企業がある。
ハバナにあるライブハウスを訪れたのは
アトス・インターナショナル代表取締役 城水千明さん。
衛星のCS放送で音楽専門のチャンネルを運営し
世界の音楽を紹介している。
マンボやルンバを生み出し
ノリの良い音楽で知られるキューバ音楽。
教育費が無料のため
音大で専門の技能を身に付けたミュージシャンが多く
演奏のレベルが高いことで知られている。
(アトス・インターナショナル代表取締役 城水千明さん)
「音が厚みを持って壁のようにこっちに迫ってくる。
テクニックと濃さ。
どこでやっている音楽でもここまで厚いのか。
層が厚いというか濃いことを本当に実感します。」
城水さんはキューバの曲を紹介する権利を得ようと
1,500曲の著作権を持っているキューバの国営企業と交渉。
契約に向けて今後連絡を取り合うことを約束した。
(アトス・インターナショナル 城水千明さん)
「日本でもニーズのある音楽をうちのチャンネルで紹介できる。
心強くなった。」
その一方で社会主義国でビジネスを展開する難しさも明らかになってきている。
新たに設けるハバナ支店の候補地を探す前川製作所の小倉さん。
キューバはインフラ整備の遅れが深刻で
多くではインターネットすらまともにつながらない。
条件の合う物件はすでに外国企業が契約済み。
唯一残った部屋は家賃が月々20万円以上に高騰し
予算をオーバーする状況だった。
(前川製作所メキシコ支店長 小倉匡貴さん)
「仕事はたくさんあるが
仕事に結びつけるまでの
契約だが
ちゃんと集金が出来るのかどうか調査もしなければいけない。
手探りをしながら。」