6月16日 おはよう日本
5月下旬にブルガリアのバラの産地カルロボで開かれた100年以上も続く祭り。
郊外のバラ畑が会場となり
来場者はバラ摘みを体験することができる。
ブルガリアの国内にはさらに大きい規模のバラ祭りがあるが
近年 より親しみやすいこのカルロボの祭りも人気があり
観光客が訪れるようになったという。
祭りのハイライトは
コンテストで選ばれた「バラの女王」のお披露目。
ドレスの色はやはり美しいバラ色。
街の中心部では華やかな伝統舞踊が披露され
今年のバラの収穫を街中で祝った。
(祭りの参加者)
「歌って踊って楽しかった。
皆このバラ祭りが大好きです。」
(日本人観光客)
「民族衣装がキレイでかわいくて
とても楽しい思い出になりました。
バラの香りがいい香りでした。」
カザンラクにあるバラの博物館。
この地域のバラづくりの歴史を学ぶことができる。
(広報担当者)
「暗所で密閉していればバラの香りは消えません。
本当にすごいです。」
この地域は冬でも比較的温暖な気候や土壌がバラの栽培に適しているとされ
300年以上にわたってバラ産業が続いてきた。
(広報担当者)
「栽培や花摘み
ローズオイルの生産に至るまで
何千もの地域の人々がバラの恩恵にあずかっています。」
香水に使われるローズオイルに加え
石鹸やお酒などを生み出すバラは地域を支える重要な資源となっている。
今収穫の最盛期を迎え花の香りに包まれるバラの谷。
バラ農家のツベタン・チェルベンコフさん。
先祖代々受け継がれてきたバラ栽培を40年以上にわたって続けてきた。
バラの種類はダマスク・ローズ。
花が小ぶりだが香りはとても優雅である。
花摘みは午前4時ごろから昼頃まで家族総出で行う。
日差しを長く受けると香りの成分が蒸発してしまうためである。
しっかりと開いた花のみを摘むため機械は使えない。
チェルベンコフさんが収穫するバラは1か月で約3トン。
大変な作業だが
チェルベンコフさんたちの表情は晴れやかである。
(バラ農家 ツベタン・チェルベンコフさん)
「とても疲れますが
この地域ならではのモノ作りに誇りを感じます。」
集められたバラの花は重さを測って工場へ出荷される。
作業するのは実はカルロボの村長 マノ・マノフさんである。
この時期は作業を手伝うことにしているという。
(村長 マノ・マノフさん)
「仲間の顔は皆うれしそうです。
楽しい仕事をして収入も得られますからね。」
収穫されたバラは地域の加工業者に運ばれる。
ローズオイルを抽出する蒸留所。
1kgの抽出に必要なバラは3,5~5トン。
蒸留所はこの時期 24時間体制で作業にあたっている。
蒸留所のオーナー フィリップ・リシィチャロフさん。
100年以上続けてきたこの仕事を守っていかなければならないと強く感じている。
(蒸留所オーナー フィリップ・リシィチャロフさん)
「バラ産業は地域唯一のもので
収穫期には多くの人が働けます。
これを引き継ぐのが使命です。」
温かい日差しのもとバラの谷に咲いた可憐な花。
やさしい香りの中で誇りを持って働く地元の人々の姿があった。