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地域の伝統産業をヨーロッパに売り込め

2016-07-11 07:15:00 | 報道/ニュース

6月24日 おはよう日本


デザイン家具の最先端の地
イタリア ミラノで4月に開かれた
世界最大のインテリアショー「ミラノ・サローネ」。
ここに美濃焼きや飛騨の家具など
岐阜県の伝統的な産業の製品が並んだ。
1つの生活空間をイメージした会場には
有名メーカーのバイヤーや雑誌社などが訪れ
大口の契約が成立していった。
この展示会への出展を仕掛けたのは岐阜県である。
中小企業の海外展開を支援するなかで
ヨーロッパの高い壁をどうしたら打ち破れるのか
苦戦してきた。
(岐阜県海外戦略推進室 加藤英彦係長)
「岐阜県内の企業が素晴らしい商品を作っても
 ヨーロッパの場合
 輸送代、コストがかかる。
 ブランドイメージ 知名度が高いかと言うと
 そうではなかったので苦戦してきた状況。」
そこで岐阜県が注目したのがディストリビューターと呼ばれる現地の卸業者である。
ディストリビューターは日本の卸業者とは違い
独自にメーカーの製品開発にかかわり
各地のショップに商品を売り込む。
複数のディストリビューターにパイプを持つ人はいないのか。
目をつけたのがスイス人デザイナー パトリック・レイモンドさんである。
レイモンドさんは
ルイ・ヴィトンやブルガリなど世界の名だたる高級ブランドのデザインを手掛けている。
伝統産業に可能性を感じ
岐阜県からの依頼を引き受けた。
(パトリック・レイモンドさん)
「素晴らしい日本の技術を知ってデザイナーとして刺激を受けた。
 商品開発を一緒にできるのを楽しみにしている。」
今回獲得した契約にもレイモンドさんの人脈が生かされた。
(岐阜県海外戦略推進室 加藤英彦係長)
「著名デザイナーには有力なディストリビューター バイヤーが身近にいる。
 著名デザイナーといい商品を作って
 さらにディストリビューター バイヤーに正しいアプローチをすれば
 非常に成功する確率は高くなる。」
その最初の成功例が高山市の高級家具メーカーである。
かつてアメリカ進出を試みたがリーマンショックで撤退。
一昨年から台湾や中国とは一定の取引を始めたが
ヨーロッパの市場は開拓できていなかった。
(飛騨産業 営業企画室 森野敦室長)
「イスやテーブルはヨーロッパ アメリカから入ってきた文化なので
 その大元で勝負したい。」
レイモンドさんはこの会社の製品と技術はヨーロッパでも十分通用すると評価した。
特にほれ込んだのは国産スギの新しい素材である。
スギの木を約3分の1まで圧縮する独自の技術で
美しい木目と強度を併せ持った素材に仕上げる。
(パトリック・レイモンドさん)
「ここでしか作れないもの。
 この特別なスギ材を使うのはわくわくする。」
会社はレイモンドさんのデザインをもとに
この素材を使って新しいテーブルとイスを開発した。
ミラノでの展示会に出したところ
イタリアの高級ブランドと組んで世界各地に展開することが決まったのである。
(飛騨産業 営業企画室 森野敦室長)
「ブランドとしてワンステップ上がる。
 価値あるところと仕事ができる。
 大変喜んでいる。」
県は他の産業にも販路を広げる方針である。
(岐阜県海外戦略推進室 加藤英彦係長)
「レイモンドさんから関の刃物に興味を持ったという話をもらっている。
 より多くの県内企業に一歩踏み出せるよう
 県として支援ができればと考えている。」
岐阜県は他にも刃物や和紙、焼き物といった伝統産業も
今回のように流通に着目した方法でヨーロッパに売り込むことにしている。




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