日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

動物や植物に学ぶ最先端技術

2016-07-27 07:15:00 | 報道/ニュース

7月8日 キャッチ!


生物模倣技術(バイオ・メティクス)
生き物の景観や機能をヒントに
物づくりや技術開発に応用することを指し
いま世界的に注目されている。
例えば
服や医療用の固定ベルトなど様々な用途で使われている面ファスナーは
「くっつきムシ」とも言われる植物オナモミの実からヒントを得たものである。
新幹線500系は
トンネルに入る際の空気抵抗で発生する騒音を防ぐため
カワセミのくちばしに似せている。
カワセミは水に入るときに水しぶきをほとんどあげないことから考えられた。

泥水をかけてもまっさらなシャツ。
シャツが液体をはじいた。
ハスの葉とまさに同じである。
競泳用の水着はサメの皮膚から。
車の衝突回避しシステムは
決してぶつかり合うことのない魚の群れが発想のもととなっている。
電気を使わない照明はクラゲからヒントを得た。
多くの企業が動物や植物が持つ驚くべきメカニズムを取り入れている。
ドイツのボンに住むウィルヘルム・バースロット教授は
40年にわたり撥水性のあるハスの葉を研究している。
水が葉っぱの上に残らない「ロータス(ハス)効果」と呼ばれるものである。
(ボン大学 生物学研究 ウィルヘルム・バースロット教授)
「葉っぱの表面はなめらかではなく
 山や谷が連なっているような形態をしている。
 水滴は葉っぱの表面全体には接触せずに
 わずかに先端部にとどまるだけ。」
この特別な形態を応用して撥水性のある液体が開発され
実際 工事現場などで使われている。
その液体で加工されている靴。
ハンカチやワイシャツにも使われている。
教授はこの撥水性を新たな分野に活用しようとしている。
(ウィルヘルム・バースロット教授)
「船の先端にこの特性を持たせることができれば
 水の抵抗が3分の1に減少して
 燃費の大きな節約につながる。」
ブラザさんも燃費の節約で環境を守りたいと考えている。
ブラザさんは新世代の飛行機の翼を研究している。
開発にあたって熱心に観察したのは鳥の翼である。
(トゥールーズ流体学研究所 マリアナ・ブラザ研究員)
「猛禽類の鳥はさまざまな大きさの羽から成る複雑な翼を持っている。
 彼らはその翼を賢く使って効率の良い飛行をしている。」
ワシの翼の先についた羽は音を一切立てない。
獲物に向かって急降下して行くときに役立つ。
ブラザさんの研究チームは
猛禽類の翼の動きを参考に
飛行機の翼の新たなシステムを考案した。
(学生 グルヴァン・ジョダンさん)
「後ろの部分は鳥が筋肉を使って翼の形を変えるのと同じようになっている。
 そして先端の部分は鳥の羽と同様に上下にふるえる。」
離陸と着陸の際の騒音を軽減するだけでなく
燃料も現行より1%節約できるという。
エアバスは2020年にこの翼で初の飛行試験をする予定である。
生物模倣技術の可能性は無限である。
例えば
なぜクモがあれほど丈夫な巣を作れるのか。
科学者がその糸の秘密をつきとめた。
クモの糸は縮むときにねじると
粘り気のある水滴のようなものを形跡する。
糸を丈夫にしているこの機能を再現できれば
壊れないロボットや
筋肉の繊維としても使えるかもしれない。
生物模倣の分野に乗り出している企業は少なくない。
古い兵舎は10ヘクタールもの広さを持つ研究センターに生まれ変わる。
数年後には世界中の企業関係者や研究者が集うことになる。
生物模倣には輝かしい未来がある。
多くの先端技術がすでに私たちの目の前にある。 


コメント