7月6日 キャッチ!
インドネシアの首都ジャカルタ。
経済成長とともにジャカルタの道路は車やバイクであふれている。
しかし脇に目を向けると
今も多くのストリートチルドレンが暮らしている。
親が貧しかったり親から見捨てられたりして
路上で生活を送る子どもたち。
物乞いや歌を披露して得られるわずかな金で生活している。
その多くは学校に通えず教育を受けられないことから
大人になっても就職は難しいという。
こうした子どもたちの自立を支援する活動が進められている。
地元のNPOは街をまわり
施設での生活を希望する子供を保護している。
今施設で生活している子どもは約60人。
食事を無料で提供し
子どもたちに勉強も教えている。
2人の姉妹と一緒に施設で生活している エルサマ・ルマレシルさん(16)。
両親は収入が少なく
12歳から3年間路上で暮らしていた。
(エルサマ・ルマレシルさん)
「路上生活をしていたとき将来を考えたら嫌になったので
今の生活に決めました。」
ルマレシルさんは施設の一角にある工房で
今年5月から職業訓練を受けている。
4年前にできたこの工房では
中学を卒業する年ごろの子どもたちに1年半にわたって物づくりのノウハウを教えている。
子どもたちが向かたのはゴミの集積場。
拾ってきた空きビンやペットボトルのふたなどを再利用する。
ペットボトルのふたを溶かして固めたものを文字盤にして時計を作る。
指導を受けながら機械の使い方や手順を学んでいる。
ペットボトルのふたを利用した時計。
空きビンを活用した楊枝入れ。
漁業用のランプを使った花びん。
製品はジャカルタの他オーストラリアやホースとラリアやヨーロッパにも輸出され
売り上げはこの2年で3倍以上に増加した。
売り上げは施設の運営費の他
子どもたちの将来の夢を実現するための蓄えにも充てられる。
(工房の責任者)
「子どもたちはみな可能性を秘めています。
ここで学び
仕事に責任を持てるようになってほしいのです。」
ルマレシルさんも工房でのものづくりを通して夢を持った。
それはカメラマンになること。
(エルサマ・ルマレシルさん)
「お金を貯めてカメラを買いたいです。
自分の写真の才能を伸ばしたいです。」
ジャカルタにある高級ホテルのレストラン。
工房の製品を購入してきた。
17歳の少年は工房での経験がかわれ
このレストランのパン職人として採用された。
(工房出身のパン職人)
「パン作りは工房で経験したことと似ています。
ガラスやプラスチックで物を作った経験が生きているのです。」
過酷な環境に生まれながらも未来を切り開く努力を続ける子どもたち。
夢の実現に向けて今日も工房に向かう。