日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

中国と台湾 分断と対話の歴史

2014-02-19 08:00:00 | 報道/ニュース
2月13日 ワールドWaveモーニング

これまで大きく揺れ動いてきた中国と台湾の対立と対話の歩み。
互いの主権を認めていない中国と台湾の間で対話が始まったのは台湾が李登輝政権の時代。
双方が設立した民間の窓口機関の代表が1993年に初めて会談を行った。
しかしその3年後に台湾で初めて行なわれた住民の直接投票による総統選挙などをめぐり中国が「台湾独立の動き」だと反発し
台湾近海でミサイル演習を繰り返すなど中台間の緊張が高まった。
台湾の李登輝政権の後半から独立志向の強い民進党の陳水扁政権にかけて対話はいったん途絶える。
2008年 国民党の馬英九総統が就任。
中国と経済面で関係強化を図るため窓口機関による対話を復活させ
この枠組みのもとで双方の間に直行定期便の就航や中国人観光客の台湾訪問などが次々に実現した。
さらに中国とのFTA自由貿易協定も締結し
今では台湾の輸出のうち中国・台湾向けが全体の約4割を占めるなど中台の経済一体化が進んでいる。
一方 中国の習近平国家主席は台湾の対岸の福建省で17年間の経験を積んだこともあって台湾の事情にも通じているとみられている。
去年10月のAPECアジア太平洋経済協力会議で台湾の代表と会談した際には
長期にわたる政治的な対立を次の代に引き継ぐわけにいかない
と述べた。
将来の中台統一に向けて台湾側を早期に協議に引き込みたい思惑が指摘されている。
これに対して台湾側は政治協議には消極的だが
対話を拒むと中国との経済連携も行き詰りかねないというジレンマを抱えている。
台湾が今回の閣僚級会談に踏み出した背景には台湾経済の低迷や
中国への依存が高まるなか中国と幅広く関係を強化することも欠かせないという判断もあったものと考えられる。

今年秋に北京で開かれるAPECアジア太平洋経済協力会議に注目が集まっている。
台湾側は中台統一につながるような政治協議には消極的だが
北京のAPECに馬英九総統が出席し習近平国家主席と会談することは望ましいという意向は示している。
背景にはこれまで中国が拒否してきたAPECへの総統の出席が認められ
台湾の存在感をアピールできれば外交上大きな特典になるという思惑がある。
一方の中国は馬英九総統の出席を受け入れるのであれば台湾から何らかの譲歩を引き出したい考えである。
仮に中退のトップ会談が実現すれば歴史的な意義を持つことになるだけに双方の駆け引きは今後も続くことになる。

日本と中国の関係は改善の兆しが見えないが
日本と台湾の関係は良好な関係が続いている。
日本と台湾は去年4月に尖閣諸島の周辺海域を対象とする漁業取り決めを締結していて
台湾は尖閣諸島の領有権をめぐって中国と連携する考えはないとしている。
日本やアメリカにとって中台が接近しすぎることは気がかりだが
台湾の安全保障上の後ろ盾はあくまでアメリカで
日本とも強い経済的なつながりがある。
台湾は経済の中国依存がすすむなかでTPP環太平洋パートナーシップ協定など経済連携の枠組みに参加したい意向も示していて
各国との関係がぎくしゃくしないようバランスをとっていくと思われる。
ただ中国側は再来年の台湾総統選挙で政権交代が起こる可能性も見据え
残り2年余りとなった馬英九総統の任期中に政治協議につながる成果をあげたい考えで
中国が今後どれだけ攻勢をかけてくるか注目される。




コメント