2月2日 NHK海外ネットワーク
タイで続く混乱は何がきっかけで始まったのか。
キーマンとなっているのは元首相のタクシン氏。
タクシン氏をめぐっては親族による不正な株の取引が明るみに出たことをきっかけに退陣を求めるデモが相次ぎ
2006年 軍のクーデターで国を追われた。
今の首相のインラック氏はタクシン氏の妹である。
タクシン派は農村部に強固な支持基盤を持っている。
タクシン氏が追放された後の選挙で勝利してきた。
これに対し都市部ではタクシン派への不満が高まりバンコクで大きな暴動に発展したこともあった。
そして去年の秋
インラック首相が兄のタクシン氏の帰国に道を開く法案の成立を目指したことから反政府デモが拡大し今に至る事態となった。
1月28日 政府が議会選挙を予定通り行うと発表した直後に反政府デモ隊の抗議行動は一段と激しさを増した。
デモを主導してきたステープ元副首相も駆けつけ選挙の延期に応じようとしない政府の対応を厳しく非難した。
(ステープ元副首相)
「タクシンかいらいのインラック政権を倒すため抗議を加速させなければならない。」
プラモート・スワンケーウさん(36)は運輸相に勤務する官僚。
10年間 国の行政に携わってきたが
タクシン派の政権のもとで農村への露骨な利益誘導など政治の腐敗が目に余るようになったと感じ国の将来を憂えてデモに参加するようになった。
(プラモート・スワンケーウさん)
「今の政府は票を買って権力を維持してきた。
政治を改革したうえでの選挙でなければならない。」
プラモートさんが普段働いている運輸省の建物のまわりはデモ隊のテントが設けられ人が入れないようになっている。
プラモートさんは職場から書類を持ち出しバンコクの大学の図書館などで仕事を続けている。
(プラモート・スワンケーウさん)
「腐敗の実態を知っているから公務員のかなりの部分がデモに参加している。
国民のためになることをすることこそ公務員の仕事だ。」
インターネットのフェイスブックではデモに参加したときの様子を積極的に発信している。
デモの比には200件を超える反応があった。
プラモートさんは今のタイが抱える問題は選挙では解決できないと考えている。
(プラモート・スワンケーウさん)
「選挙を行なえるような状況ではない。
民主的な選挙というのはすべての人々のために国を発展させるのが目的。
今の政権に同じことを繰り返させるためではない。」
反政府デモ隊を資金面で支えてきたのが大企業を含めたビジネス界の人たちである。
タイでも有数の不動産開発会社社長のソンクラーン・イッサラさん。
プーケットなどのリゾート地で大きなホテルなどの開発を手掛けてきた。
会社の年間の売り上げは60億円余にのぼる。
選挙よりも腐敗をなくすことが先決だという主張に賛同しデモ隊を支援してきた。
(ソンクラーン・イッサラさん)
「デモ隊は多くの資金が必要。
さまざまな支援が何よりも重要。
食料を届けに行ったこともある。」
ソンクラーンさんはしばしば抗議行動の現場で直接ステープ氏を激励してきた。
(ソンクラーン・イッサラさん)
「彼こそ国のことを思っている人物だ。」
1月にソンクラーンさんの会社が入っている高層ビルの窓に銃撃を受けたのではないかという跡が見つかった。
この件を報じた地元の新聞は
銃撃だとすればソンクラーンさんがデモを支持していることと関係があるのではないかと指摘している。
農村ばかりを手厚く保護するタクシン派の政権が続けば自分たちの経済的な権益が脅かされかねない。
ソンクラーンさんは懸念を募らせている。
(ソンクラーン・イッサラさん)
「タイの市民として正しい道を選びたい。
企業と同じで信頼をなくしたら何もできない。
堂々と行われる不正や違法行為で信頼が失われている。」
タイで続く混乱は何がきっかけで始まったのか。
キーマンとなっているのは元首相のタクシン氏。
タクシン氏をめぐっては親族による不正な株の取引が明るみに出たことをきっかけに退陣を求めるデモが相次ぎ
2006年 軍のクーデターで国を追われた。
今の首相のインラック氏はタクシン氏の妹である。
タクシン派は農村部に強固な支持基盤を持っている。
タクシン氏が追放された後の選挙で勝利してきた。
これに対し都市部ではタクシン派への不満が高まりバンコクで大きな暴動に発展したこともあった。
そして去年の秋
インラック首相が兄のタクシン氏の帰国に道を開く法案の成立を目指したことから反政府デモが拡大し今に至る事態となった。
1月28日 政府が議会選挙を予定通り行うと発表した直後に反政府デモ隊の抗議行動は一段と激しさを増した。
デモを主導してきたステープ元副首相も駆けつけ選挙の延期に応じようとしない政府の対応を厳しく非難した。
(ステープ元副首相)
「タクシンかいらいのインラック政権を倒すため抗議を加速させなければならない。」
プラモート・スワンケーウさん(36)は運輸相に勤務する官僚。
10年間 国の行政に携わってきたが
タクシン派の政権のもとで農村への露骨な利益誘導など政治の腐敗が目に余るようになったと感じ国の将来を憂えてデモに参加するようになった。
(プラモート・スワンケーウさん)
「今の政府は票を買って権力を維持してきた。
政治を改革したうえでの選挙でなければならない。」
プラモートさんが普段働いている運輸省の建物のまわりはデモ隊のテントが設けられ人が入れないようになっている。
プラモートさんは職場から書類を持ち出しバンコクの大学の図書館などで仕事を続けている。
(プラモート・スワンケーウさん)
「腐敗の実態を知っているから公務員のかなりの部分がデモに参加している。
国民のためになることをすることこそ公務員の仕事だ。」
インターネットのフェイスブックではデモに参加したときの様子を積極的に発信している。
デモの比には200件を超える反応があった。
プラモートさんは今のタイが抱える問題は選挙では解決できないと考えている。
(プラモート・スワンケーウさん)
「選挙を行なえるような状況ではない。
民主的な選挙というのはすべての人々のために国を発展させるのが目的。
今の政権に同じことを繰り返させるためではない。」
反政府デモ隊を資金面で支えてきたのが大企業を含めたビジネス界の人たちである。
タイでも有数の不動産開発会社社長のソンクラーン・イッサラさん。
プーケットなどのリゾート地で大きなホテルなどの開発を手掛けてきた。
会社の年間の売り上げは60億円余にのぼる。
選挙よりも腐敗をなくすことが先決だという主張に賛同しデモ隊を支援してきた。
(ソンクラーン・イッサラさん)
「デモ隊は多くの資金が必要。
さまざまな支援が何よりも重要。
食料を届けに行ったこともある。」
ソンクラーンさんはしばしば抗議行動の現場で直接ステープ氏を激励してきた。
(ソンクラーン・イッサラさん)
「彼こそ国のことを思っている人物だ。」
1月にソンクラーンさんの会社が入っている高層ビルの窓に銃撃を受けたのではないかという跡が見つかった。
この件を報じた地元の新聞は
銃撃だとすればソンクラーンさんがデモを支持していることと関係があるのではないかと指摘している。
農村ばかりを手厚く保護するタクシン派の政権が続けば自分たちの経済的な権益が脅かされかねない。
ソンクラーンさんは懸念を募らせている。
(ソンクラーン・イッサラさん)
「タイの市民として正しい道を選びたい。
企業と同じで信頼をなくしたら何もできない。
堂々と行われる不正や違法行為で信頼が失われている。」