2月19日 ワールドWAVEモーニング
ドイツの1950年代以降の20歳~64歳までの労働力人口の推移をみると
1995年をピークに減少傾向が続き今後15年間で600万人以上も減る見通しである。
このためドイツでは労働力をいかに確保していくかが重要な課題となっている。
ドイツを代表する大手自動車メーカー BMW。
世界各国に10万人以上の社員を要する巨大企業が悩まされているのが従業員の高齢化である。
BMWの試算によると6年後の2020年に50歳以上の従業員が全体の40%に達する見通しである。
熟練の従業員の雇用を守りつつ生産性を保つにはどうすればよいのか。
会社は対策に乗り出している。
生産ラインの一角に設置された椅子は上下左右に自在に動いて座ったままで作業を進めることができる。
椅子に座ったまま車体の内部に入り込んで部品の取り付けをすることができる。
体の大きな負担になる体の上下運動を減らすのが狙いである。
腰をかがめずに済むように部品を入れる棚や生産ラインはボタンひとつで高さを調整。
作業場は足腰への衝撃を和らげるために木製の床にしている。
(熟練従業員)
「以前は体への負担もありましたが今は随分楽になりました。」
生産ラインでは同じ作業を繰り返すと体の特定の場所に負担がかかる。
このため負担が偏らないよう作業内容をパソコンで管理している。
(BMW 業務行程改善部 W・クルツァーさん)
「たとえばある従業員が背中と腰に負担のかかる作業をした場合は
次は背中と腰に負担がかからない作業をします。」
勤続31年のベテラン社員のヤン・コルチョネクさん(54)は自動車の生産ラインを管理する現場責任者のひとり。
生産ラインでトラブルが発生すると現場にかけつけて若手の従業員をサポートし
全体の作業バランスを見ながら個々の作業にも目を光らせている。
コルチョネクさんはシフトの合間の休憩時間には工場内に設置されたジムに向かう。
ジムには体操の指導員が常駐しそれぞれの従業員の健康状態に合わせて指導を行っている。
(指導員)
「従業員の健康を維持し病気を防ぐことが私たちの最大の指名です。」
(従業員 コルチョネクさん)
「私たち熟練従業員の立場に立った対策が取られ環境が良くなりました。
退職する時まで今のような体の状態でいられたらうれしいです。」
BMWによると1万人以上の従業員がすでにこのプログラムが導入された生産現場で働き
いずれの現場からも生産性が落ちることなく作業の正確さが向上したという報告が寄せられているということである。
(BMW 人材育成部 J・フライ部長)
「すべての従業員が元気に年を重ねてくれることが何よりも大切です。
従業員こそが私たちの成功の基礎になるのですから。」
一方 すでに定年退職した従業員に再び活躍する場を提供しようという動きも活発化している。
大手製薬メーカー バイエル。
この会社が導入したのは退職した高い専門性を持つ従業員を現場の最前線で働いてもらう取り組みである。
シニアネットワークと名づけられ現在230人の元職員が登録している。
2年前に年金生活に入ったハルトムート・ショルマイヤーさん(62)は
この制度で現在も月に1週間ほどのペースで職場に戻って働いている。
20年以上にわたって電気機器を扱う職場の安全管理に携わってきたショルマイヤーさんは
電気技術者としての知識と経験を生かし職場にどのような危険が潜んでいるのかをチェックする。
気づいた部分は担当部署の部長に報告。
改善点を提案することで職場の安全性を高めるのがショルマイヤーさんの役目である。
(バイエル 安全管理部 M・ラング部長)
「経験が少ない私と全く違う視点を持つ彼の意見はとても貴重です。」
ショルマイヤーさんはドイツ国内だけでなく日本を含む海外の現場にも出張する。
第一線で働き続けられることに大きな喜びを感じている。
(ショルマイヤーさん)
「働き続けるのはお金のためではありません。
社会とのつながりを保つことが私には最も大切なことなのです。」
ベテラン従業員を少しでも長く元気に働いてもらおうという取り組み。
企業と従業員の双方に利益をもたらすとしてドイツで今後も広がりそうである。
ドイツの1950年代以降の20歳~64歳までの労働力人口の推移をみると
1995年をピークに減少傾向が続き今後15年間で600万人以上も減る見通しである。
このためドイツでは労働力をいかに確保していくかが重要な課題となっている。
ドイツを代表する大手自動車メーカー BMW。
世界各国に10万人以上の社員を要する巨大企業が悩まされているのが従業員の高齢化である。
BMWの試算によると6年後の2020年に50歳以上の従業員が全体の40%に達する見通しである。
熟練の従業員の雇用を守りつつ生産性を保つにはどうすればよいのか。
会社は対策に乗り出している。
生産ラインの一角に設置された椅子は上下左右に自在に動いて座ったままで作業を進めることができる。
椅子に座ったまま車体の内部に入り込んで部品の取り付けをすることができる。
体の大きな負担になる体の上下運動を減らすのが狙いである。
腰をかがめずに済むように部品を入れる棚や生産ラインはボタンひとつで高さを調整。
作業場は足腰への衝撃を和らげるために木製の床にしている。
(熟練従業員)
「以前は体への負担もありましたが今は随分楽になりました。」
生産ラインでは同じ作業を繰り返すと体の特定の場所に負担がかかる。
このため負担が偏らないよう作業内容をパソコンで管理している。
(BMW 業務行程改善部 W・クルツァーさん)
「たとえばある従業員が背中と腰に負担のかかる作業をした場合は
次は背中と腰に負担がかからない作業をします。」
勤続31年のベテラン社員のヤン・コルチョネクさん(54)は自動車の生産ラインを管理する現場責任者のひとり。
生産ラインでトラブルが発生すると現場にかけつけて若手の従業員をサポートし
全体の作業バランスを見ながら個々の作業にも目を光らせている。
コルチョネクさんはシフトの合間の休憩時間には工場内に設置されたジムに向かう。
ジムには体操の指導員が常駐しそれぞれの従業員の健康状態に合わせて指導を行っている。
(指導員)
「従業員の健康を維持し病気を防ぐことが私たちの最大の指名です。」
(従業員 コルチョネクさん)
「私たち熟練従業員の立場に立った対策が取られ環境が良くなりました。
退職する時まで今のような体の状態でいられたらうれしいです。」
BMWによると1万人以上の従業員がすでにこのプログラムが導入された生産現場で働き
いずれの現場からも生産性が落ちることなく作業の正確さが向上したという報告が寄せられているということである。
(BMW 人材育成部 J・フライ部長)
「すべての従業員が元気に年を重ねてくれることが何よりも大切です。
従業員こそが私たちの成功の基礎になるのですから。」
一方 すでに定年退職した従業員に再び活躍する場を提供しようという動きも活発化している。
大手製薬メーカー バイエル。
この会社が導入したのは退職した高い専門性を持つ従業員を現場の最前線で働いてもらう取り組みである。
シニアネットワークと名づけられ現在230人の元職員が登録している。
2年前に年金生活に入ったハルトムート・ショルマイヤーさん(62)は
この制度で現在も月に1週間ほどのペースで職場に戻って働いている。
20年以上にわたって電気機器を扱う職場の安全管理に携わってきたショルマイヤーさんは
電気技術者としての知識と経験を生かし職場にどのような危険が潜んでいるのかをチェックする。
気づいた部分は担当部署の部長に報告。
改善点を提案することで職場の安全性を高めるのがショルマイヤーさんの役目である。
(バイエル 安全管理部 M・ラング部長)
「経験が少ない私と全く違う視点を持つ彼の意見はとても貴重です。」
ショルマイヤーさんはドイツ国内だけでなく日本を含む海外の現場にも出張する。
第一線で働き続けられることに大きな喜びを感じている。
(ショルマイヤーさん)
「働き続けるのはお金のためではありません。
社会とのつながりを保つことが私には最も大切なことなのです。」
ベテラン従業員を少しでも長く元気に働いてもらおうという取り組み。
企業と従業員の双方に利益をもたらすとしてドイツで今後も広がりそうである。