心が壊れる前に

私は、ぐうたら人間ではあるが、働くこと自体は嫌いではない。

このひと月間もお天気の良い日は、家の片づけなどをやりながら過ごしてきたので、退屈はしているが、やることがないという状態ではなく、外仕事で汗を流す日が多かった。

働くことは嫌いではないが組織に属するということになると、特に人間関係で必要以上のストレスを感じるという厄介な人間なのである。

もちろん、多くの人がたくさんのストレスを抱え、それでも我慢してサラリーマンをやっているのは分かっているが、私の場合ちょっとそれが強いし、思いたち、その後がイメージできるとすぐに行動に移すことが多い。

自分の心の限界を分かっていて、もうだめだと思ったときに退避すると言えばかっこいいが、ようは区切りがついたところで、逃げ出すのである。

今回も10年以上かかったが、任された仕事で一定の形ができたと勝手に判断し、とっとと辞めてしまった。

他人が判断・評価してくれたのでということであれば、こりゃぁりっぱですね、けっこうですねということなのだろうが、私の場合、自分の尺度で判断し、自分で自分をほめて勝手に区切る。単なる自己中なのかもしれない。

人は、心が壊れ始めたり、折れ出したりすると、仕事そのものも、人間関係も上手くいかなくなる。
早い内に壊れて来ていることをしっかり自覚し、受け止めないと、本当に心が壊れ、生活全体が壊れてしまう。
自力では回復できなくて、自分の事だけでなく、どんどん周りとの関係も悪くなる。
そんな状況を何度となく身近に見てきた。

毎日の状態をしっかり把握し、そうならないように支えて行くのも上司や同僚の役目なのだろうが、現実は上司といえども自分のことで精いっぱい。
放置したり、上司そのものに原因があったりして、状況を悪くしてしまうことの方が多く、部下の目線で話しを聞き、助けてくれる人は少ないのではないだろうか。

しっかりした企業の正社員であれば、病休、休職で一時的に仕事を離れて復帰できる場合もあるが、心が完全に壊れてしまった場合、その多くは一時避難でしかない。

大きな企業であれば、職種はたくさんあるだろう。
でも、自分にできる職種、仕事はそう多くはないというのが現実だろう。
同じ環境に戻れば同じことの繰り返しだ。

良い条件の会社で、健康で定年までがっつり働き、再雇用で65歳まで勤務。
退職金3000万円。預貯金1億円。
年金満額受領。
たくさんの家族に囲まれ、地域の役員などしながらご隠居生活。
こうなればいい。
ちょっと心配なのは、残った財産分与で骨肉の争いなんてシナリオはあるが、自分のことでは心配ない。
でも、ほとんどの場合、こうはならない。

無職になっちゃうし、退職金なんてなし。
貯金もほんのちょっと。
家族もぱっとしない。
年金も期待できず。
これが現実！

貧乏でも、心の健康、体の健康だけは大事にしたいと思う。
これが、最後の財産だ。

今日の退職後の気持ち：辞めてせいせいした(^○^)
ストレスは適当にあった方がいいかな。