交通誘導のシルバーバイトで道路に立った回数が、3月末で千回をこえた。
かれこれ10年近く前に早期退職した当初は、家の片付けを中心に、週3、4日のペースで公園清掃のシルバーバイトを続けていた。
このバイトはストレスフリーで気に入っていたのだけれど、事業所の都合で撤退となり、パートのジイサンは予告手当をもらって、あっさりクビ。(笑)
そのあと、2019年2月5日から今の交通誘導のシルバーバイトに。
特にやりたい仕事でもなかったのだけれど、
「けっこう暇そうにしている人が多いし、自分にもあれくらいならできるかな?」
「あまりむずかしい縛りも資格も経験も必要なく、応募すればほぼ採用となるらしい」
というのが応募の動機。
要は、なにかで時間が潰れて、多少お小遣いがもらえる仕事なら何でも良かったのである。
ところがこの仕事、実際にやってみると、ただ一日立っているだけに見えた通行止めの現場は、退屈と暑さ寒さを我慢する罰ゲーム大会。
ほぼすることがないにもかかわらず、その場所付近から離れてはいけないという縛りはほんと辛い。
生真面目にじっと立っていると、足が棒になってしまい、帰宅してからのダメージ多大。
道路工事の片側交互通行の現場では、
トイレにもいけずに我慢大会。
お昼も食べられずに意気消沈。
暑さ寒さは我慢、我慢。
もう限界まで我慢!
おまけに渋滞しだすと警備員に「なんとかしろ!下手くそ!」と八つ当たりしてくる輩。
対向車が見えているはずなのに、片側交互通行の車線へ強引に入ってきてクラクションなどを鳴らす輩。
現場の怒鳴り散らす怖い作業員。
まだまだ上げれば切がないほどのストレス盛りだくさん。
草刈りでは、片側交互通行の状態を作りながら、日に10Km近くも歩かされる場合も。
体力いる〜〜!
「くるぶし減っちゃうよ」(笑)
そして極めつけは同僚に個性的な輩が少なからずいて、とても疲れるのである。(笑)
前半の2019年〜2022年くらいの間は、
「なんかもうちょっとだけ落ち着いた仕事探そうかな?」と何度も思っていたのだけれど、
通行止めの作業では托鉢僧になったつもりで、草刈りで歩き回るときは山行をしているつもりで、みなさんのストレスを受け止めるときは禅行のつもりで。
毎日が修行、勉強なんだと自分に言い聞かせた。
結果として、自分にとってのプチ『千日回峰行』
少し働く日々が達成きた。
振り返ると、「我ながらよくモッタ」とも思う。
生活が厳しいなら、体調が悪く辛くてもたくさん働かなければならないけれど、幸い、梅干し粥をススリながらでもなんとか生活できるベースがある。
これまでシルバーバイトをペースメーカーにして、あとは自分の体と時間とよく相談して、『今日用』『今日いく』のために、少し働く日々を続けてきたのはとても良かったと思っている。
面倒くさい同僚も多いけれど、結構たくさん知り合いもできた。
警察や学校の先生、きちんとした企業でそれなりに働いていたであろう人から、オイオイって感じの人まで、深入りしなければ本当に面白い。
また、建設業など、自分の知らなかった世界での出来事は結構興味深い。
随分DIYの幅も広がった。
その上、お気軽なバイトで月10万円以上のお小遣いがもらえるのだから申し分ない。
少ない元手で投資などをするより、働けば確実にお金が入ってくる。
損失で消えてしまうことはない。
最近は、仕事を始めたころの同僚がほとんどがいなくなってしまい新たな悩みも。
新しく入ってきた人から現場で頼られるのをひしひしと感じるのである。
意地悪はしないけれど、人間関係不得手だから、人に頼られるの苦手なんだよなぁ。(笑)
でも、人に自分の持っているもの、知っていることを伝える。役立ててもらう。
これも修行だな。
今お世話になっている会社には、定年はないという。
実際、80歳代の方もいる。
そこまではできないだろうけれど、体が続く限り『少し働く日々』は続けていこうか。