今の小さい子たちに言ったって「なにそれ?」っていわれて、だぶん分かる子は少ないんだろう『国鉄(JR)、電電公社(NTT)、専売公社(JT)』
昭和の中頃生まれの人が学んだ社会科の教科書に載っていた国策事業『三公社五現業』である。
明治維新以降の総決算として、当時のお上だった中曽根さんが「役割は終えた」と民意に問い、民営化に舵をきった。
各社あれから大変な企業努力をされて、公務員がやっていた官業は、今や世界と競争できる立派な民間企業に転身している。
民営化した当時の郵政さんよりもっと大変だと思える昭和の頃の国鉄さん。
線路、駅舎の土地問題。
労使関係はガチャガチャ。
なにより鉄道は明治以来の日の本のリーディングカンパニーであったという、そこで働く人々の意識の問題は根強くあったのだろう。
とりわけ経営側より、全国津々浦々に貼り付けられた現場の意識改革は大変だたろうと思う。
それでも、心ある人はたくさんいたんだね。
労務対応を断固たる決意でして、そのあと、Suicaシステムの開発など、駅を無人化する仕組みなどを開発。
これは画期的だった。
駅間ウォーキングなどで知る限り、田舎の無人駅もいつもきれいに整備されている。
運行状況をよく分析し、南房総での特急列車の各駅化。
利用者の少ない時間帯では、二両くらいにしての運転手さんによるワンマン化。
これなどは、銚子電鉄や小湊鉄道、いすみ鉄道の経営努力の影響かとも思う。
そういうのを取り入れる柔軟性も私的には「いいね!」
一方、都市部では官の発想ではできない駅開発で収益確保。
こんな大変な努力によって、鉄道で働く人とその家族の生活を守り、過疎地で暮らす人の生活の足を守って、株主にも配当金は配ってくれている。
「自立し社会のためになる事業」
これが企業の存在意義だろう。
JR久留里線の一部はバス運行等に切り替わるのが決まったようだけれど、ここまでやってくれた上で、行政からの負担を求め続けて運行を維持するのか、通学等で利用する人たちに有効な時間帯だけバスで代行するのかという選択をしたのだからこれは納得できるし、有り難い。
NTTグループ、JTも立派に日本を代表する民間企業に転身した。
一方で、郵便局ネットワークを維持するために公金を入れるという話は、どうにもこうにも違和感しかない。
将来に向けて国策として官業に戻すというなら、むしろNTTさんの一部、電気事業会社だと思う。
実際、70歳近い字田舎に住むジイサンでも、今や郵便局の窓口がなくなっても困らない。
最寄りの郵便局に行くくらい車で走れば、街のコンビニのATMがある。
私的にはガソリンが高いのと、老化で白内障が進んで数年後免許更新ができない恐れあるのがちと心配だけれど。(笑)
そこでは年末年始に、ご本家の旧特定郵便局の窓口がしまっているときでも、24時間年賀はがきも買えるし、ATMでお金の事務もできる。
今や振込、定期預金の組み換え、投資信託くらいならこのPCからでもできる。
こんな日常生活を支えてくれているのは、郵政ではなくNTTさんである。
また、ここ十年来の災害続きでの日々の生活で、電気の有り難さも身にしみた。
今後原発を使うなら、その管理技術、その先にあるまだ先の見えない核のゴミ処理の技術、廃炉の技術などなどの研究開発、同時にそれを担う技術者の育成。
まさに国策としやらなければならないし、一民間企業ではできないだろう。
通信、電力は将来に渡って国がしっかり責任を持ってほしいと思う。
日本郵政の新社長が就任するらしい。
旧郵政官僚出身だとのこと。
でも、私的にはとても期待している。
日本郵政という経営体の中にあるもう一つの圧力(経営)団体『特定局長会(インフォーマル)』は、お上のグループの選挙時の集票活動とリンクし、馴れ合いで経営に強い圧をかけている。
結果として中央の郵政経営層の組織改革が阻まれ、浸透せず、郵政民営化が今日のトホホになってしまった。
と、私的には見ている。
そんな現実を官僚の立場から20年近くずっと見てきた人のはずだ。
本丸で社長を中心とした経営会議の決定方針を全国津々浦々の現場管理者がBreak Downして、最末端のメンバーまでが従って企業理念を貫く組織。
これある意味、『当たり前品質!』だけれど、貫くには軋轢がすごい。(笑)
そんな組織改革ができるのは、ずっと前からの裏の事情を知っている旧郵政官僚しかないと思うのである。
これぞ最後の砦と期待している。
「お上のグループがやっているという『郵政民営化法改正法案』○か×か?」
私的には、「×」である。
そんなお金があるのなら、過疎の進んだ地方への交付金にしてほしい。
首長さんは直接選挙だから、みんなが見ている!
頑張れ!日本郵政!