「趣味は何ですか?」
「読書です。貯金通帳が愛読書です」
定期収入のある仕事を辞めてからの私は、こんな会話が半分ジョークで半分現実である。
残高グラフが決して右肩上りになることのない環境で、線の下がりをどうやって緩やかにするか、笑い話のようだけれども貯金通帳を眺めて考える時間も確かに多い。
今朝のラジオでメガバンク、三菱UFJ銀行が今後の口座開設にあたっては基本的には通帳を作らない方針だという話を聞いた。
もちろん希望すれば発行してくれるようだけれども、これから新規就職するような若い人にとっては通帳などよりスマホで残高確認ができる、そんな文化の方があっているのは間違いない。
とするといずれは通帳にこだわる私のような人間は年々少なくなってくる。
この流れは他銀行でも顕著で多少の残高のある銀行から、紙の通帳はやめませんかとの誘いをずいぶんうけるようになった。
きっと数年後は通帳を希望する場合は有料ですよ、そんな動きになっていくのだろう。
確かにペーパレスで通帳なし、ネット決済を中心とした取引は便利でいいけれど、死んだ時どうなるんだろうという疑問がある。
生まれた時に父母祖父母がお年玉用に作ってくれた郵便貯金通帳、自分で就職した時に作った給与振込の銀行口座、この程度で済めばいいけれど実際に長い時間生きてくるとかなりたくさんの銀行口座等を持つことになる。
数年前母が亡くなった時に相続の関係でその処理に忙殺されたひとときがあった。
認知症になっていたと言っても母の全財産を掌握していたわけではなく、分かっていたのは年金が振り込まれる銀行口座(特養の口座引き落としに当てた)くらいで、亡くなってから持ち物を整理する中で出てきた通帳や証券、金融取引らしい郵便物というものがいくつかあった 。
そんな通帳、証券、郵便物などを手掛かりに確認していった記憶がある。
ペーパレスもいいけれど相続分割協議書が出来上がって分轄した後に次から次へと通帳などが出てくる。
ペーパレスだからわかないまま、相当期間経ったあるときポコッと百万単位の残高が発覚する・・・。
自分で稼いだお金ではないし、それは塩漬けでいずれ国有化でいいんじゃね!って人たちならいいけれど、誰かがおろそうとしたろき不要な混乱が起きる。
円満な兄弟仲ならいいけれど、兄弟は他人の始まりで、兄弟仲が悪い場合もある。
こんな場合これはこれでかなり困った問題である。
便利さが人間関係をさらに悪化させることになる。(笑)
わが家も、自分で稼いだお金ではないしいらないよ、家をとっているんだから全部あげるよという人から、全部欲しい!という人までいた。
同じ父母から生まれてもその後の時間で人それぞれである。
ひとりにすればいくらでもない金額ではあったけれど、結局、法定分与でまとめることができた。
実はネット銀行(通帳なし、郵便物なし)にも口座を持っているが、多少の残高があってもこの5年、ログインすることが全くない。
普段使っている PC やスマホはかみさんでも共有することがない。
だから私の場合、ネット銀行の口座があること自体家族の誰も気づかれずに終わってしまうんだろう。
これからの時代、全国民の塩漬け口座を没収すれば、消費税より痛みはなく国は潤うかも。(笑)
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<今日は何の日>
今日は、七十二候『紅花栄(べにばなさかう)』の最終日です。
<今日は何の日>
今日は、七十二候『紅花栄(べにばなさかう)』の最終日です。
明日6月1日から、『麦秋至(むぎのときいたる)』
いよいよ、草木も小動物もガンガンに入ります。
この時期ケムシなど毒虫も多く、山野にはマムシもでますので、油断大敵ですね。