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あいとポッポパーティー

あいをさぐりながら、友人に発信。
あいとへいわのあいは、解せなかったけれど注目のテーマ。

「四日間の奇蹟」から、自分への関心

2005-06-16 02:36:08 | 映画
残業するか、映画を見るか。
映画を見るには、明日以降の残業(徹夜)を「覚悟」しなくてはなりません。
しかし今日は水曜日。映画1000円デーです。
「覚悟」を決め、レイトショーを探して「四日間の奇蹟」を見ました。

吉岡秀隆や石田ゆり子が主演している映画で、タイトルどおり「四日間の奇蹟」が起きている間にそれぞれが自分の存在や価値を見直す、という話です。

私はあまりファンタジー的な奇蹟ものは好きではなく、そしてご都合主義的なものも好きではなく、そして何となく優等生的な登場人物ばかりであまり深みを感じられず、そして演出のせいか気に障る演技もたまにあったりして、…
と、ケチをつけてしまえばキリがないのですが、でも大きく言えば優しい物語でした。作品としてはあまり好きな演出ではありませんでしたが、内容自体はよかったと思います。

一つだけ挙げれば、「自分の価値を認めてもいいんじゃない?」
というセリフが胸を打ちました。お恥ずかしいので多くは語りませぬが。
これがまさにこの映画の主題だったのだと思います。

生きていること自体の価値や、持っている独特の能力や影響力といった価値、…。
自分のこととなると、急に認めづらくなったりします。多くの人もそうかもしれません。
私は物事に立ち向かうときは前向きでいるつもりなのですが、自分自身のことになると急に否定的というか自信をなくします。
最近は大人になったので昔ほどではありませんが。
結局、悩みどころは自分の未熟さではなく、自分が成長しようと努力するときに出会う困難を打ち破るうえでの葛藤だと思うようになりました。
つまらない仕事しかできないな、と思ってガックリすることもしばしばですが、よい仕事をしたいと望むならいろんな方法で精進していくしかないのです。ちなみにこれはあくまで自分に対する激励。

本当はもっと別な部分に自分の情けなさをよく感じるのですが、それはより内向き日記に綴りながら、自分と向き合って克服していこうと思います。
ただあまり理想的な自分像を目指すよりも、もっと他者に対して親身になれる人間になりたいと思います。
なかなかこうなろうと思ってなれるものではありませんが。

結局映画を見て、自分のことばかりに関心を寄せてしまいました。
西田敏行はよかった。


比べるものではないですが、吉岡秀隆さんがみつお役で出演していた「男はつらいよ」に勝る映画はなかなかありませんなー。
シリーズの強みもあるかもしれませんが、やはり「寅さん」は相当な傑作でした。
思えば渥美清の死を知ったのは、高校3年生の夏、原水爆禁止世界大会の帰りでした。愛知の高校生と貸切バスで広島から名古屋に到着したとき、速報を新聞社が配っていたと記憶しています。たぶん。
大会の感動に浸っているところに、悲しみの衝撃でした。
あれから9年も経つのか…

「ベアテの贈りもの」を具体化した人々

2005-06-11 03:27:06 | 映画
神保町の岩波ホールで、「ベアテの贈りもの」を観ました。

日本国憲法に男女平等(両性の平等)条項を盛り込むことに大きな力を発揮した、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの話を軸に、日本における女性の権利向上の歩みを追った、ドキュメンタリー映画です。

実は広告のみではあまり興味をそそられなかったのですが、観たらなかなかかなりおもしろかったです。

ベアテさんの話は直接は聞いたことがありませんでした。今回スクリーンを通してですが初めて聞き、本当に素敵な、やさしそうな人だなあと思いました。
内容は、ベアテさんの両親や生い立ちから始まり、戦争を経験し、日本国憲法起草に携わるまで。そしてその後、日本で憲法が本当に実現しているかどうかを追いました。
ベアテさん以外にも、日本国憲法制定後から今日まで、女性の権利獲得のために奮闘してきた多くの女性が登場しました。市川房江さんなど教科書にも出てくるような政治家のほか、男女平等条項を根拠に全国に設置された婦人少年局(だったかな)の職員や局長の任に就いた女性たち。ピアニストであったベアテさんの父親の教え子の女性、国連の難民高等弁務官として活躍した緒方貞子さんなどなどが登場。
そして、住友金属の男女差別裁判で勝利した原告の女性たちも出演していました。

戦後、女性の権利を制度として保障させることの尽力した人々、多方面で実力を発揮した女性、そしていまだ根強い社会や企業での男女差別を是正するために奮闘した女性たち。ベアテさんが奔走して憲法に盛り込ませたものを、その後本当に実現させるために日本の女性が自身の手で具体化してきた、ということがよくわかりました。

私は「性」の問題に関心があります。ジェンダー然りですが、セクシャリティの問題。
この世には、「男」「女」ではくくり切れない「性」があるそうです。身体から脳まで、その表れ方は多様です。
とにかく必要なのは、性に制約されない個人の尊厳の確立です。
こうして一言で言うのは簡単なのですが。これまで生きてきた26年間、性による不当な制約はされたくないと思いつつも、自分自身の中に根付いた不必要な性への感覚、逆にそれが自分の行動を狭めるような、があるようです。

あがいてもそれが今の自分なので、あまり無理をしない程度に脱却していきたい。
映画に登場する人々はみんな、自分の得た仕事をとにかくまっとうしようと頑張っていました。

現在日本の政府は、日本国憲法9条とともに、24条などの両性の平等についても変えようと考えているようです。