
ようやく続き(しかもメイン)のアメリカレポート。
●5月1日(日)…時は労働者の祭典・メーデー
いよいよ今日が本番。メインイベント。
核兵器廃絶を、国連と世にアピールするための大行動。
日本からは日本原水協代表団の800人と、その他合わせて1,000人が参加すると言う。
全体では何人集まるのだろうか。
奇しくも朝から雨。
ホテルから、パレード出発地点の国連近くまで貸切バスで向かう。
走ること約40分。オヤ、雨が…。やんできた。
出発地点に到着。
パレード全体の集合時間は11時。まだ時間があるので、ウロウロしてみた。
ある者は国連見学(結局入れなかったが)へ、ある者は署名行動へ。
行動に参加する人々が、少しずつ集まってきた。
ピースマークを胸にでっかく描いたTシャツを着た女性集団(50~60代に見えた)がやってきた。
おお、あなたたちはCNDの方々ですね! と話しかける。
CNDとは、「イギリス核軍縮運動」というグループ。
いわゆる「ピースマーク」が、彼らのシンボル。
女性たちは、Tシャツだけでなく、イヤリング、ネックレス、指輪、などなどそこかしこにピースマークのアクセサリーを身につけていた。
とてもステキ。
道端で、横断幕に「Abolition of Nuclear Weapons」と描いている若い集団がいた。
こんなところで、こんな直前に…、と思いつつ、話しかけてみる。
「どちらから?」
「ドイツです」
聞けば、約50人の代表団で来ているらしい。そのうちなんと青年は45人。ほとんどだ。
どの国でも、青年を送り出そう、という動きは活発のようだ。
ドイツ青年に「今日は何人くらい集まるだろうね」と聞かれた。
「100万人が目標と聞いているよ」と答えたら、かなりびっくりしていた。
それは当初の目標で、たぶんそこまでは集まらないと思うよ、と言ったが、それでも100万という数字に驚き続ける姿が印象的だった。
18歳だというそのドイツ青年に、北朝鮮の核兵器保有問題についての見解を聞かれた。
ウ…。
「言いたいことはあるのですが、何しろ私は英語があまり話せまへん。でもトライします」と答えた。
そして「北朝鮮が本当に危険なのかどうかは判断しきれないが、たとえそうであっても私たちまでそれに乗っかって強硬姿勢に出たら糸口は見つからない。とにかく北朝鮮が答えやすいように、話し合いの場を確保すること。6カ国協議は重要だと思う。話し合いしか解決の方法はない」と話した。
「うむ。」とドイツ青年。
互いの国の運動の話や、よもやま話をして分かれた。
私は特にヒヤリングが苦手ですので、もう懸命に。
ダンケ、シェーン。
北朝鮮問題については、他にも数人の外国人(日本人でない人)から見解を聞かれた。
興味をもたれているのだと知った。
周りでは、他の日本人も「サイン、プリーズ」などと言って「いま、核兵器の廃絶を」署名をがんばって集めている。
私もその様子を見ながら、サインをしてくれた人々にその思いを聞いてまわった。
筆談を交えながら。
11時が近づいたので、集合地点に向かった。
途中、他国のいろんなグループがすでに集まっており、さまざまな服装、横断幕、デコレーションが並び、空気が熱くなるのを感じた。
パレード出発は12時。
歩き出す。
私は取材のため、ウロウロしまくった。
韓国青年の集団がいた。
太鼓、シンバルのような金属楽器、そして踊り。激しい動き。
彼らはニューヨーク在住だと言う。
北朝鮮への抑圧はやめろというアピールもしていた。
彼らはパレード中、最後までずっと演奏し、踊り続けていた。
とてもパワフルで、ステキだった。
パレードの先頭方面に向かった。
「フランス平和運動」という、私たちも日本へ何度か呼んだグループがいた。
その最前列に、「ソフィーだ!」!
ソフィー・レフィーズさん。笑顔が天使のような女性。フランス平和運動のスタッフ。
3月に静岡で開催した「3・1ビキニデー」に参加し、私の作る「平和新聞」にも登場してもらった。
彼女は5月末にNYに来ると言っていたので、てっきり会えないものだと思っていたのだが、思わぬ再会でとてもうれしかった。
そしてビズ(頬を触れ合わせるあいさつ)をしたら、ソフィーの頬はとてもやわらかくてまた興奮した。
他にもいろんな人々がいた。
太鼓、ギター、バグパイプ、サクスフォン、…。生演奏を聞くことができた。
もちろん日本人も。
着物、はっぴ、おそろいのTシャツ、…。
デコレーションもいろいろあって、非常に華やか。
日本でやるときも、これくらい張り切ったらきっと楽しいだろうな。
そうして、終点のセントラル・パークへと向かう。
(つづく)