メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

20分クッキングはオレキエッテと、、、

2015-07-21 23:44:43 | シアトルレストラン
ちょっと忙しくて
お夕飯作りに取れる時間があまりない、、、、
でも外食はいやだし、、、、
そんなことはよくあることですよね。

昨日のメイおばさんもそうでした。
メトロの中でメニューを考えて「これだ!」が決まりました。
そして、いつもの「Whole Foods」スーパーの中をぐるぐる歩きながら
ほかの二品が決まりました(笑)。

いつも思うことなのですが
ひとつ「これだ!」が決まれば
あとはしめたもの。
「これだ!」にくっついてきてくれますから(笑)。

昨夜の「これだ!」は「ブロッコリーのオレキエッテ」です。
そして「これだ!」にくっついてきたお仲間は
ホロホロに煮込んだプルドポークのような豚肉と
パイナップルのグリル
茹でたサーモンを載せたサラダ。


えっ、それがどうして20分で?
の謎解きは明日にまわして
今日は「これだ!」のオレキエッテについてのおしゃべりから(笑)。

スパゲティー、フェトチーネ、リングイネ、カペリーニ、タリアテッレ、フェデリーニ、ペンネ、、、、、、一口にパスタと言ってもいろいろありますよね。

メイおばさんがよく使うのは「Orecchiette(オレキエッテ)」という名の
耳たぶのようなパスタです。
「Orecchio」=耳から来たというこのパスタ、たしかに見れば見るほど小さな可愛いお耳です。

昨日作ったのはごくごくシンプルなのにとてもおいしいブロッコリーのオレキエッテ。最初の出会いは数年前の南イタリア、プーリア州でした。当時、メイおばさんとメイおじさんはちょっとばかりミラノに住んでいたのです。

クリスマスのプーリア旅行で
地元のイタリア人友が連れていってくれたのが
「Masseria Barbea」という魔法のようなレストランでした。

「Masseria(マッセリア)」とは要塞のようにまわりを囲まれた農場のこと。

そんなマッセリアの中の大きな館がレストランになっています。

友の友人が領主であり、レストランのマネージャーなんですって。

だからでしょうか、次から次に出ること、出ること。
「野菜とフレッシュぺコリーノチーズ」に始まって
「ポレンタ(トウモロコシ粉のお粥)と山羊肉のシチュー)
「黒オリーブと干し鱈のトマト煮」、、、、、、etc.etc.

最後のクリスマスのお菓子まで、なんと13ものお料理が出てきましたよ。
その10番目に出てきたのが「若いブロッコリーとオレキエッテ」だったのです!


以来あの味を思い出しては作ってきましたが
結局たどりついたのはこんな簡単な作り方。
ね、だから20分(笑)。

オレキエッテを熱湯で茹でて

その間にニンニクをみじん切り、ブロッコリーをざくっと切って

フライパンにオリーブオイルをたっぷり熱し

ニンニクを炒めて、ブロッコリーを加えて

茹で上がったオレキエッテを加えて


塩&胡椒でお味つけ。

昨日のメイおばさんは「レモンペッパー」と「ガーリックソルト」を使いましたけれど、普通の塩と胡椒でも十分においしいです!!
エキストラバージンオリーブオイルの良いものでもあればもう最高!

ここで食卓に運んでしまってもいいのですが
昨夜はこんな風に遊びました。

パルメジャーノをパラパラ
松の実をパラパラ。



窓の向こうは久しぶりに美しい夕焼け。


Bon appétit!
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U:DONという美味なるウドン

2015-07-14 07:11:47 | シアトルレストラン
雑誌をぱらぱら見ていたら
突然こんな広告に遭遇しました!


「U:DON」ですって。
ユードン? ユーダン?

と首をひねっていたら、その下に小さな字でこう書いてありました。
「Fresh Japanese Noodles Station 」

あ、そうか、ウドンね(笑)。
5月に開店したばかりですって。
しかも歩いて行ける所。

そりゃ行ってみなくちゃね。
とばかりに独り密かに繰り出した探検隊のメイおばさん。

見つけましたよ。


恐る恐るドアを開けて
勝手がわからない上に、ほかにお客がいないものですから
ちょっと怖気づいて「あ、間違えました。すみません。」とばかりに
出ちゃおうかとも思いましたけれど

ここでひるんだら料理の勉強にも食文化の勉強にもなりません(笑)。
勇気を出して突き進みました(笑)!

まるで品の良い学食のようです。
テーブルに着く前に、長いカウンターのこちら側から
注文をします。

天井から下がっているメニューは全部英語です。
熱いのも冷たいのもあります。


かけ、ざる、おろし、肉、きつね、温玉、梅肉おろし、胡麻、カレー、担担、、、、

まず食べたいうどんとそのサイズ(S,M,L)を選びます。
メイおばさんは「きつねうどん」のSを選びました。
カウンターの向こうのいなせな日本人マスターらしき方が
手際よく作ってメイおばさんのトレイにのせてくれました。

そして言いました。

「わかめ、ネギ、生姜はどうしますか?」

初心者のメイおばさんはおずおずと聞きました。
「追加料金がかかるのですか?」

その後のやりとりは
「ネギと生姜は無料ですが、わかめはかかります。」
「すみません、お聞きしてから言うのもなんですが、ネギと生姜だけで」(汗)


これで第一関門を突破。
次は天ぷら、から揚げ、おむすび、たこ焼き、コロッケなどがずらーっと並んだカウンターから好きな物を取って、自分のウドンにのせたり、別皿にのせたりしていきます。


カウンターの一番向こうがレジです。
「マイうどん」に合わせて料金を払います。
何もオンしませんでしたので、基本の「きつねウドン」だけで8ドルちょっとでした。
ほんと、学食みたい。ただしお洒落で静かなね(笑)。

どきどきとテーブルに着いて
お箸でウドンをすくい上げ、口に入れてかなりびっくり。
この太麺の何と言うしっかりしたコシでしょう。


スプーンで汁を口に入れて、これまたびっくり。
なんときちんと取られたお出汁でしょう。
MSG(化学調味料)など無縁の味です。

メイおばさん、しっかりしっかり時間をかけて噛みながら
ゆっくりゆっくりいただきました。

流れてくるのはアメリカンポップス。
テーブルの上のお酒のメニューも英語です。
カウンターの向こうで働く人たちも、おひとり以外はみなさん英語の人。

唯一日本を思いさせるものがあると言えばこれでしょうか。


食べ終わったら自分で片付けます。

柔らかいおウドンの好きな夫さんを連れて行くことはできませんが
また一人で、あるいは友と行きたくなる店です。

次は慣れた様子でスマートに注文しますからね(笑)。
もう頼むものも決めてます。
冷たい梅肉おろしウドンです!

寿司のお店はたくさんありますし
日本料理店がメニューのひとつにウドンをのせていることはありますが
とにかくここは「U:DON」という名の通りウドン一筋です。
しかもヤワなウドンではなく、なかなかしぶとい噛みごたえのウドンです。

このお店、日本人などあまり住んでいないこの一角で
いったいどれだけ人を呼ぶかしらと案じながら
頑張れ、頑張れ、と応援するメイおばさんです。

店を後にする時に聞いてみましたら
ウドンはしっかり毎日手で打っているということでした。
Ganbare, Ganbare, U:DON!!!!

最後に、これが最近のメイおばさん家のウドンです。
稲庭ウドンです。


本当はこういう細めのつるつるウドンが好きなのですが
しっかりもっちり太麺のU:DONも好きになりました。

U:DON
1640 12th Avenue
Seattle WA 98122

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シアトルで大人気のギリシャレストラン「オメガウゼーリ」

2015-07-02 09:05:27 | シアトルレストラン

昨日お話しした、シアトルで人気を集めているギリシャレストラン「Omega Ouzeri」について少しだけ。

6月5日付の「The Seattle Times」で大きく紹介されたこのレストラン。
その記事を要約すればこんなところ。


「ギリシャ生まれのトマス・スカコスのキャリアの始まりは17歳、ギリシャのピレウス港を出るクルーズ船だった。船を下り、しばらくロサンゼルスに滞在した後に、友達のいるシアトルを訪れた。そこで妻となる女性と出会い、最初のレストラン「エルグレコ(El Greco)」をブロードウェイ通りで開くことになる。1994年のことだ。それからさらに14年、今度は19番通りに「Vios Café」を開いた。これが大人気となり、第二店舗、第三店舗を開店することになった。

けれども、スカコスの道はそこでは終わらない。その先に続いていたのが、開放的な二階建てレストラン「Omega Ouzeri」だった。「Ouzeri」(ギリシャの酒ウーゾを飲ませる場所)という名の通り、ウーゾやワインの品揃えは豊富だ。料理はに伝統的な小皿料理をそろえた。オリーブオイルはもちろんギリシャのコロネイキ種のエキストラバージンだ。

『もちろん全ての食材が良い物でなくてはならないけれど、とりわけオリーブオイルと蜂蜜には気を使うよ。なぜなら私自身がそれらをこよなく愛しているからね。』とスカコスは言う。『オリーブオイル、蜂蜜、レモン、ガーリック、オレガノ、ミント、シナモン、ディル、、、これらはこのレストランのメニューの柱だ。』とも語る。

スカコスはここでは二人の信頼するシェフに料理を任せている。そしていつでもフロアにいる。お客のひとりひとりに挨拶をし、メニューを説明し、客がその日の好みに合った料理を選ぶのを手伝い、若手のスタッフたちの陣頭を切ってテーブルの間を忙しく歩き回る。数多くのギリシャワインのリストから、客の好み、選んだ料理に合うものを選ぶ天才でもある。

『Omega Ouzeri』という名は、ギリシャのアルファベットの最後のΩ(オメガ)から来ている。これまでのスカコスの経験の集大成だという意気込みがあるからだ。

青と白に彩られた清潔で爽やかな店のデザインは、スカコスが今なお毎年帰るという故郷ギリシャのデザイナーによる現代風なものだ。開け放たれた窓のすぐ向こうを通行人が通り、優しい風が店内に吹き渡る。

内装はスカコス自身の表現だ。夢のようなミスティーブルーの壁に海辺の村が描かれ、そこには釣りをする少年、彼の息子がいる。反対側の壁には、ギリシャの生んだ偉大な詩人カヴァフィスの詩「Ithaka」が刻まれている。『人生の旅で大事なのは目的地ではなくその途中で得られる経験だ。』という詩である。」

この詩はたまたまメイおばさんの大好きな詩でした。
イサカを目指す英雄オディッセウスの話も、ギリシャ神話の中でもメイおばさんの好きなものでした。料理をいただく前からすっかり心を打たれてしまいましたよ。

さて、大急ぎでご紹介。
お写真を見ていただくと、いわゆるギリシャ料理ではないのがわかると思います。
ギリシャ料理の「ヌーベルキュイジーヌ」とでも呼びたくなります。

メニューは決して多くはありません。

けれどもワインを始めとする飲み物のリストはなかなかです。

メイおばさんたち二人は小皿を4種類頼みました。

まずはオリーブ


最初のワインはスカコスさんお勧めのサントリ二の白です。
これは本当に美味しかった。


黄色い豆のピューレ「ファバ」にはピタがついています。


一見マグロ?と思いそうになるビーツのサラダの何と美しいこと!

色も濃い赤からこんな優しいピンクになって
メイおばさんが苦手なあの独特の香りもだいぶ柔らいでいます。

こちらはクレタ島の伝統的な料理「ダコス」です。

クレタの家庭ではどこの台所にもある固いラスクの上に
刻んだトマトとフェタチーズ、上からたっぷりオレガノとオリーブオイルをまわしかけます。

そしてこれが昨日ご紹介した「コロキゾケフテデス」(ズッキーニのお団子)です。

「スコルザリア」と言う茹でたジャガイモとガーリックのペーストがついています。

二杯目は、夫はネメアの赤、メイおばさんはレツィーナにしました。
レツィーナとは松脂を加えて作るギリシャ独特の白ワインです。


おいしくいただき、おいしく飲んで、楽しくしゃべって
表へ出れば、あらまあ、いつの間にやら外は真っ暗。


ブズーキが奏でるギリシャ音楽が流れているわけでもありませんし
ギリシャ語が聞こえてくるわけでもありませんが
いい店、いい食事、いいワインでしたよ。

ギリシャも大変なことになってしまいましたが
こんな風に、遠く離れたシアトルでも頑張っている人たちがいます。
そしてそれを応援している人たちがたくさんいます。

幸い我が家から歩いて行けるところです。
どんなに飲んで、どんなに食べたって大丈夫。
千鳥足でも帰れます。
また行きます!

Omega Ouzeri
1529 14th Ave. ,Seattle

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6月29日:虹を渡って向こうへと
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