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メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

あなどるなかれ朝ごはん

2015-09-06 23:11:32 | 日記
その昔、「ピンキーとキラーズ」という
女性1人と男性4人の素敵なグループがおりました。
そして「恋の季節」というメガヒットを飛ばしました。

「そうそう」とうなづいているあなたはメイおばさんと同じジェネレーション。
「なにそれ?」というあなたはずっとお若いジェレネーション?(笑)。

この曲の中にとても意味深な言葉がありました。
「夜明けのコーヒー、一緒に飲もうよ。」

夜明けのコーヒーに限らず
朝ごはんを一緒に食べるというのもまた
親しい間柄だからこそ。

家族だったり、お泊り旅行を一緒にする友や
一宿一飯(二飯、三飯)のお世話になる友だったり。

先週末の八ヶ岳では
そんな素敵な朝ごはんをたくさんいただきました。

11人仲間で少しばかりの拠出金を出し合って
借りている農場で収穫したお野菜を使った朝ごはん。

ふんだんに実ったミニトマトと
たっぷりのバジルと玉ねぎとピーマンのソテーをお皿にのせたり



輪切りのトマトの上に玉ねぎのソテーをのせて
パルミジャーノでトッピングしたり


窓の外は緑一色、空気は爽やか
そんな場所でなら、こんなシンプルな朝ごはんも
ご馳走に変わります。

思い出をたどってみれば
今でも鮮明に思い出すのはこんな朝ごはん。

南太平洋はポリネシア、クック諸島の中心
ラロトンガ島の朝ごはん。


イスタンブールの朝ごはん


アンカラの朝ごはん


ちょっと大げさですが
朝ご飯にもまた、世界が表れているように思える時があります。


読んでくださってありがとうございます!!!
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夕焼け劇場を後にしてシアトルへ

2015-08-06 11:46:46 | 日記


こんにちは。
今日はメイおばさんには珍しく、ショートショートです。

朝4時に目覚ましをかけて
昨日からの続きのパッキングをして
もう一度家中を見回して
6時半にワシントンの家を出て
8時の飛行機でシアトルへと飛び立ちました。

アメリカというのはつくづく大きな国で
東海岸のワシントンから西海岸のシアトルまでは
飛行時間にして5時間半
時差だって3時間もあります。

シアトルの我が家に帰ってきたのは
ワシントンの腕時計では午後の2時。
けれどもシアトル時間ではお昼前の11時です。

本音を言えば
移動暮らしは疲れます。
無駄もたくさんあります。

昨夜だって
なんとか冷蔵庫の中味を使わねばと思って
人参、玉ねぎ、ほうれん草、茄子、ズッキーニ、生姜、ニンニク、、、、
残り物の全野菜と、ゲストディナーの残りのお肉や玉子を総動員させて
こんなものを作らねばなりませんでした。


それでも使い切れないお野菜が残りました。
国内線は野菜も果物も運べますから
出発ぎりぎりで、キュウリとレモンとライムをスーツケースに詰めようと
冷蔵庫に入れておいたのに忘れました(涙)。
何か月後かに帰った時の姿を想像するだに恐ろしい、、、、、

今にして思えば
3週間のワシントン暮らしでメイおばさんを救ってくれたのは
決して特別なことではなく、こんな日常だったと思います。

メニューを考え
買い物リストを作り
スーパーに行き、作り
食べてもらい、自分も食べる。

「美味しいね」と言ってもらい、自分でもそう思うことのできた時は
純粋に幸せになりました。

もちろん外でのお食事もありましたが
たとえそれがどんなに素敵なレストランで
どんなに名の知れたシェフの作った美味しいものでも

もしそれが毎日繰り返される日常だったとしたら
とても辛かったことでしょう。

ワシントンのキッチンは
小さくて、決して働きやすいものではありません。

人間と言うのは勝手なもので
このシアトルの大きなキッチンで料理をするようになる前は
それだって十分に満足していたのです。

けれどもある時、料理の手を休めて窓の外を見たら
こんな空模様が繰り広げられていました。

時の流れと共に形と色を変えていく空です。
以来、私の小さなキッチンを「夕焼け劇場」と呼ぶようになりました。

夕焼け空を飛行機が横切ってくれたこともありました。


私の夕焼け劇場で、今回も本当にたくさんの料理を作りました。
たくさんのお客様にも召し上がっていただくことができました。

そしてそのたびに
メイおばさんは元気になりました。

アメリカ大陸を横断してシアトルに戻り、夫が言いました。

「メイ、疲れているだろうから、今日は近くのレストランに食べに行こうか。」

メイおばさんがすかさず答えました。

「疲れているから元気になるために作ります!」

そしていつものように買い物に行き
広いキッチンの片隅でPCを叩きながら
今晩の料理を作っています。

だめだ、全然ショートショートじゃないじゃないの(笑)。

読んでくださってありがとうございました。
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台所ノスタルジー

2015-07-18 08:37:19 | 日記
小さな子供だった頃の台所で覚えているのは
板張りの床で、着物姿のおばあちゃんが
ぺたりと座って豆のつるをとったり
トントンと器用に大根の千切りを作ったりしている姿。

お母さんは割烹着姿でコンロの前に立って
お鍋をぐるぐるとかきまわしていて、、、、、

子どもだったからかしら。
そんな台所はずいぶん大きく見えました。

玄関からは入らずに
台所に直結した勝手口から中を覗いては
「ねえねえ、もう少し遊んでいてもいい?」

大人になってからは
いったいいくつの台所に立ったことでしょう。
自分の家の台所だけに限ったって
お引越しをした数だけの台所があります。
住んだ国、住んだ町の数だけ台所があります。

そしてそのどれもが、大笑いするような失敗や
料理をしながら涙をぬぐったりしたことがあっても
遠く懐かしく愛おしい思い出の場所なのはなぜでしょう。

それはたぶん
自分のためではなく、誰かに食べてもらうため
誰かに喜んでもらうために
一生懸命立ち働く場所だったからかもしれません。

昨年9月にこのワシントンDCの家を後にしてから
昨日帰って来るまでに10か月もの月日がたちました。

シアトルの家の
収納場所の多い、大きな台所に慣れてしまった後では

随分小さく働きにくく感じます。


けれども、これもまた
誰かのために料理をし続けるうちには
きっと幸せな「マイプレース」に変わるのでしょう。

今私の背に当たっている夕日がもうすぐ沈み始めたら
ここは冷蔵庫もレンジも壁も夕焼けに染まり始めます。

そんな台所で
これから3週間、愛する家族や友人たちのために料理を作るうち
この場所は、ますます私の大切な思い出の場所になるのでしょう。

上手、下手は別として
料理を考え、作るのが好きで
本当に良かったと思います。

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「メイおばさんの宝箱」はこちらでございます。
本家、分家ともどもどうぞよろしくお願い申し上げます。
7月18日:西のシアトルから東のDCげ
7月16日:東京と言う町の色と文字情報
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はじめまして、メイおばさんです。

2015-06-04 07:51:55 | 日記
はじめまして、メイと申します。
一昨年の5月(メイ)から「メイの宝箱」というブログを書いています。
けれども、名実ともに「おばさん」になりましたので、最近になって「メイおばさんの宝箱」と名前を変えました。

相変わらず世界をフラフラしながら、巡り合ったこと、考えたこと、思いついたこと、感動したこと等々を宝箱の中に押し込んでは、ひとつずつ書いてきましたが、困ったことには宝箱がパンパンになって、最近は蓋がきちんとしまらなくなりました。

そこで、「食」に関するものはこちらで書いてみようかと思い立ちました。
「メイの宝箱」よりもゆったりと、気負わずに、短く書いていきたいと思います。
なんとなく「料理帖」という言葉を使いましたのは、目下夢中になって読み耽っているのが「みをつくし料理帖」という本だから、という単純な理由です(笑)。

だからと言って料理のレシピばかりでなく、世界の食材、食文化、レストランなど、食に関するショートショートを楽しく綴っていければと存じます。

本家の「メイおばさんの宝箱」はこちらでございます。
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本家&分家共々、どうぞよろしくお願い申し上げます。

シアトルにて  メイおばさん