植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

絶不調からの脱出 向こうにうっすらと光が見える

2023年04月07日 | 篆刻
一昔前、「バイオリズム」という言葉や理論が盛んに使われました。知性や感情・身体にそれぞれ周期があって全体的な好不調を上下させるといった内容でした。その後科学的な根拠が乏しく、せいぜい占星術うあ占いレベルにしか扱われないようですが。

ワタシは、このところそのバイオリズムがあるなら「絶不調」「あるいは「最悪」に近いレベルであったのです。

まず、体調は持病の「境界型糖尿病」が思わしくなく、油断しておしっこに党が混じったりしております。自治会やなんやらのトラブルなど心労が重なり、主治医の先生からろくに診察もなしに「軽い鬱ですね」と診断されました。ゴルフの回数が増えた、草むしりや竹の根っこの除去などで腰痛が悪化しております。手首も指も痛くて、腕は筋肉痛になっております。

ゴルフはと言えば、ドライバーはまずまずまっすぐ飛ぶのですが、アイアンが当たらず「どひっかけ・どフック」が出て、グリーンに乗りません。のみならずグリーン周りのバンカーに入れて2,3回打ってやっと脱出する体たらく。アイアンショットがだめなら、グリーンに乗ってもカップからは遠く3パットばかり。

また、ヤフオクも最近入札額がどうも急騰する傾向がでていてめぼしい商品、これぞいというような出品物には価格競争で手が届かず、やむなくほかの人が入札しないで、単独落札できる不人気の品物を(割合高い値段で)落札することが常態化しております。これは、本当にあほな品が届きました。

この印材5個で5千円。左の二つは安物の箱に収まった雑石で表面にひっかいたような文字があります。真ん中の緑色の自然石は極小の漢詩がありましたが、これは印刷のようです。右の石も古いものであありますが、とうてい名のある銘石とはいえません。彫られた側款には「敬祝毛主席」(笑)。ぱっと見全部で2,3千円がいいところでした。

さらに、こちらの水滴。割合良品を扱っている天香楼さんの品物なので油断しました。
二つで15千円もしたのですが、上のものにはアルファベットがある「南米かどこかの土産物?」下のは、古道の細工物かと思ったら「型に流し込む鋳銅・鋳物」でさして古いものではありません。これらもせいぜい一個2千円というところでしょうか。


体調が今一なのと、いいものが落札できない苛立ちから、中身をよく「吟味しないで安易に落とせるものに入札した結果でありました。「散財」としかいいようがありません。

そんな状態で昨日は仲間とのマイコースでの練習ラウンド。お互いにスコアを聞かず、短いパットは自己判断でオッケーをして「ピックアップ」するという実にマナーやルールを逸脱した行儀の悪いプレーです。ここ数年にわたって悩み抜いているバンカーショット、その解決策が、前回昔の高校生仲間とのコンペで気づいた点にあったのです。

一緒に回った一人は、小柄でスイングも弱く、しかも打った後に後ろ脚に体重が残る「明治の大砲」という典型的な飛ばないゴルファーでした。そんな彼なのに、妙にバンカーショットだけは上手で、一発で脱出しピンに寄ってくのでした。それを言ったら、彼は「僕は体重移動できないからバンカーがうまいと思う。M君(ワタシ)は前に体重がかかってハンドファーストに構えているので出しにくいのだ」と教えてくれました。・・・・あーーーそうだったか、ワタシも体重移動しないように前懸かりにはしていたのが逆だったのか、と気づいたのです。

そこで、昨日アイアンショットが曲がって、幾度もバンカーに入ったので練習し試せたのであります。右に体重を乗せ身体を開いて打った最初の一打がやはり脱出できなかったのはいつも通り、その時、ヘッドが取った砂の跡が、自分の右足(後ろ足)より前についていました。つまりボールの位置が左寄りなので自然と左にスゥエーしたためクラブのソールがボールの下に入っていなかったのです。もう一度打ち直したとき、思い切って自分の右足のつま先の前にボールを置きました。右足一本に体重をかけて打ったところ今度は見事にグリーンに乗ったのです。目からうろこでありました。その後もう一度バンカーに入った時も、一発で脱出できたのです。悩んで真っ暗だったバンカーショットに一筋の明かりを見出したかもしれません。

体調不良は、いわば経年劣化が大部分であります。心労による「軽い鬱」あるいは滅入って気が晴れない理由の主因が、自治会であります。明後日その総会をもって2年の任期を終えることができます。この二年というもの、時間の制約、各種公的な手続き・人間関係・重い責任などの重圧で苦しんでいたのがここで区切りがつきます。以降まったく無関係になるわけではなくさらに2年間会計の監査役や相談役などの職がついて回るのですが、それでも気持ちが楽になってトンネルから抜け出られるような期待があります。

そしてヤフオクであります。ここ1,2週間で4,5件お金をどぶに捨てるがごときお粗末な品物に手を出しましたが、その集大成というか馬鹿な落札品の極めつけになりかねない、ワタシ史上最高額の落札をしたのです。その金額はざっと言えばフルタイマーのパートさんが貰えるひと月分の収入に匹敵します。
その品物というのが、例によって印材で「古印材 中国骨董古玩 寿山石」などという説明書きのあるやや大きめの凍石他1個でありました。4000個近いワタシの手持ち印には全く類似品はなく、石の種類の特定も容易でない透明感の半端ない印であったのです。それをヤフオクの出品物の中から発見し何が何でも入手したいと思ったのであります。説明写真には、ペンライトが当たって黄金色に輝き、向こうが透けて見えるほどの琥珀のような美しく珍しい石でした。しかし、これほどのきれいな石だと、まがい物(人工石)の可能性もあり、写真だけでは判別できませんでした。要はギャンブルでありますな。

今まで、自治会で苦労しました。うす暗い中を四つん這いで進んできたような感があったここ数週間、頑張った自分にご褒美と思って、大きなお金を投じて落札したこの光り輝く美しい印が、あと半日後に届きます。
これが自分のバイオリズムを一気に高めてくれるか、あるいは更に奈落に落ちていくのか、小さいながら自分の人生の一つの潮目が変わる瞬間となるでしょう。
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