植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

故郷は遠くにありても帰るもの その1 開墾・植物編

2023年04月14日 | 植物
3日ブログをお休みしたのは、郷里の大分県に二泊三日で旅行する、実家の兄に代わって(兄のオーダーで)果樹などを植樹するのが目的でありました。

その主目的が、香りのよい樹と柑橘類を植えることにありました。残念ながら柑橘類は植え時のピークは1月~3月で、苗が出回るのもせいぜい3月までであったのです。現地の大手の苗木屋さんに電話で聞いたら「ゆずと温州ミカン」くらいしかありませんとの答えでありました。それに加えて「ロウバイ」と「バイカウツギ・ベルエトワール」をネットで20日くらい前に発注していたのですが、苗屋さん次第で、5月までには到着します、というアバウトの対応でした。

これは一大事、せっかく飛行機代を払って駆けつけても植える苗がなければ手の打ちようがないので、急遽、当地平塚のホームセンター7など数軒回って「せとか・不知火・清見オレンジ」の2年生の苗を買い求め、ワタシが到着する11日着の指定で宅急便を送りました。

そして現地(実家)に到着したのが11日の11時半でありました。朝4時起きで花や鉢植えに水をやり、メダカに餌をやって電車・バス・飛行機・レンタカーと乗り継いで、休む間もなく近所のホームセンターに資材の買い出しに向かいます。

兄の重い病気のせいもあって、長い間放置していた実家は荒れ放題でありました。実は昨年も、3日間草取りに行ってきたのですが、その後、兄もこのままではいかんと思ったか、敷地内に数十本あった樹木のうち「しだれ梅」だけを残してすべて伐採、築70年以上の、倒壊寸前の離れ(納屋)も壊して撤去していました。
兄は「終活」を始めたのですが、小高い丘に建つ実家は樹木がすべて取り払われたせいで、全面南向き遮蔽物がなく、驚くような開けた眺望が広がっておりました。200坪の敷地にポツンと母屋があるだけでがらんとしてしまったので、新たに植えようという気になったのですね。

畑としてもガーデニングとしても一切活用していなかった敷地には、竹・梅・柿・棗・柘植・ゆず・・・・おびただしい植物が根を張り、土中には漬物石大からガラ・砕石などが一面に埋まっていて固く締まっているのです。これを三日間で5,6本の果樹や樹木を植え花壇を作り、野菜を植えるために畑も作ってほしいという要望に応えなければなりません。

荒れ地の開墾用にはつるはし・小型のシャベル・篩・のこぎりなどが必要です。果樹の場合、深さと直径が6~70cm位の穴を用意します。掘り出した根や石ころを取り除くと「かさ」が減るので、黒土・培養土・腐葉土・赤玉土・鹿沼土などの用土に加えて、土中の殺虫剤・元肥・有機化成肥料なども併せて必要になります。ともかく25千円ほど資材や道具を買い込んで、昼飯抜きで作業開始。なにしろ、初日は半日、翌日終日、最終日は午前中のみで実質二日間で作業を終わらせなければなりません。

とりあえず兄が作りかけていた花壇を煉瓦で囲って土を増やす、母屋の南面に一つ簡単な花壇を作ることから始めました。この程度は朝飯前、いや昼飯前か。


それから、問題の柑橘類の植え付けです。下の写真の右にこんもりとした薄茶色の場所は、県指定史跡 「丑殿古墳」であります。ワタシの実家の地続きに県内でも有数の古墳がある、という小高い山裾なのです。
段差があって、あちこちが石垣になっています。日当たりは最高で「柑橘栽培」には理想ですが、何しろ、根っこと雑草と埋まった夥しい大きな石の除去が必要です。訪ねてきた中学校時代の旧友が「なんでこんなに大きな穴を掘るの?」と聞かれましたが、固く締まって石ころだらけの土の中は、いわば大きめのプランター・大鉢と同じです。根が張る隙間が乏しく、水をため込む保水力もなく、肥料分もありません。深く掘って、底に腐葉土やたい肥などの肥料分を混ぜ込んだ黒土・赤玉土を入れておくと、根は水気・栄養分を求めて垂直に下に向かって伸びていくのです。すると地面深く根を張った果樹は、何年後かには見違えるほどどっしりと育ち、たくさんの果実をつけてくれるのです。


ということで、初日は穴掘りに徹し、二日目には投入する肥料や腐葉土培養土・もみ殻などを追加で買ってきて、なんとか4本の柑橘を植え付けすることが出来ました。
ここで友人が駆けつけて石運びを手伝ってくれました。奥座敷の廻り廊下の前にあった日本庭園は、それまで配置されていた置き石などすべてが撤去されて雑草だらけだったので、記念に一つモニュメントを設置いたしました。
名付けて「太古の祈り」としておきましょう。どうやら100年以上も前に農家さんが使っていた農用具の石であったのが、土の中に埋もれていたのです。

三日目も朝7時半に作業開始。主な作業は兄が、自分で食べるための野菜を植える畑の確保です。黒土に夥しい数量の小石が混じっていました。さらに厄介だったのが、4,5種類の樹木と竹の根っこでありました。数十年かけて張り巡らされた太い根は5センチ以上のものもあり、簡単に抜けるものではありません。渾身の力を込めて引っ張り抜けるものは抜き、どうしても抜けないものは30センチほどの深さで、鋸で切るという作業が約3時間。本日は筋肉痛であります(笑)

時間があればすべて「篩(ふるい)」で小石を除くのですが、帰りの飛行機の時間があり、途中までで切り上げることにしました。それでも8割がたの石は除き、根っこも抜き去ったので、弱った兄の手足でも、なんとか鍬を使うことが可能なレベルにまではできました。

この三日間で植え付け出来た植物は
せとか 清見オレンジ 不知火 柚子 サルココッカ

苗が届き次第植え付けできる穴掘りと用土作り
(ロウバイ バイカウツギ)

兄が記念植樹(笑)したのが「ラズベリー2種」

苗が入手できず断念したのが「カボス」「ぶどう巨砲」であります。

以降はその2(健康編)に続きます

コメント (4)
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