彫っています。
篆刻もだいぶ様になってきたと、自認(手褒めといいますな)しておりますが、プロの篆刻家にはまだまだ遠い道のりで、お迎えが来るまでにどこまで辿り着けるか・・・・
印を彫るのは、主に①自分が使う遊印や雅印などの完全オリジナル ②練習として名人の摸刻 ③依頼印(第三者に頼まれる)がその目的になります。これに今年は④展示会・公募展への出品印の製作が入る予定であります。
どれであれ、毎日試行錯誤しながら昨日よりちょっとずつ腕が上がり、ちょっとづつ目が肥えていけば良しとしております。
このところ知り合いの方から立て続けに3人分の印を頼まれました。アマチュアの篆刻好きのオジサンなので、当然タダで彫ります。郵送料と印材・印箱代は実費を頂くことにしていますが、それも実際は正確な値段は不明で、ワタシが落札してきたヤフオクの新品・中古印を使用するので、「まあこの位の値段かな」と推量するよりないのです。
家内に言わせると、「あんた、当たり前の人間が、目をしょぼつかせ何時間かをかけて手間かける」のだから、人件費と技術料がかかるのは当たり前でしょう?とプレッシャーをかけて来るのですが、その都度、自分はまだ未熟の身、彫ることで勉強させてもらっているのだから金は取れんよ、と抵抗しているのであります。
最近作を載せましょう。個人名が入っていますが、まだ相手に印を渡したわけでは無く著作権はワタシにあり、なおかつ無料なので、本人たちに断る必要はありません。多分個人情報を漏洩したなどと言ってはこないでしょう(笑)。
こちらが九州で書道に励む方たち(勿論お目にかかったことも無く職業も存じません)に作った姓名印や雅号印などであります。
それぞれの方が、既に雅号を持ち、書道に取り組んでいると聞いていますので、長く使ってもらえるよう少し上等の印材をつかっていました。石の値段は恐らく一本千円から2千円というところでしょうか。それに印の箱代や郵送料が付加されるとトータルの最低実費は15千円位になります。依頼を受けた時点では、何の条件や価格も示さず約束を交わしているわけでもありません。
極端な話は、こちらで勝手にレターパックで送付してお終い、にしても構わないのです。住所はお聞きしているので側款を入れたら明日にも送付しようと思います。届いた現物を見て、これなら少しお金を払わねば、と思うなら実費の値段を伝えるつもりであります。
今朝彫ったのがこれ
特に目的はありませんが、昨夜書道仲間のグループLINEで山本なんとかとか、尾花先生とか、若手の篆刻家さんの印がいい、とか欲しいとかのやりとりがあったのです。グループの主催者であるワタシの眼の前で、そんなメッセージやそのプロの印の写真を見るにつけ「ふん、そのくらいならワタシにも彫れるわい」と思ったのです。実際この程度の小印ならば30分もあれば出来上がります。
その出来栄えや良し悪しは、受け止める側でかなり異なります。名前や先入観で「さすがー」とかいう人も多いのです。本当は専門家ならば、その印刀の使い方や章法・字法などからチェックするところなのですが。
最後は昨日彫った「徐三庚風姓名印」であります。書道のオープンチャットで知り合った才能あふれる十代の若者で、短い期間で書や印の手法を飲み込み精力的な創作活動を続けているので、微力ながら支援し場合によってはいくらかのアドバイスをいたしております。彼から徐さんみたいな姓名印を彫ってみて、というリクエストがあったのです。そのわけなど聞きません、二つ返事で請け負いました。
作って差し上げた相手が手にして「うわ、嬉しい。いいわーこれ」と愛用してくれればなんの異存もありません。相手がプロの篆刻家だろうが19歳のお兄ちゃんだろうが、同じ人間、上も下も無くじっくりと篆刻で磨き合い、競い合えば良かろうと思いますね。