植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

出来損ないでもいい、たくましく育って欲しい 

2022年06月01日 | 植物
今朝はいいお天気、日中暑くなるようです。
4.5月は果実作りで一番大事な時期なのです。
果物を一通り狭い畑で手作りしております。その数40本ほど。無農薬有機栽培の季節の果物を、自分で作って木からとってそのまま食べる、というワタシにとって最高の贅沢を実現しようと毎年試行錯誤しながら育てております。

今は、それぞれの花が咲き、既に受粉したものもありますが、これから結実するかどうかというタイミングなのです。

既にリンゴ(ふじ・つがる・シナノゴールド)は例年になく多くの実がついて、ピンポン玉よりやや小さい所になりました。花が沢山咲き人工授粉がうまくいったのでしょう。まだ樹齢が浅く充実していないので、これからは、もう少し「摘果」して樹に負担を掛けない様にします。


昔の日本の原風景、農家のシンボルツリーである柿は2種、甘柿禅寺丸と、生産地域が限られている自慢の「花御所柿」もとりあえず実がついています。柿は、自分で適当に実を落としていきます。自然落果といいますが、樹本体が弱らないように自分で調節するのでしょう。


柑橘類は去年沢山生った「デコポン」と清見オレンジはほぼ皆無、裏生り年になるのでしょうか全く期待できません。「はるか」や「せとか」に望みをかけることにします。

嬉しい誤算であったのが「皇帝ナツメ」であります。昨年虫が大量発生し木は大きくなるのにちっとも実がならないため、思い切って伐採いたしました。しかしその脇に1mほど伸びた根から育ったナツメの幼木を思うところがあって鉢に移植していたのです。これが小さいくせにびっしりと小花を咲かせました。ナツメは自家受粉いたしますが、結実する割合が低いのでぬか喜びにならねばいいのですが。

ぶどう「甲斐路」は先日ジベレリン処理をしました。タイミングを逸して種なしにならないかもしれませんが、粒の肥大化に役立つのでもう一度薬液に浸潤させる作業をいたします。


 さて、そこでフェイジョアが咲き始めました。植えているのは授粉樹として「クーリッジ」、大実の「アポロ」です。微妙に開花時期がずれるので心配でしたが、前者はもう満開、アポロはやっと20個ほどの花が咲いているのです。

フェイジョアは、日本の風土で地植えして育てられる亜熱帯系の果樹であります。常緑樹で病気や害虫が付かず、強健で手間がかかりません。花が美しく、花弁はぽってりして甘く「エディブルフラワー」としても有名です。そして滅多に出回らない果実も、トロピカルな風味と独特の透明感のある甘い果肉で素晴らしいものなのです。
下はクーリッジ
こちらがアポロ

洋風家屋や庭園にマッチし、ワタシの中ではお庭に植えるシンボルツリーとしてベスト3に押したい植物であります。実を食べるまでには、授粉樹が必要です(自家受粉する品種もあるようですが)。結実しにくい理由はもう一つ、花が蜜を出さないからです。その分花弁に蜜の成分が含まれるので甘いというのです。そこで、果実が欲しければ同時期に開花する別品種の授粉樹を植え、かつ人工受粉が必要です。先ほど片方の花を切り取って、アポロの花に押し付け、その花粉が付いたものをもとのクーリッジの雌蕊に優しくタッチしてきました。るを1週間以上繰り返します。

これでしばらく経って、ポロリと落ちたらアウト、受粉に成功したら子房がぷっくりと膨らみ始めます。

これから、スイカの苗を見回り黄色い花の中に雌花を見つけたら、他の苗から雄花をむしって受粉させるとしましょう。

みんな、見栄えが悪くてもいいからちゃんと食べられるまでたくましく育ってね。

コメント (2)
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