植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

植物は馬鹿じゃない 馬鹿なのはワタシ達人間

2022年06月14日 | 植物
ワタシがブログの構想を練る(笑)のはだいたい就寝時か草むしりであります。
残念ながら布団に入って思いつく話は、翌朝にはすっかり消えてしまいます。

草取りのいいところは、下を向いて誰とも言葉を交わさす「無心」になれること、草を取った後は清々しく、極めてささやかな達成感が生まれることにあります。勿論足腰が痛くなる、俯きの姿勢なので首肩の凝りがひどくなるというデメリットもあります。

そこでいつも思うのは「雑草たちがいつの世も生き残っている」理由であります。当然雑草のように逞しいのですが、その生き残り戦略は巧みであり様々でもあります。共通するのは。土を選ばず、成長スピードが速いのです。雨が降った翌朝は大げさに言えば10㎝ほど伸びたりします。根を張るのも葉や茎をのばすのもあっという間、名高い「ヤブカラシ」などは、その典型で、奇麗な芽をのぞかせたと思うと1週間で1m位樹木などの間を伸びています。藪を枯らすほどの成長力は驚異的です。また、美しい黒い実を鳥が好むらしく糞で遠くまで子孫を飛ばしていくのです。

次に、根の戦略。鉢植えの草はびっしり細かい根が土に食い込んで簡単に抜けません。水分が乏しく地面より固くなる鉢の土に合わせているのです。また、畑の草は根が浅く平がるのに対し、荒れ土の草は地中深く根を伸ばすので簡単に抜けません。カタバミは、壁面や石の縁、さらに他の植物の株元に根を張り簡単に除草されないように食い込んでいきます。

そうして最も重要な戦略が「我が身を守らず子孫を残す」数は力なり、ということに尽きます。ワタシ達が育てる一般の草花は、長い時間をかけて改良された園芸種がほとんどです。そこには美しい花が咲く、あるいは育てやすく長持ちする因子を重要視します。見た目の美しさが優先され大きな花を咲かせるため、花が咲くまで時間がかかったり結実させることは二の次となったりします。
一方雑草は、個体(自分)が繁茂し大きく育って長く生き残るより、一刻も早く花を咲かせる、花は小さくとも無数に開花させることを選びます。ですから、雑草が10㎝も伸びるとすぐに無数の花芽をつけるのに驚かされるのです。彼らは根を伸ばして増え、小さな球根をびっしりとつける、無数の種を残すといったあらゆる手段で種をのこしていくのです。

野菜や果樹たちも実は意味は同じで、自然の理に忠実に合理的に成長していきます。例えば果樹は、自分の個体がある程度大きくなるまで花をつけません。立派な実をならせ、種を運んでもらうようになる前に根をしっかり伸ばし体力をつけるのを優先します。また、沢山実が生った翌年には減らす、結実数が多いと自然落果させるなど、自分が弱らないようにして長く生き残り、子孫を残すことが出来るのです。

更に、自家不和合性という性質を持った樹木も多いのです。これは、一つの遺伝子による単独の種のみで繁殖を繰り返すと、すると奇形・病気などが増える、いろんな環境変化に適合できなくなるといった「近親交配」を避け、近種と交雑することで更に強靭な種に変化する為です。単独の木だけでは種を残さないのです。また、同時に同じエリアで同種の植物が密集しあうことが将来共倒れになるリスクも避けるのです。

何が言いたいかと言えば、植物達もバカでは決して生き残れなかった。現存する植物たちは賢く戦略を使っていたから生き残ってきたのです。スイカの人工授粉は今朝も行いました。スイカは雄花・雌花が一つの株から咲きます。比率では圧倒的に多い黄色い雄花が咲き始めてぼーっとしてたら失格です。無駄に雄花だけを咲かせることはありません。よくよく調べて探せば必ずどこかに雌花が咲いています。

その点、なんと人間は馬鹿なのだろうと思います。大人になっても伴侶を探さず結婚もせず、子供を欲しくても一人で十分だとか。

日本人がゆっくりと国際競争力を失い、人口を減らし、馬鹿な人間が跋扈するようになったのも「単一民族・単一国家」による和人の純血種の近親交配が影響しているせいかもしれません。

せっかくこの世に生まれても自暴自棄で病気になったり自殺したり、挙句によその国に攻め込んで殺し殺され・・・・
コメント
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