植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

とくだわらに足がかかった田中さん

2021年12月02日 | 時事
 日大の田中英寿さんが、脱税で逮捕されました。そして理事長を辞任したそうであります。ついに年貢の納め時となった、驕る平家も久しからずでしょう。おかげでサッカーの中田英寿さんが風評被害(笑)だそうな。

 日大は高校大学とも夥しい卒業生を出しているマンモス大学で、知り合いにも大勢いらっしゃいますし、日本の社長の出身大学ではトップだったような気がします。知っている限りでは、学校法人ではなく株式会社、つまり純然とした民間営利企業なのですね。

 思えば2年ほど前に、日大アメラグの選手が関西大学の選手に危険なタックルをさせて怪我を負わせたとき、監督やコーチが糾弾され、退任に追い込まれた時にとうとう一度も姿を現さず完全な無視をして逃げ切りました。一般の人もこれでようやく日大の体質、田中さんの権力集中や私物化が垣間見えたのですね。

 あの事件がコーチ個人の謝罪でうやむやになり刑事事件まで発展しなかった理由がなんとなくわかってきました。田中さんやその側近はあの安倍前総理とお友達でゴルフ仲間であったそうな。それがおかげか10年ほど前から目をつけられていた巨額の脱税や不透明な資金の流れを解明して摘発しようとした国税が、立件を断念したのだそうです。
 
 税務署からの呼び出し・召喚に一切応じなかった、つまり姿を隠して逃げ切るという相撲の決まり手には無い技「逃げ切り」を得意にしていたのでしょう。アメフトの時も身を隠していましたが、さすがに三度目の正直、安倍さんなどの政治家からの庇護も今度ばかりは通用しなかったようです。映画「マルサの女」で、小林 桂樹扮する査察部の課長に政治家から査察の中止を迫る電話がかかってきますが、「先生、これはいささか質が悪い事案です。先生のお顔をつぶすことがあっては」とやんわり拒否する場面を思い出しました。

 部屋の弟子を暴行して死なせた親方や、男「山根」で名前を知らしめたアマボクシング会長などと同じ匂いがする人物ですね。最近では中国人権問題やテニス選手の失踪事件にも、コメントをしない柔道JOC山下会長も同類で、東京五輪同様、あのバッハの言いなりで毅然とした姿勢はとうとう見えませんでした。

 田中さんは、まわし一本から日大のトップに上り詰めたばりばりの武闘派です。金と権力と人事権で恐怖政治をしいたようです。検察官に「あんた日大だから馬鹿にしてるの?」と脅かしたそうです。理屈は「日大も東大卒も同じ学士だ」というのです。それは違いますねー-。日大は金さえ払えばだれでも入学できる、それは田中さんが一番ご存じでしょう。一方の東大は、多くの俊英の中で人並み以上に勉強して努力してやっと入れます。司法試験に合格して検察庁に入庁した人と「同じ学士」にしてはいけませんわね。

 俺を逮捕したら「裏金を配った政治家の名前を出す」と暴力団並の脅し文句を並べてみても、心証を悪くするだけでしょう。脅かしや暴力・金とコネでどうにでもなると世の中をなめきったこの人物に対し、大勢の関係者が恨みや怨嗟を抱いていると思われます。この手の人物は往生際が悪く、表向き姿を消しても裏では隠然とした力を残すことも往々としてあります。ついに土俵を割るかと死に体になったようですが、どんなうっちゃりを見せるか。つき出されて、砂かぶりにもんどり落ちてもまた這いあがってくるような気もしますね。 
コメント
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