植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

田黄のようなもの サンタのプレゼント

2021年12月27日 | 篆刻
 今朝は気温が零度を下回っています。寒さが本格的になります。昨日は、イチジクを剪定し、その前は桑を大きく枝切りしました。また、寒さに弱い植物たちもほぼ全部屋内や温室に退避させてあります。重たい鉢を一人で幾つも持ち上げて運んだせいで腰を痛め、10日ほど経過してもいまだに痛みが引きません。腰をかばいながら、しまいそこなった君子蘭を3鉢物置へ運び入れたところであります。

さて、ブログを数日間更新しないでいましたが、やはりそこは3年続けた人間として、断筆というわけにもいかず、少しずつ上げてまいろうと思います。

クリスマスの話、すでに終わった話であります(笑)。
何度かこのブログでも「Xmas」がただの日になったということを記した覚えがあります。この歳になって連れ合いと二人の生活になってから、そうした記念行事はやりません。誕生会も結婚記念日も無し、やるのは墓参りぐらいのものです。中国では習近平さんが、クリスマスのお祝いや行事を禁止したそうであります。西洋的な文化やキリスト教由来の風習など、伝統的な中国の文化を毀損するから、というのがその理由だそうです。オリンピックで「外交的なボイコット」が出て来るとその国に対してすぐさま嫌がらせをする嫌な国ですね。

 せっかくの聖夜も、サバの味噌煮やらキャベツ炒めなどの晩御飯で、チキンもケーキも無しでした。ケーキはむやみに血糖値を上げるし、この時期に売られるモモ焼などは、何日も前に作り置きし急に値上がりしてくるので並んで買う気も起きません。line仲間とライトアップやらイルミネーションの写真のやり取りがあっただけですが、それでもグリーンスナップという植物写真の投稿サイトで知り合った花友さんからサンタの動画が送られてきました。また、篆刻印を3個彫って差し上げた中学生の男の子から日本酒がお礼に届きました。これはXmasに関係ないか(笑)

 昨日届いたヤフオクの「材質不明の田黄石もどき大量」は落札価格は2万円以上したのですが、すべて人造石で何の価値もないガラクタでありました。最初から非常に高価な本物の田黄とは思っていませんが、なにかの合成物で出来た着色した粗悪な代物は、捨てるに捨てられない有り難くないプレゼントでした。田黄石は、模造・類似品・偽物も多く出回ります。こんなものを作る奴は決まって中国人であります。偽物社会の塊であります。

 本物の田黄石は専門のコレクターが大勢いて、特に清朝以前の精緻な細工のある時代物は、ワタシらがたまに入札してもその10倍近い値段で落札され、指をくわえてみているしかありません。ワタシの膨大な印材の在庫の中でも、真正の田黄石は、指先大の小粒なもの1個だけ、あとは「田黄石かもしれない」あるいは「田黄石に近いのかな」といった石しかありません。

 そんなこともあって、非常に気分が悪いのでありました。こういう時は篆刻もなかなか思った出来にはなりません。寒いし座ったままの作業は腰への負担も大きいのです。

 それで昨夜、気晴らしをしようとXmasが終わって静かになった盛り場へ出かけた、つもりになって、性懲りもなくヤフオクにいくつも入札しました。日曜日が最終期日の出品が多いのです。数日前から狙いをつけていたのが田黄(笑)の鳥鴉皮(うわひ)田黄です。自分にクリスマスプレゼントを買おうというわけです。

 田黄石は福建省寿山の「田黄坂」という田んぼの土の中などから出土した飴色、琥珀色に近い印材の王様であります。何万年もの間にその石の表面が酸化・変質して数ミリの厚さで白や黒の表皮で覆われています。一説によれば農夫が野焼きしたためにそうした状態になったのではないかとも言われます。これを鳥鴉皮と呼び、全部取り除いてピカピカに磨き、精緻なレリーフを施すのが一般的なのです。中にはわざとその皮を残して彫り細工を入れステンドグラスあるいはガレのガラスシェードのように仕立てるのもありますが、珍品として非常に高額な価格で取引されているようです。

 今回は、その鳥鴉皮田黄「のようなもの」が出品されました。この出品者が「鳴鶴堂」という店で、オークションの専門業者としては、非常に高価で貴重な骨董品を出してくる古美術商の一つなのです。責任者が目利きであることは疑う余地がありません。ここから落札したのは数度ありますがとても満足できる品物だったので、粗悪品である確率が低いと踏みました。見る限り印台や専門の箱がついていないこと、細工が新しく見え数百年前の骨董品とは言えない様なせいか、入札に参加する人が少なかったのです。

 ただし、数百円からスタートした入札額はすぐに1万円を超えていました。残り30分ほどになった時、ここは得意の3万円(3万円以上は出さないで諦める)で入れましたが、当然のごとく他に高額入札あり、となったので止めて他のオークションを見ておりました。その人は評価点が7万Pt台の猛者(恐らく相当な金持ちの骨董好きか、商売でやっている古美術商でしょう)。ワタシは200Ptそこそこ、オークションの世界では駆け出しなので、とても太刀打ちできませんね。

 しかし、件の田黄石がさらに値段が上がるかと思いきや、全く動きが無く、もしやと思って入札詳細を見直したら、最高入札額が3万円、つまりワタシと同額が上限金額であったのです。つまり、これに千円でも乗せれば少なくとも一度はトップに立つという意味です。3万円で買えればいいと思って入札しているので、それが千円やそこら上乗せしてもどうということはありません。そこで32千円で再入札したら30,500円で落札してしまいました。

一日遅れのサンタのプレゼントか、これはラッキーなのかアンラッキーなのか?
先日の田黄模造品に続いて、連続コケるのか?
これとてどうということはありません。巷では数百円の末等しか当たらない年末ジャンボ宝くじに、数万円から十万円以上投じる人がごろごろいるそうです。そんな愚かなギャンブルに比べたら100倍マシな賭けであります。

続きは明日(__)

コメント
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