植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

鳥とめない話 花を食らう

2020年02月10日 | 植物
 鳥害で、現在進行中の農作物被害は、スナップエンドウの新葉とブロッコリーの葉っぱ、パンジー、プリムラジュリアンなど草花の花びらです。花びらなどは大して栄養もなく、少なくとも食べた感は無いでしょう。植物で最も栄養があるのは実と花の蜜、根菜類でしょうか。
 人間が食べられる花はエディブルフラワーと言われ、食用菊が有名ですが、それ以外にも多くのハーブ類、バラ、パンジー・ビオラ、桜、ペンタスなど多岐にわたるようです。茶葉に使われるものと共通項があるでしょうね。
 ナスタチウムは、鮮やかな黄色オレンジ系の色が料理を引き立て、ピリッとした辛みも喜ばれます。ワタシが最も甘く美味しいと感じたのは、フェイジョアの花でした、花に蜜がない代わりに花びらに蜜が含まれてるという不思議な果樹です。この開花が楽しみであります。

 とは言え、そもそも花びらは、目立つ花色と香り・蜜で授粉するために鳥や昆虫類を呼び寄せます。花弁は視角に訴えることが重要で食べられることを想定していないのではないか、たまたま食べると無害で美味しいという結果であろうと勝手に解釈しています。また、毒性のある花もたくさんありますよ。花にも毒があるので有名なところではキョウチクトウ、朝鮮朝顔(ダチュラ)、サンパラソル(マンデビラ)などでしょうか。球根は毒のあるものが多いですね。それもそのはず、実は食べられて種を運んでもらうので動物に死なれては困りますが、球根はその植物が死に絶えるのを避けるために、毒性を強くしたのです。時に種子に毒があることも同じ理由です。水仙やイヌサフラン、ヒガンバナなどが身近です。戦時中、食べるものがない時代、根や球根を食べて命を落とした人が大勢いたそうです。

 普通の人は、そこらの花を毟ってむしゃむしゃ食べはしないでしょう。そもそも食用菊みたいなもの以外に、花を食用にするために栽培するのはまれです。なので、お構いなしに農薬などを使います。なかには毒性の強い殺虫剤・殺菌剤散布もしますから、よほど空腹でない限り食べないようにするのが賢明です。

  そこで「ヒヨドリ」です。野菜の葉っぱを食べるのはある意味納得です、特にキャベツ白菜などの葉物、これは人間がお金を出して食べるくらいですからヒヨドリにとっても大変結構な食事になるようです。
 しかし、薔薇・ジュリアン・パンジーは食べるなよ。

 どうも、腹を満たすほどの量のない、大してうまくもない花を食べるのは、ワタシに対する腹いせか、脅迫に思えて仕方ありません。
「みかんもキャベツも無い。せっかく朝からこうして来てるのに食べ物が無いじゃん。どうなるか思い知らせてやる。」
とばかり、せっかく寄せ植えしたばかりの花を食い散らかすのです。

 それがあって、旺盛な彼らの食欲を満たし、野菜や草花の被害を少し減らそうと、ビスケットやパンの屑をわざと食べさせたりするのですが。野鳥への餌付けによる生態系への影響とか近所迷惑とかの問題との兼ね合いも要注意であります。

 もしかしたら、単に害鳥を呼び寄せているにすぎないのかもしれません。

 ともあれ、鳥が食べ残したビオラの花、ちょっと試食してみましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする