すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【西野ジャパン】中島翔哉が代表に選ばれない「本当の理由」

2018-06-04 08:07:22 | サッカー日本代表
はき違えた「組織性」が排除の論理を生む

 日本人はとかく集団でコトに当たろうとする。そのため日本人は組織的だとよく言われる。それが日本人の長所だとされる。ゆえに「日本人らしいサッカーをめざせ」という場合の筆頭に上がってくるのが、この組織性である。サッカー日本代表・西野監督の言動を見ればよくわかる。

 だがその組織性なるものは、実は大きな弊害と裏腹の関係にある。組織性は裏を返せば「自分がやらなくても誰かがやるだろう」という、誰も責任を取らない無責任体制=甘えの構造を生むのだ。

 例えばゴール前なのに、自分でシュートせず他人にパスしてしまう責任回避行動が典型だ。また「ゾーンディフェンスでやろう」と言った瞬間に「自分がやらなくても誰かが見るだろう」と責任の所在があいまいになる。で、結局最後の1対1が甘くなり守備が決壊するのも同じ構造だ。ついでにいえば、戦争責任を「誰かが取るだろう」といってだれも取らないのも底流では同じである。

中島翔哉は日本人らしくない?

 その意味ではゴール前で「自分が責任を取る」ポルティモネンセの中島翔哉は、極めて日本人らしくない珍しい選手のひとりである。

 ゆえに「日本人の長所は組織性だ」と高邁な主張をする代表監督は、「ポリバレントじゃないから」などというわけのわからない理由をつけて彼を日本代表に選ばない。いや実はポリバレントなんて取ってつけた理由であり、監督が彼を代表に選ばない真の理由は、自分で責任を取る中島は「日本人らしくない」からなのだ。

 ゴール前で他人のことを考えてパスしてあげる「強調性」「組織性」が日本人の「長所」なのに、そこでシュートしてしまう中島は空気が読めず「組織を乱す人間だ」と捉えられてしまう。

 忖度して他人に「ボールを回してあげない」中島は、「エゴイスティックだ」「日本人らしい強調性がない」と異物扱いされ排除される。実はサッカー日本代表がいつまでたっても強くならない最大の理由がここにある。極めて深刻な問題である。

日本人の「個の弱さ」は組織性と裏腹だ

 ここ数年、サッカー界では「日本人は個が弱い」という問題がずいぶんクローズアップされている。だがこの場合の「個」とは、何もドリブルで敵を抜く個人技や、日本人が苦手なフィジカルの問題だけを指すのではない。

「他人任せでなく自分がやる」「おれがシュートを決めて勝つんだ」という独立心旺盛な「自決型」のメンタル=精神性のことも「個」と呼んでしかるべきだ。つまり日本人は「俺らの長所は組織性だ」などと言い、空気を読み他人を忖度してばかりいるからいつまでたっても「個」が弱いのだ。

 サッカーに限らず、「日本人の長所は組織性だ」などというリーダーは強い日本人を作れない。

 今後は日本代表の強化指針の第一項目に、「空気を読まず忖度しない選手を育てる」という一文を大書して入れるべきであることはいうまでもない。

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