すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】大迫を発見した価値あるテストマッチ 〜日本4-0オマーン

2016-11-12 00:25:12 | サッカー日本代表
期待にたがわず2ゴールを決める

 日本がFW大迫を発見した価値あるゲームだった。サウジ戦に向け代表に呼ばれた初戦でヘディングと切り返しからの冷静なシュートでいきなり2発だ。トップ下でスタメン起用された清武もしっかり軸になり、1ゴール2アシスト。早くも大迫とのホットラインが光り輝いていた。

 ドイツ・ケルンでの好調さを買われ、代表に招集された大迫が躍動した。ポジションは4-2-3-1のワントップだ。まず1点目は清武の左からのダイアゴナルなクロスをヘッドで決めた。2点目は背後からの縦パスをワントラップしてゴールに向き直り、切り返しから正確にゴールへ流し込んだ。

 大迫はシュートの意識が非常に高く、ワンタッチでシュートできる場所へボールを置く技術がある。前線で起点になるポストプレイもよし、スペースへの飛び出しもよし。しかも軸がブレない強さもある。所属チームでは2トップの一角だが、ワントップでも全く遜色ない。サウジ戦でのスタメン候補は確定だろう。

 一方、トップ下で同じくスタメン起用された清武もキレと展開力があり、不調が続く香川との差は歴然としていた。所属チームで試合に出場してない点も全く問題ない。この日対戦したオマーンとは力の差があるため日本代表はポゼッションできてしまっていたが、そうすると日本はたちまち意味のない細かなショートパスに拘泥する。もし清武がいなければ、得点シーンのような大きな展開はできなかったかもしれない。彼はチームのメカニズムを一新する大きな力になる存在だ。

本田のキレの悪さは深刻だ

 またマリノスの個性派、斎藤学は左のFWでスタメン出場した。彼は鋭いドリブルが特徴で日本の「飛び道具」になる怖さがある。サイドを破ってのクロスもあり、スケールの大きさを感じさせた。途中交代したがもう少し見たいと思わせる選手だった。

 かたやボランチで途中出場した小林祐希は、清武と同じくチームの軸になる風格と力強さがあった。彼はゴール中央へ来たこぼれ球を拾い、落ち着いてコースを狙い4点目を決めた。メンタルの強さも魅力で、今後が楽しみな素材といえる。このほか短時間の出番だったが原口は相変わらずイキの良さを見せ、同じく途中出場したFW久保もおもしろい存在だった。久保は下がり気味の衛星的なFWとして2トップで試された(のちに右FWへ移動)。

 一方、不合格組である。まず本田と岡崎(途中出場)はキレがなかった。特に本田の出来の悪さは深刻でレギュラー陣の見直しも必要だろう。FW浅野(同)も判断が悪くシュートできる局面でパスしてしまう。彼は思い切りのよさが身上のはずだったが遠慮してしまっている。修正が必要だ。またハリルの期待を受けスタメン出場したCB丸山はレギュラーを狙うには厳しいレベル。ボランチの永木も個人的には物足りない。彼らの存在が象徴的だったが、Jリーグ組と海外組の間にはインテンシティの違いが明確にあった。

 なおゲーム展開としては前半開始から左FW斎藤と右FW本田が絞り気味にプレイし、サイドに作ったスペースに両SBのW酒井が高いポジショニングをして最終ラインからビルドアップするゲームプランだった。だが両SBの質が低くほとんど起点になれない。アンカーがひとつ降りて3CBを形成し、両SBを上げてビルドアップしたいのだが機能不全だ。SBの深刻な人材不足も露呈した。

 光あれば影もあり。結果を出した成功者と不出来な落伍者との対比が鮮明に映し出されたテストマッチだった。
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